2023年4月、市原市で初めてのインクルーシブ広場が上総更級公園に誕生しました。

障がいの有無にかかわらず、全ての子どもとその家族が遊び・交流・学びの機会を得られるような広場になっています。

公開 2023/05/30(最終更新 2024/03/16)

ちいき新聞ライター

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明日も遊びたくなるみんなが集まる広場

市原市初のインクルーシブ広場
さまざまな遊具があるインクルーシブ広場全体

インクルーシブ広場とは、障がいのあるなしにかかわらずすべての子どもとその家族が、互いの違いを理解し支え合いながら、遊びを通じて交流し学びの機会を得られることを目的とした広場です。

市は、人が輝き、活力ある地域社会が将来にわたって持続できる「まち」を目指して、2021年度にSDGs戦略をスタートさせましたが、この公園がオープンした13(平成25)年当時から「遊具や日陰が少ない」という市民の声や、「障がいのある方は公園に行きづらい」という声を聞くこともあって、このタイミングでインクルーシブ広場計画が事業化されました。

市原市では初めてとなるインクルーシブ広場ですが、そこには市の「全ての子どもを大切にしたい」「子育てを応援したい」という熱い思いが詰まっています。

上総更級公園のインクルーシブ広場では、車椅子に乗ったまま遊べる遊具や砂場、視覚障害に配慮した色合いなどを採用。

市原市初のインクルーシブ広場
いくつかの遊具が合わさって一つになった複合遊具

遊具は子どもだけではなく、中高生から大人まで遊べるため、幅広い世代で楽しむことができます。

また、見守る側も過ごしやすいように、ベンチや開け閉めできる日よけを園内に設置することで、周囲の人と交流しながら長く過ごせる工夫も施しました。

4月1日にオープンしてからは遊具に列をなす姿も見られるなど、早くも市民の憩いの場となっているようです。

言葉の発信も含めて直球のネーミングに

市原市初のインクルーシブ広場
音や声が伝わり離れた場所でもコミュニケーションを楽しめる伝声管

上総更級公園では「インクルーシブ広場」と、あえて直球なネーミングが採用されました。

そこには「インクルーシブ」という言葉をよりたくさんの人に広げて、誰もが多くの人と交流できるような場所にしたいという市の思いが込められています。

市原市役所公園緑地課では、インクルーシブ広場の遊具が「特別ではなく、当たり前になるように、将来的にはその他の公園にも広げていきたい」という展望もあるそうです。

全ての子どもたちがいろいろな遊びを経験することで成長につながり、世代を超えて多くの人と関われる、明日もまた来たくなるような居心地のいい場所を目指す「インクルーシブ広場」。

障がいがある子どももない子どもも同じように遊べる、みんなが遊びを経験できる広場として市民に愛される公園になるに違いありません。(取材・執筆/北村)

住所/千葉県市原市更級5-1-1

問い合わせ
電話番号/0436-22-1111(代)
市原市役所 公園緑地課