かつて上総国の国府があった市原市。

市に伝わる歴史のロマンを発信し続ける「かずさのくに国府探検会」の皆さんにお話をお聞きしました。

公開 2023/07/23(最終更新 2023/07/19)

ちいき新聞ライター

ちいき新聞ライター

地域に密着してフリーペーパー「ちいき新聞」紙面の記事を取材・執筆しています。

記事一覧へ

市原市に眠るロマン かずさの国の歴史

市原市  かずさのくに 国府探検会 ガイドをする山本さん
ガイドをする山本さん

「市原市の歴史をたどると、当時の政治が分かる」そう教えてくれたのは、「かずさのくに国府探検会」でボランティアガイドを務める山本勝彦さん。

市原市はその昔、上総国として地方統治のための役所の拠点となる「国府」が置かれていました。

当時、政治の中心地にもなっていた上総国は、今もなお市内にその名残を多く残し、歴史を感じさせてくれます。

「かずさのくに国府探検会」はそんな市の歴史を伝えるために、5つのコースを設定し、原則第2水曜日(7、8月を除く)にガイドツアーを開催しています。

今回案内してもらったのはCコース「古養老川沿いの古代遺跡をたずねて」。

わが国最古の万葉集14巻に記載されている青柳港(カゴンツ)や、「嶋穴神社」「嶋穴駅跡」を巡る約2時間のガイドツアーです。

市原市 青柳港
万葉集の巻頭歌にもなっている青柳港で、当時の歴史を振り返ります

今回のツアーでは、自然災害や社会変化を乗り越えた金川原の「千年村」や、昔の道の駅ともいえる「駅家(うまや)」についてなど、たくさんのスポットを見学。

他にも、貝のアオヤギはこの青柳の浜で採れたことからその名が付いたこと、嶋穴神社の扁額は松平定信が書いたものであることなど、普段は気にしないような場所にもさまざまな歴史の跡があるという発見や驚きがたくさんある楽しいガイドツアーになりました。

市原市 嶋穴神社
今回のツアーで案内してもらった嶋穴神社。ここには風の神様が祭られているそう

今年で結成10年 多くの人をガイド

今年で結成10年を迎える「かずさのくに国府探検会」は、これまで累計3500人ほどのガイドをしてきました。

活動を始めるきっかけは、何げなく見ていたテレビ番組だったそう。

「インタビューで市原市の魅力をパッと答えている人がいないのを見て、市原市の魅力をもっと広めたいと思った」と山本さんは話します。

現在は4人ほどで活動。

1回のツアーで10〜20人をガイドします。

小学生をガイドすることもあるそうで、子どもたちに自分が住んでいる地域の歴史を教えています。

「市原市に眠る観光資源はまだまだある。眠っている観光資源を活用したら、市原市はもっと盛り上がる」と話してくれた山本さん自身も、ガイドをするに当たって歴史の勉強をしながら定例ツアーを開催しています。

今回ツアーに参加していた中にはリピーターも多く、「山本さんの話が面白いから、また来たくなる」「市原のことをもっと知りたくなった」と話していました。

町中に隠れた歴史を知ることで何げなく生活している地域も、もっと好きになるかもしれませんよ。(取材・執筆/北村)

次回開催「今富地区の史跡をたずねて」
日にち/9月13日(水)
参加費/200円(資料代)※コースによっては別途バス代

問い合わせ
メール/ka-yamamoto@icntv.ne.jp
ファックス/0436-23-1098
電話番号/090-2637-6497 山本