「とりで利根川大花火」に地元・茨城から出品する山﨑煙火製造所。
代表取締役の山﨑智弘さんは、昨今のウクライナ情勢を受けて「同じ火薬でも、唯一人々を幸せに導く用途が花火なんだ。『火薬の平和利用』を訴えていきたい」と語ります。

公開 2023/08/06(最終更新 2023/08/03)

創業120年さらなる高みに挑み続ける
山﨑煙火製造所は1903(明治36)年創業。
年間約300日も打ち上げている国内有数の花火業者です。
その活躍の場は国内のみならず、欧米、中東、東南アジアと世界各国に及びます。
打ち上げ花火は芸術性と技術力の両輪が不可欠な世界。
火薬の配合、玉に並べる「星」と呼ばれる火薬の位置が1ミリずれると上空では数メートルのずれになるという、繊細で緻密さを要求される世界です。

全国花火競技大会で最高栄誉賞5回受賞
花火芸術にこだわる山﨑さん。
花火業者は全国で150社ほど、その中でも花火師個人の技術と芸術性を評価され選考される日本煙火芸術協会会員29人の一人です。
その実績は全国花火競技大会で最高栄誉賞の内閣総理大臣賞を5回受賞。
これは花火芸術の追求を理念に結成された煙火技術の最高技能を有する花火師団体へ授与されるもの。
昨年も10号玉(尺玉)部門で「昇曲付五重芯銀点滅」で優勝を飾っています。
五重芯とは、大空で開発(花火が爆発)すると320メートルの外輪の内側に五重の輪を描く芯が5つあるもの。
芯星が同心状に開かないと層間の色が混ざるため、各層の配色もセンスを要する最高難度の花火です。
きっと想像を超える創造が待っている
同社の今年のテーマカラーはパステル。
淡い光の粒がグラデーションで色変化する繊細かつキレのある創造花火、空間を躍動する洗練の光で埋め尽くす圧巻のスターマイン。
「今回は新旧織り交ぜた効果の花火を打ち上げ予定。この数年のコロナ禍の閉塞感を打ち破るような派手な演出でグランドフィナーレを締めくくりたい」と山﨑さん。
観衆を魅了し続ける同社が更にギアを上げた今大会は必見です。

他に高城煙火店(千葉県柏市)、筑北火工堀米煙火店(茨城県桜川市)など、いずれも全国花火競技大会入賞の実力者がそろい、主催者と共につくり込まれる珠玉の大会です。
(取材・執筆/ぶー太郎)
第68回とりで利根川大花火
日時/8月12日(土)午後7時~午後8時15分
※荒天の場合は翌日に順延
場所/取手緑地運動公園
住所/茨城県取手市取手1丁目地先
打ち上げ発数/約7,000発
問い合わせ
電話番号/0297-74-2141(代)
取手市産業振興課