市川市曽谷の住宅街の一角で、全国600以上の店舗に並ぶブランドの本革製品が作られています。

それもたった7人の職人の手によってというから驚きです。

革小物製造卸の老舗、高屋市川工場を訪ねました。

高屋市川工場

公開 2023/05/31(最終更新 2023/05/26)

編集部 R

編集部 R

「ちいき新聞」編集部所属の編集。人生の大部分は千葉県在住(時々関西)。おとなしく穏やかに見られがちだが、プロ野球シーズンは黄色、Bリーグ開催中は赤に身を包み、一年中何かしらと戦い続けている。

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地元でも知る人ぞ知る歴史ある製造現場

株式会社高屋は1953年創立。

当初は和装小物を扱い、当時の皇后美智子さまも同社の金唐草のバッグをお召しになったそうです。

本社は台東区蔵前。

現在はバッグや財布など本革製品の製造と販売で年商13億円の老舗企業です。

高屋市川工場
パスケース
高屋市川工場
がまぐち

高屋の市川工場は1963年、大量生産と職人の育成を目的に設立(当時の名称は八幡研究所)。

現在ここでは1カ月に約600〜900個の本革財布を製造しています。

高屋市川工場
工場内には縫製用の色とりどりの糸がずらり

6月9日からの3日間、工場直売会開催

新商品を作る際は本社企画部によるデザインを基に市川工場の職人が型紙を起こし、見本を作成します。

この型紙作成は一生ものの技術といわれ、できるのも一部の人に限られているとのこと。

理想のデザインの実現だけでなく、生産性や再現性も考慮して1ミリ単位で図面を引いていきます。

高屋市川工場
型紙作成を行う職人の一人、上久保さん。工場設立当時から勤務するベテラン
高屋市川工場
同じく型紙作成を担当する斉藤さん(写真はファスナー部分の製作中)

手直しを経て見本が完成したら、本生産(裁断、縫製、検品)へと進みます。

高屋市川工場
小さな財布もさまざまなパーツからなる。中央下が完成品
高屋市川工場
パーツごとに作成し、縫い合わせて完成させます
高屋市川工場
各パーツ作成のための道具が並ぶ作業机

縫製は工程によって手縫いとミシンを併用。

工場内に全11台あるミシンの中には、工場操業以来稼働し続けている年代物も。

高屋市川工場
ドイツ・アドラー社製ミシン
高屋市川工場
筒形の製品を縫うためのミシン

人工の合皮と違い、使い続けるほどなじんでくるのが本革の魅力。

高屋製品では、薄手の和装用財布で培った技術が細部に生かされています。

6月9日〜11日の3日間、市川工場では年に2回開催されている販売会を実施。

この機会に地元老舗の匠の技に触れてみてはいかがでしょう。

高屋市川工場株式会社
問い合わせ/047-373-0595 
住所/千葉県市川市曽谷3-4-5