手賀沼まんだら 自然の台所プロジェクト

千葉県北部の柏市、我孫子市、白井市、印西市にまたがる手賀沼。その流域をフィールドに活動する団体「手賀沼まんだら」が、今年から親子向けのプログラム「自然の台所プロジェクト」をスタートしました。

テーマは「食を通じて子どもの生きる力を育む」。さまざまな食材を五感で味わい、農作物の栽培や収穫、料理などが体験でき、親子で食に関することも学べる内容です。

スタッフの澤田かほりさんに、開催への想いや内容について伺い、実際にプログラムも体験させていただきました。

公開 2023/08/02(最終更新 2023/12/26)

野中真規子

野中真規子

フリーライター歴20年。取手市出身。2021春に東京から我孫子市に移住し、手賀沼周辺の水辺や豊かな緑、遺跡、史跡、ユニークな個人商店などに囲まれた生活を満喫中。スパイスと魚影、日本語ROCK、RAP、民族的デザイン、音楽、祭り好き。https://makikononaka.com/

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大人も子どもも本気で外遊び!を提案する集団「手賀沼まんだら」

手賀沼まんだらは、「手賀沼流域をフィールドに大人も子どもも一緒に外遊びしよう!」と活動している団体です。

「手賀沼周辺の地の利を生かし、周囲の方々とのつながりを大切にしながら活動しています。これまでに高野山地域の遊休農地を放課後の子どもや子育て中の方の居場所として活用した『ごちゃにわ』を運営、そこに学生ボランティアを受入れて竹林整備をしたり、近隣団体と連携して『子どもマルシェ』やハロウィン仮装イベントを行ったり、SUPに乗って手賀沼のゴミ拾いへとくり出したり、さまざまな親子向けのイベントを開催してきました」(澤田さん)

手賀沼まんだら 澤田かほりさん
左から2番目が澤田かほりさん。自らも小学校3年生と年長のお子さんのママです

五感を使いながら考え、行動する力を養う体験型プログラム「自然の台所」

そんな手賀沼まんだらが今年からスタートしたのが「自然の台所」という取り組みです。

自然の台所は、『食べることは生きること。食を通して子どもの生きる力を育てる』をテーマとした体験型プログラムです。みんなで学んで考えて、作って食べて、五感を使って取り組むことで、子どもたちの「問いを立てる能力」や「課題解決に向けて行動していく力」「他者と協働する社会性」など、生きる力を伸ばしていくプロジェクト型学習という側面もあります」

手賀沼まんだら 自然の台所プロジェクト

「自然の台所」プログラムは3つに分かれています。

五感で農のあり方や地元の歴史・文化に触れるおやこ探検「GOKAN」(全4回)をメインに、そこで学んだ知識をアウトプットして理解を深めるために、不定期開催のこども菜園「DAICHI」と、毎月第2水曜日開催のこどもキッチン「SORA」も用意されています。

おやこ探検「GOKAN」は5〜8月の前期と9〜12月の後期にそれぞれ全4回ずつ開催。近隣の農家など食のプロを招いてお話を聞いたり、野菜や果物、卵などの収穫体験や食べ比べをしたりなど、五感で楽しみながら、学びと体験を重ねていく内容です。

前期は、第1回「まずは五感で味わってみるトレーニング」、第2回「おはよう農園での卵の収穫体験と、その卵でのサンドイッチ作り」。第3回「グリーンファーム栗原さんでブルーベリーの摘み取り、スイーツ作り」。第4回「わしのや歴史探検と『手賀沼みらいワインプロジェクト』のブドウのお手入れ体験」で構成されています。

手賀沼まんだら 自然の台所プロジェクト

こども菜園「DAICHI」は、農作物を自分で楽しく育てたり、育つ様子を眺めたりしながら、子どもの好奇心を育てます。

手賀沼まんだら こども菜園「DAICHI」

子ども主体でメニューを考えて作るこどもキッチン「SORA」では、みんなでテーブルを囲み、青空の下で「いただきます」をします。

手賀沼まんだら こどもキッチン「SORA」

GOKAN前期第1回 8種類のトマトの食べ比べを体験!

