古墳とは古代の権力ある人の墓。
遺体を安置した石室の上に土を高く盛り上げ、形は有名な鍵穴の形の「前方後円墳」などさまざまです。
全国に数多くありますが、実際に目にした人は少ないかもしれません。
しかし、本物の古墳を簡単に見られる場所がすぐ近くにあります。
公開 2023/06/25(最終更新 2023/06/20)

ボノ
横浜から千葉に移り、ちいき新聞でライターを始めました。取材は歴史物・行政関係が多め。今は卓球を週に7回、ジムで泳いだり、ピアノ教室&弾き語りのライブをやったりと、とても充実した毎日を楽しく過ごしています!
記事一覧へ身近な公園の中で見られる貴重な古墳

県立青葉の森公園内・青葉の森公園センターの東側にある「荒久(あらく)古墳」(千葉市指定史跡)です。
この古墳は古くから知られ、以前この地が畜産試験場だった時、石室の入り口は開いており、地元の人たちに「石の唐戸(からと)」と呼ばれていたとか。
しかし、公園建設の際に安全上と史跡保存などの観点から埋められました。
貴重な出土品も 石碑を目印に訪ねて
この古墳はもともと一辺25mの四角い古墳(方墳)だったそうですが、周囲が削られてしまい、現在は一辺9mほどです。
古墳時代末期(7世紀頃)に造られたと推測され、この地域を治め、千葉寺を建立した豪族の墓という説もあります。
1891(明治24)年の調査の出土品は散逸しましたが、1959(昭和34)年に石室内の土から3個の琥珀製棗玉(こはくせいなつめだま)(千葉市埋蔵文化財調査センター蔵)や鉄製の馬具破片、人骨片が見つかりました。
石室は凝灰質(ぎょうかいしつ)砂岩の切り石を整然と積んだ横穴式で上には巨石が載っています。
現在はこんもりと茂った木々に覆われた小さな丘にしか見えませんが、きちんと「史跡荒久古墳」の石碑や説明板があります。
親子で散歩がてら古墳を探しに行き、遠い昔を想像してみるのはいかがでしょうか。
※参考資料 千葉市史 第一巻
※問い合わせ
電話番号/043-266-5433
千葉市埋蔵文化財調査センター