地域新聞社は、今年もエッセイコンテストを開催しました。
2023年、第15回の募集テーマは「成長を感じた時」。
4月~6月に募集を行い、一般部門と小中学生部門合わせて257作品の応募をいただきました。
その中から、小中学生部門の最優秀賞、優秀賞に選ばれた3作品を紹介します。
たくさんのご応募、誠にありがとうございました!

公開 2023/09/06(最終更新 2023/09/21)

最優秀賞「父の一言~私が成長を感じた時~」
千葉県八千代市 山崎 麻夏さん
四才から続けているスケボーは、毎日四時間、練習している。年齢関係なく誰でもフレンドリーに共感出来るのが一番の魅力。スクールではいつも一番年下だった。年上のお兄さん達と一緒に遊べる位の感覚だった。今ふり返ると、それが長く続いた秘訣。とにかく楽しかった。
小学生になることには仲間も出来、顔見知りの大人も増えた。真夏のスクールは地獄。体調を崩して吐く事も。そんな時、仲間が気づかってくれ、お兄さんたちが凍らしたタオルで頭をふいてくれたり、アイスをくれた。そのお陰で中学二年の今まで続けられた。
三年生の時、初めて大会に誘われた。出場したい気持ちより、上級生に遊んでもらっている感覚の私にとって寝耳に水。それなりに技はできる。出場資格は十分。問題は大会では中学生までが同じクラス。上級生とライバルとして競う。そんな事あり得ない。出場したくなかった。結果は四位。入賞は逃した。
初めて悔しい気持ちとアイツには負けたくないという気持ちが目覚め、翌日から五時間練習に費やした。翌年は三位。翌々年は二位。小学生で優勝したい私にチャンスはあと一度だけ。
六年生になり、優勝を狙った大会で二位。ものすごく悔しかったし、先生達に申し訳なかった。誰よりも努力したのが無駄。誰とも口をきかず帰った。少し落ち着いた頃、仲間も同じ様に死にもの狂いで練習していた事を知った。私は優勝することしか考えていなかった自分が恥ずかしくなった。仲間に支えられながら、仲間の努力を認めていなかったから。
その夜、父に泣きながら話した。翌日、気まずい私に父が笑顔で言った。「ずいぶん成長したね」と。

山崎 麻夏さん
学校の授業で作文とエッセイの違いを習ったタイミングで、ちいき新聞の募集記事を見つけました。テーマを自分なりの解釈で噛み砕いて書いた結果の受賞だったので、「この解釈で良かったんだ!」と、そこが一番うれしかったです。授業で習った事が身についていたんだなあ~と、先生に感謝の気持ちが湧きました。国語は苦手だったけれど文章を書くことに興味が出て、私の学校にも新聞部を作りたくなりました。これからも学校の勉強だけじゃなく、いろいろなものを見て自分の引き出しを増やしていきたいです。
優秀賞「植物のように」
千葉県市川市 永渕 百奈さん
去年の夏、かわいらしい妹が生まれました。名前は、三結奈(みゆな)です。意味は、姉の私、弟の琉(りゅう)、そして妹の三人の兄弟を結ぶ、という意味です。私は4年生の9歳、妹の三結奈は今一歳で、8歳もはなれています。そのことを考えると、妹の成長を思い出します。
最初、生まれて少したったころは、目がとじたままで、それから目がうっすらとひらきました。そのときは、まだねることしかできません。しかししまいに、ぐねぐね動けるようになりました。それからまた少し、よりもう少しすすむと、アザラシのようにひっくりかえることができました。そのあとから、ずりばいになり、そこからはいはいになりました。ここでも、もう十分成長しています。ですが、はいはいがだんだん速くなり、しまいには猛スピードではいはいしてくるようになりました。そしてやっとのことでついにつかまり立ちができるようになりました。そして、ついにがんばれば2、3歩歩けるようにもなれました。そして今では、何歩でも歩けるし、走ることだってできます。
だいぶ成長して、言葉もはなせるようになってきました。「ママ」、「パパ」、「ネエネ」、「ニイニ」というように話せるし、「うん」や「はい」なども言えるように成長しました。今では、「〇〇をして」などと言うと、そのことをすぐにやってのけてしまうようになりました。
最近は、「いや」と思うと、泣いたり、おこると物を投げてきたりします。感情もあらわせるようになりました。また、私のマネをしたりすることもあります。
このように、思い出すとなつかしく思える妹の成長でした。植物は、芽が出て、子葉が出て、どんどん成長しています。一歳のかわいい妹が、この植物のようにすくすく育つことを期待します。

永渕 百奈さん
私は家族が大好きで、妹がかわいいです。お母さんが「書いてみたら」と言ってくれたので、妹の成長日記のように書くことができました。お父さんとお母さんに見せたら、二人とも感動していて、みんなに自慢していました。受賞はとてもうれしいです。「本当に私が受賞したの!?」って、いまだに夢みたいです。来年も応募してみたいです。
優秀賞 「Tコーチ」
千葉県柏市 平野 皇斗さん
「怖い・・・」自然に涙もあふれてきた。明るかった昼間はすっかり忘れていたけれど、夜寝る前になって思い出してしまった。明日はスイミングの日だ。
力強く見つめる目、びしっと伸びた背筋、きびきびとした掛け声。Tコーチの顔が浮かぶと、怖くなって涙が出てくる。そんな僕に気づいてお母さんはびっくりして聞いてきた。「何で泣いているの?具合悪いの?」泣いてうまく話せなかったけど、布団に入ってから、お母さんにやっと話せた。
泳ぐことが嫌いではないこと。女性のTコーチが怖くて、スイミングスクールに行きたくない気持ちになることを。お母さんは、「Tコーチは、皇斗にだけ意地悪をするの?」「何か嫌なことされたことがあるの?」と聞いてきた。
僕は考えた。意地悪はされたことはない。Tコーチの雰囲気が怖いなって思うのだ。それをお母さんに伝えると、「大人も間違えることがあるから、もしも意地悪をしてきたり、何で怒られたんだろうと思うことがあったら、いつでも教えて。でも、今回のTコーチは、皇斗だけじゃなくて、みんなに同じ様に厳しいだけみたいだね。」と言った。
そして、逆に「優しい人ってどういう人だと思う?」と質問してきた。「スイミングスクールで、『みんな泳がないでもいいよ~。』と優しい声でニコニコ言うコーチは本当に優しいかな?」と。
だんだんと、僕はTコーチはたくさんの子供に一度に一生懸命に教えようとしているからなのかなと思ってきた。でも、やっぱり怖い。そこで僕はお母さんのアドバイスどおり、まずはTコーチに大きな声で挨拶をするチャレンジを始めた。帰りに見かけると始めは避けてしまったけど、頑張って少しずつ挨拶が出来てきた。
仲良く話すまでは出来なかったけれど、僕にとってはすごい勇気がだせるようになったなと思う。

平野 皇斗さん
いろいろなコンクールに応募していて、家族に「ちいき新聞でも募集しているよ」と教えてもらって応募しました。内容は、家族と話している時に思いつきました。両親には「皇斗らしさが出ていて、良いね」と言われました。受賞の連絡をもらった時は、応募したことを忘れていたので驚いたけれど、うれしかったです。でも授賞式のために早退する時、友達に理由を聞かれた時は恥ずかしくて「秘密」と答えました。授賞式が本格的でちょっと緊張しました。レッドカーペットの人になった気分でした。