おやこ探検「GOKAN」の第1回「まずは五感で味わってみるトレーニング」にお邪魔してきました。会場は柏市の道の駅しょうなん・加工体験室です。

今回のテーマはトマトの食べ比べ。講師は柏市で地元農産物の販売や情報発信を行う株式会社ろじまるの代表取締役 森脇菜採(なつみ)さんです。

まずはスライドを見ながら、森脇さんが、都市と農が隣接する手賀沼周辺地域の特色や、農産物の流通の現状、野菜の選び方、栽培方法の違いなどを教えてくれました。普段何気なく食べていた野菜への知識が深まり、購入する際の自分なりのポイントを改めて考えさせられました。

おやこ探検「GOKAN」

続いて手賀沼まんだらの代表・澤田直子さんから「五感って何?」という問いかけが。

これからトマトを食べるにあたり、活用したい「五感」について子どもたち自身が考える時間を作り、ただ食べるだけでなく、感じ取る姿勢を準備していきます。

そしていよいよ食べ比べ体験スタート。

6班に分かれ、大玉3つ、プチトマト5つの合計8種類のトマトについて、1種類ずつ実際に手に取りながら、匂いや実の姿、ヘタの様子、重さなどなどじっくり観察していきます。これだけの種類を一度に比べることは、家庭ではなかなか難しいので、貴重な体験です!

おやこ探検「GOKAN」

観察の後は自分たちで切り分けて味わいます。包丁を使い慣れていない子も、スタッフや親のサポートを受けながら楽しそうにチャレンジしていました。

おやこ探検「GOKAN」

食べた後は、それぞれ感想を伝え合い、班ごとに配られた「トマトノート」に記入。見た目や味、匂い、食感……五感でキャッチした情報が次々と蓄積されていきます。トマトについて、こんなに詳しく感じ取る機会はそうそうないでしょう。

おやこ探検「GOKAN」

感想を出し切った子どもたちからは「みんなにも教えたい」とリクエストが。自分たちが感じたことをどんどん共有し合いながら、同じような感想にうなずいたり、自分たちでは気がつかなかった感想に刺激されたりしていました。

おやこ探検「GOKAN」
大人も負けずに気づきをシェア

おやこ探検「GOKAN」

座学で学んだ知識と、食べ比べで感じた体験を通じて、トマトへの理解がどんどん深まる時間でした。

食べ比べの後は、シルクスクリーンで「自然の台所」ロゴをプリントしたオリジナルエプロン作りも楽しみました!

自然の台所 オリジナルエプロン

ただいま後期参加者募集中! 親子で体験しながら楽しく食を学ぼう

おやこ探検「GOKAN」第1回参加者の感想をご紹介します。

11歳・女子のママ
「娘はトマトが苦手で砂糖をかけて食べていましたが、みんなで楽しく食べられれば変わるかな、と思って参加しました。楽しい雰囲気の中で、今日はバクバク食べていたのでよかったです(笑)」

7歳・女子&3歳・男子のママ
「いただいたトマトが甘くてびっくりしました。夏のトマトもおいしいですが、それ以外の季節のトマトも栽培方法などによっておいしくできることがわかりました。この辺りは自然が多く農園もあるので、このプログラムを通して、それらを活用したいろいろな遊びを体験したいです。家族で畑も始めたので、栽培方法も知りたいです」

6歳・双子女子のママ
「娘は野菜が苦手ですが、トマトだけは好きなので参加しました。おいしいトマトをたくさん味わえて、舌が肥えそう(笑)。普段購入する際、地元産かどうかは見るのですが、栽培方法それ以外の選び方の指標がわかってよかったです」

 

親子で楽しく体験し、学べる「自然の台所」は、ただいま後期参加者を募集中。

内容と日程は9月、10月、11月、12月(全4回)で調整中です。

「『自然の台所』の裏テーマとして『地元愛を育てる』もあります。手賀沼周辺は、遠くに行かなくてもさまざまな自然が体験できる場所。自然と都市が融合した手賀沼流域をフィールドに地元のことを知る、何度も仲間と協力して活動することで、地元への愛着も持ってもらえるような内容を意識しています。子どもと一緒に遊びたい方、地元を楽しみたい方も、ぜひ親子で参加していただければ!」

自然の台所プロジェクト(手賀沼まんだら)

手賀沼まんだらLINE二次元コード

問い合わせ/「自然の台所」LINE公式アカウントより友だち追加または手賀沼まんだらホームページ内のフォームよりお問い合わせください


おやこ探検「GOKAN」後期(全4回)
日時/2023年9月、10月、11月、12月(詳細はLINE公式アカウントにて)
場所/回により異なる
料金/親1人子1人 14,000円(+親1人4,000円、+子1人2,000円)体験料、会場費、保険料込み


子ども菜園「DAICHI」
日時/不定期(申込者に随時お知らせ)
場所/ごちゃにわ(我孫子市高野山地区)
料金/GOKAN参加者は無料。そのほかはお問い合わせ


こどもキッチン「SORA」。
日時/第2水曜日15時〜
場所/ごちゃにわ(我孫子市高野山地区)
GOKAN参加者は無料。そのほかはお問い合わせ


手賀沼まんだら
ホームページ/https://teganumamandara.mystrikingly.com/
Instagram/@ teganumamandara