芹沢銈介(せりざわけいすけ)の作品展が、柏市郷土資料展示室で開催されています。

砂川美術工芸館で公開されていた、故・砂川七郎氏のコレクションが2007年に閉館後、柏市に寄贈されました。

公開 2023/06/02(最終更新 2023/12/15)

koji

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柏市在住。四季折々の季節の良さを探し歩いたり、地域の歴史的な名所・史跡を訪れたりするのが好きです。地域活動をいくつかやっています。農園を借りて野菜や花を育てています。Instagram/@koji_koji_39

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砂川氏寄贈の 貴重な芹沢作品

芹沢銈介作品展 「花鳥風月」

芹沢銈介作品展 「花鳥風月」

芹沢銈介は、1895年に静岡県に生まれた染色家で、多摩造形芸術専門学校(現・多摩美術大学)や女子美術大学で教授を務めました。

1956年に「型絵染」の人間国宝に指定され、76年にはフランス政府に招かれてパリで個展を開催するまでに。

今回の展示会のテーマは「花鳥風月〜心を染めるものがたり〜」。

コロナ禍で疲れた心を癒やしてアフターコロナに向けての活力になればと、柏市教育委員会文化課の担当者がテーマを決め、600点にも上る作品の中から、テーマに合った作品を選出しました。

展示されている作品は、のれん、壁掛け、着物、屏風、カレンダー、うちわなどさまざまです。

心華やぐ ひとときを

見どころは「風」の文字の壁掛け。

パリの国立グラン・パレ美術館で開催された個展の際にフランス側がポスターに選んだ作品でもあり、白く抜かれた円の中に、風を受けているかのような「風」の文字が、藍で濃淡をつけて染められています。

芹沢銈介作品展 「花鳥風月」風の字壁掛
風の字壁掛

次に、「晴雨二曲屏風」。

華やぐ「晴」の文字の下に太陽に輝く菖蒲と葵の花、渦巻く「雨」の文字の下に雨に濡れ揺らぐ芭蕉の葉が対照的に表された風炉先屏風(ふろさきびょうぶ)も印象的で心に残ります。

芹沢銈介作品展 「花鳥風月」晴雨二曲屏風
晴雨二曲屏風

それから「小花入爪文緑地」という、縮緬(ちりめん)に黄緑色の着物。

遠目には分かりにくいですが、近づいてよく見ると、白く染め抜かれた爪形の中に、植物、魚、鳥、塔などが描かれているユニークなデザインで、その繊細な作りに驚かされます。

芹沢銈介作品展 「花鳥風月」小花入爪文緑地縮緬着物
小花入爪文緑地縮緬着物

気になった人は展示会に足を運んで実物を見て、心華やぐひとときを過ごしてみては。

第29回芹沢銈介作品展
「花鳥風月~心を染めるものがたり~」

会期/~7月2日(日)
時間/午前9時30分~午後5時毎週月曜休館
場所/柏市郷土資料展示室
住所/千葉県柏市大島田48-1 ※沼南庁舎2階
料金/無料
問い合わせ/04-7191-1450