船橋市全域で運営され、普及と周知が進む認知症カフェ(通称オレンジカフェ)。

認知症当事者や介護者の居場所づくりとして地域社会に根差す活動を取材しました。

公開 2023/09/04(最終更新 2024/02/29)

雪道

雪道

高知県出身、船橋市在住。元英語講師。ロック好き。読書好き。月村了衛、笹沢左保、有栖川有栖が好きです。残りの人生の目標は、ピアノとドイツ語をならうこと。好きな言葉は「ご縁」。

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花と木陰に風が光り笑顔が生まれる庭

船橋市認知症カフェ事業 四丁目ガーデンカフェ三咲

船橋市北部の住宅地で開催される「四丁目ガーデンカフェ三咲」。

主宰者・柳澤けい子さん宅の庭には季節の花が咲きそろい、心地よい風が通る木陰やタープの下では参加者のおしゃべりが弾みます。

認知症カフェは、認知症当事者とその家族、介護者や地域住民が気軽に集い、情報交換や相談ができる場所。

船橋市は認知症カフェ開設を推進しており、2018年には県内初の「認知症カフェ立ち上げ支援セミナー」を実施。

2019年に受講した柳澤さんは「自宅の庭を活用し、季節の果物や自家栽培の野菜を振る舞えたら」との思いでガーデンカフェ開設に着手。

食品衛生責任者の資格も取得し、セミナーで同じテーブルを囲んだ仲間と運営を続けています。

世代を超えて 緩くつながりたい

立ち上げ当初から携わる横山礼子さんは「介護は心がくじけることもあります。けれど、ここへ来て誰かと話すと心が軽くなり、優しくなれます」と話し、「気乗りしない様子の方も、帰る時は笑顔。それがうれしい」と、庭を見渡してにっこり。

ピアノ伴奏で歌う懐かしのメロディー、フラダンス、採れたて旬野菜の詰め放題など人気のプログラムが盛りだくさん。

船橋市認知症カフェ事業 四丁目ガーデンカフェ三咲 ダンスの様子
心が晴れやかになるフラダンス。ゆったり穏やかに体を揺らして、実に楽しそうでした

椅子に座って行う体操は、普段あまり体を動かさない年配者も無理なく参加できる内容で、聞きなじみのある軽快な音楽を流すなど、随所に「心が躍る」工夫がされています。

船橋市認知症カフェ事業 四丁目ガーデンカフェ三咲 新体操の様子

船橋市認知症カフェ事業 四丁目ガーデンカフェ三咲 新体操の様子
座ってできる軽体操。開放感のあるガーデンカフェは、通りすがりに立ち寄る地域住民も多いそう

行政サービスの案内や自治体が発行する冊子の配布など、情報提供にも精力的に取り組みます。

学生ボランティア体験や夏休みラジオ体操会など、若者や子育て世代との交流にも注力していくとのこと。

「多世代で触れ合い、認知症への理解を深めるきっかけになれば」と柳澤さん。

通りすがりにこんにちはと言える、地域ぐるみの緩くつながる関係を目指すガーデンカフェ。

今後の展開に期待が寄せられています。

船橋市認知症カフェ事業 四丁目ガーデンカフェ三咲 運営スタッフ
運営スタッフの皆さん。おそろいのオレンジエプロンで笑顔!

開催日/第3土曜日 次回は9月16日(土)午後1時~午後3時30分
場所/千葉県船橋市三咲4-10-12
参加費/300円
店員/20人(事前予約不要)
駐車場/あり(6台)
※小雨決行、台風・大雨時は中止

問い合わせ
電話番号/090-2903-4433 柳澤(午前9時~午後5時)