訪れた国や地域90以上、海外への旅は216回。

旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。

秋山秀一さん

秋山秀一さん
旅行作家、元東京成徳大学教授、NHK文化センター講師。日本エッセイスト・クラブ常務理事、日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。『鎌ケ谷 まち歩きの楽しみ』『世界観光事情 まち歩きの楽しみ』『ウクライナとモルドバ』など著書多数。鎌ケ谷市在住。鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)会長、鎌ケ谷市都市計画審議会会長。

 

グリニッジ
グリニッジ天文台。塔の上の赤い球は、午後1時にストンと落ちて時を知らせる「時の球」

公開 2023/07/22(最終更新 2023/07/16)

編集部

編集部

千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

記事一覧へ

海洋王国イギリスの面影を残す街

東経・西経0度、地球を東半球と西半球に分ける子午線が通るグリニッジ。

この地名からグリニッジ天文台やグリニッジ標準時を連想する人は多いだろう。

グリニッジ
グリニッジ標準時を示す天文台の時計

グリニッジは、大航海時代から19世紀末まで、海洋王国イギリスの水上交通の表玄関だった。

現在、海に関する資料が展示されている国立海事博物館や旧王立海事大学など、海洋王国だったことを実感させる歴史的建造物が残っている。

グリニッジ
国立海事博物館正面入り口前の歩道の敷石に世界遺産を示すプレートが設置されている
グリニッジ
中に入ると、大英帝国時代の舟をはじめ海洋に関する展示の数々…
グリニッジ
看板にも船にまつわるものが見られた

係留された帆船は、19世紀後半にインドや中国からイギリスへ紅茶を運搬した貨物船、カティー・サーク号。

同名のウイスキーのラベルにも描かれている、あの帆船だ。

グリニッジ
カティー・サーク号

グリニッジ天文台は観光スポットに

グリニッジ
グリニッジ公園。丘の上にグリニッジ旧王立天文台がある

グリニッジ公園の丘の上に建つグリニッジ天文台まで、広い芝生に沿った道を歩いていく。

天文台の屋根に赤い球が一つ。

いったん上昇し午後1時にストンと落ちて時を知らせる「時の球」である。

グリニッジ天文台は天文台としての役割を終え、現在博物館になっている。

世界の標準時を示す時計の前や、天文台を取り囲む塀に描かれた経度ゼロを表す線の前で、記念写真を撮ろうとする観光客が引きも切らない。

グリニッジ
経度ゼロを表す線を挟んで記念写真を撮る観光客

展望台からの眺め、これは必見である。

グリニッジ
グリニッジ天文台から眺める国立海事博物館。その奥にはロンドン再開発地区ドックランドの新ビジネス街の高層ビル群

最後は旧市街のローカルな店で、ボリュームたっぷりのビーフやチキンを味わいながら一杯。

うまい。

グリニッジ
観光客でにぎわう常設のマーケット
グリニッジ
土地の人でにぎわうローカルレストランで、ビールを飲みながらボリュームたっぷりのチキン料理を堪能した

帰りは定期船の最終便に乗ってロンドンに戻る。

グリニッジ
テムズ河畔から眺める日没時の旧王立海事大学

船から眺める日没時の風景、夜景。

これが、いい。(文・写真/秋山秀一)