2017年、若葉区の加曽利貝塚は「学術上の価値が特に高く、わが国文化の象徴」として貝塚として初めて国の「特別史跡」に指定。
そこで活動する「加曽利貝塚土器づくり同好会」を取材しました。
公開 2023/07/30(最終更新 2023/07/18)

ボノ
横浜から千葉に移り、ちいき新聞でライターを始めました。取材は歴史物・行政関係が多め。今は卓球を週に7回、ジムで泳いだり、ピアノ教室&弾き語りのライブをやったりと、とても充実した毎日を楽しく過ごしています!
記事一覧へ縄文土器を正確に再現しようとする活動
緑に包まれた加曽利貝塚史跡公園。
園内には「博物館」「縄文時代の復元住居」「貝層や遺構」などがあり、訪れる人たちを楽しませています。
そこで活発に活動しているのが「土器づくり同好会」の皆さん。

会の歴史は古く、1974年にスタート。
当時実施した体験学習「土器づくりの会」に多くの応募があり、抽選に漏れた人たちを「土器づくり」の仲間に受け入れようと発足したのが始まりです。
現在も80人と多くの会員が所属しています。
活動は水・土・日(午前10時〜午後4時)で、月末の日曜は「粘土・まき作り」なども行います。
各自が都合の良い日に参加すればよく、とても自由な雰囲気。
土器づくりは初めての人でも取り組みやすいのですが、年月を重ねると、本物の縄文土器の奥深さや迫力にどうしても及ばないと感じるようになり、ますます制作にハマるとのこと。
年初に「縄文土偶雛展」、3月にテーマを決めた縄文土器の展示会、小学生や市民に向けた学習会など、年間を通して活動は盛りだくさん。
時には制作の資料集めとしてバスで博物館などに行き、相手先の協力の下に本物の縄文土器の計測や撮影を行うこともあるそうです。
最近では、加曽利貝塚で多く見られる貝「イボキサゴ」を縄文土器で煮てスープを取り、イベント参加者たちに振る舞う試みも。
使うものは会員が自前で作成
目的が「縄文土器の再現」なので、縄文人たちが行っていた事を想定して材料や道具も自分たちで作ります。
例えば粘土は造成地などで所有者の許可を得て採取、天日干しした後細かく砕き、そこに適量の砂を混ぜ、水を加えながら練り上げます。
焼成に使うまきも園内で伐採された木から作り、土器を焼く時は環境に配慮してまとめて行います。

これまでの資料は代々保存、粘土の作り方、土器の成形や色や模様付け、乾燥の仕方、焼成の時間や温度など、50年間の研究の試行錯誤が生み出した情報や技術もしっかり伝えられています。
はるか5000年前の縄文人の生きざまや文化に憧れ、一生懸命に縄文土器を再現する同好会の皆さんの顔は、まるで少年少女のように輝いています。
電話番号/080-3412-5281
事務局 島田
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