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商品に込められた想いを取材しました。
公開 2023/06/17(最終更新 2023/07/21)

豊かな里山で野菜を作る「まぁずファーム」

千葉県香取市内にある里山の坂道を上っていくと現れるこの光景。
抜けるような青空に、陽光と通り抜ける風を受けてキラキラと輝きながら揺れる緑。
耳を澄ませば、キジやウグイス、カエルたちの鳴き声が聞こえてきます。
「なんて気持ちの良い場所なんだろう」
突如目の前に広がった美しい世界に感動を覚え、思わず大きく深呼吸しました。
そんな環境にある畑が、「まぁずファーム」の齋藤 久美子さんの仕事場です。

風光明媚な姿とは裏腹に、里山の中の畑は水はけが悪い粘土質のため、野菜が尻腐れを起こしてしまいがちで苦労も多いと言います。
実はこの農地は久美子さんの実家で12代にわたり受け継がれてきたもの。しかし、長女である久美子さんが結婚し、父母の代で途絶えようとしていました。
「実家の畑を廃れさせたくない」
そう思った久美子さんは、香取市役所を早期退職した夫の勝さんと共に2018年に就農。
一から試行錯誤を重ね、土を生かす工夫をして多彩な野菜を育てています。
現在、勝さんは同じ香取市内の「農事組合法人 清里ファーム」で米作りに励んでいるため、50アールもある畑の管理をほぼ1人で行っている久美子さん。
それでも手間を惜しまず、種をまくのも、苗を植えるのも全て手作業。
栽培期間中は農薬使用を極力控え、日々雑草や虫と戦いながら丹精込めて作られた久美子さんの野菜は、どれもみずみずしく、生き生きとしています。
「権兵弥のハム」とのコラボで生まれた「のんべぇそーせーじ」

久美子さんが育てたパクチーやニンニク、玉ネギなどの香味野菜と、香取市にある「大権(おおごん)農場」で育てられた豚を使って作られたのが「のんべぇそーせーじ」。
加工をするのは、大権農場の代表・林浩之さんが営む手造りハム・ソーセージ工房「権兵弥(こんべや)のハム」です。自家農場で育った豚だけを使用して作る加工品は、オランダやドイツのコンクールで数々の受賞歴を誇ります。
その名の通り、お酒に合うおつまみとして作られたソーセージです。

香りも味も濃い野菜たちがアクセントとなり、お酒が進むこと間違いなしの味わいですが、もちろんのんべぇでなくても一口食べれば癖になってしまうはず。
よく見ると若干長さが不ぞろいな「のんべぇそーせーじ」。それは「権兵弥のハム」の匠が一本一本手詰めしているためです。豚肉そのもののうま味が詰まっているので、まずは袋のままボイルして何も付けずに食べるのがおすすめ。
旬の野菜を使用するため、収穫状況に合わせて配合は変わります。
通年作られているのは、
・コクのパクチー
・絶妙ブレンドにんにく玉ねぎ
・ガツンとましましガーリック
・のんべぇフランク
の4種。
この他、季節により
・ピリッと生とうがらし
・香りのシソ生姜
・旨味じんわり生姜
・柚子の香生とうがらし
の4種が登場します。
同じシソでも葉だけではなく実も使用する時季があるなど、季節限定の味に出合えるのも楽しみの一つです。
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つながる香取市への思い

「農業をしていなければあり得なかった人との出会いが楽しく、自分の人生のプラスになっています」と笑顔の久美子さん。
就農前は銀行や介護施設などに勤めていたそうですが、農家になってから世代を問わず幅広い人との出会いが増えたと言います。
「のんべぇそーせーじ」もそんな出会いによって生まれたもの。
「香取市産にこだわった商品を作ろう」とコラボが実現したのは、地元を良くしたいという気持ちが同じだったからです。
周辺でも高齢化や後継者がいないために放置される農地が増えている中、「農事組合法人 清里ファーム」の代表を務める夫の勝さんは、「未来に地域の優れた農地、農業を伝えたい」という思いで米作りをしています。
久美子さんに今後の夢を尋ねると、「自分の加工場を造って、もっといろんなことに挑戦したい」とのこと。
何より自らが楽しみながら農業の魅力を発信する齋藤さん夫妻と、郷土を愛する人の思いがつながったとき、また新たな逸品が生まれるのかもしれません。
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