1982年11月1日に開館した市立市川歴史博物館は、開館40年を迎えました。

企画展「みなさまと歩んだ博物館」が9月10日(日)まで開かれています。

市立市川歴史博物館
市立市川歴史博物館

公開 2023/08/30(最終更新 2023/08/25)

ちいき新聞ライター

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市川市の歴史や生活の様子を紹介

市川歴史博物館では、市川の中世以降(鎌倉時代~)の歴史や民俗などに関する資料を収集、収蔵、展示しています。

1階の常設展示室では、市川のあゆみ、地形を生かした生活や生業(塩作り、梨作りなど)、また市川に関わる人物などを紹介しています。

2階では数々の特別展や企画展が開催されてきました。

2016 年に開催された企画展「発見 体験 昔のくらし」では、主に昭和の前半ごろまでに使われていた衣食住に関する道具を紹介。

昭和30年代、三種の神器と呼ばれた白黒テレビ、ローラー付きの洗濯機、冷蔵庫などが展示されました。

市立市川歴史博物館 企画展 展示風景
企画展の展示風景

博物館では市民などから寄贈された古文書、農具、漁具、家具、玩具など約2万点を収蔵庫に保管しています。

これらの資料を調査・研究・保存・活用することで、昔の人々の暮らしを後世に伝えていくという目的があります。

八景園の徳利や空襲日誌などを展示

今回の企画展で展示された資料の一つに「里見八景園」と記された徳利があります。

里見八景園と記された徳利 市立市川歴史博物館
里見八景園と記された徳利

現在の里見公園は1924年~33年のごく短い間、里見八景園という遊園地で、滑り台やプール、ガチョウや猿などの動物小屋、演芸場などがありました。

開館と同時に1000本の桜を植えたといわれており、春は花見客でにぎわったそうです。

企画展では、その時に使われていたと考えられる徳利を展示。

市川市警防団(現、消防団)の空襲日誌の展示もあります。

1945年2月25日の記述からは、空襲の際、消火の頼みとしていた消防車が使えず、消火活動が困難だったことや、20カ所以上から火の手が上がった市川新田の様子がうかがえます。

空襲日誌 市立市川歴史博物館
空襲日誌

実際この日は、市川新田、中山法華経寺門前など全焼家屋73軒、全壊家屋2軒という、地域でも最も物的な被害が出た日でした。

また日誌には、この日の空襲に関する写真が4枚添付されており、その中の1枚、被災後の中山法華経寺門前の写真の展示もあります。

岡田酒造場看板、泥めんこなどの玩具、開館時や企画展のポスターなど、多数の展示を見に足を運んでみては。

(取材・執筆/日々)

泥めんこ
泥めんこ

みなさまと歩んだ博物館 市立市川歴史博物館

市川歴史博物館 開館40周年記念企画展
みなさまと歩んだ博物館
会期/9月10日(日)まで ※9月4日は休館
開館時間/午前9時~午後4時30分
会場/市立市川歴史博物館
住所/千葉県市川市堀之内2-27-1
料金/観覧無料

問い合わせ
電話番号/047-373-6351
市立市川歴史博物館