笠森観音に初詣に行った帰り、新風堂に寄ってコーヒーとチーズケーキを食べる…。
わが家の新年初のちょっとした遠出に、ちょっとしたお祝い気分を盛り上げてくれる新風堂。
土産物屋のようでありながら、専門店並みにおいしく、「個性的で、おしゃれで、おいしいけど不思議なお店」として長年気になっていました。
まさかその新風堂への取材が決まるなんて…。不思議なお店の秘密を探るべく意気揚々と取材してきました。
公開 2023/09/05(最終更新 2024/03/21)

編集部 ゆりか
編集部所属の取材記者。白井市出身、船橋市在住。コンテンポラリーダンス、ヨガ、ズンバ、バレエなどとにかく踊るのが好き。取材執筆も好きだが、地図が読めないため取材前はいつも軽く迷う。食べ盛りの夫と3人の子育てに奮闘中。
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よりすぐりの酒やコーヒー、スイーツを

今は「新風堂」として知られているこのお店、実は昭和7年に創業した当時は「地引商店」という屋号でした。
幅広く食料品や雑貨を取り扱うコンビニエンスストアのような業態でしたが、3代目にあたる地引克夫さんからは酒を中心に専門性の高いこだわりの品を扱うようになりました。
「地域に新しい風を送り込む」という思いを込めて、17年前に屋号も「新風堂」に変えました。
コーヒー豆は毎朝自家焙煎(ばいせん)、スイーツやパンは店の工房で手作りしています。
レシピを聞いて自分たちで作るしかない!

そんな新風堂の人気商品といえばKINUNOWAチーズケーキ。
累計販売数7万個以上、しっとり濃厚なのに甘過ぎず、病みつきになる味わいで、リピーターも多いとのこと。
もともとは老舗チーズ専門店から仕入れて販売していましたが、「チーズケーキがおいしい」といううわさが地元で広まり、ついには電話予約で販売するほどの人気商品に。
当時その専門店のご主人は一人で作っていたため、予約に追いつくにはほぼ休み無しの状態だったそうです。
そんな日々が数年続いたある日、ご主人は高齢のために商売をやめる決断をしました。
これから先どうするか…。
あれこれ思いを巡らせた結果、「レシピを聞いて自分たちで作るしかない!」と思い立ったというから驚きです。
でもそこからは試行錯誤の繰り返し。
「昔の方がおいしかったね」と言われないように、どうしたらもっとおいしくなるか試作を重ねました。

地域と共に生き、潤いのある生活を応援

そしてたどり着いたのが手間暇惜しまずに「手ごしを2回行う」という作り方。
この製法のおかげで滑らかでしっとりとした味わいが実現しました。
また、もう一つのおいしさの秘密はメレンゲに砂糖を加えないこと。
通常メレンゲは砂糖を入れて作るのですが、砂糖を使わないメレンゲの方がチーズや卵の自然な味わいが前面に出てきます。
ところが砂糖なしでメレンゲを作るのは難しく、卵白自体が強くないと理想的なメレンゲはできないのです。
それが農林水産大臣賞を受賞した、北川鶏園のぷりんセス・エッグを使用することで可能になりました。
そして牛乳は地元の酪農家が丹精込めて育てた乳牛から絞ったものを使うなど、材料は地元産にこだわっています。

ほろっと口の中でとろけ、思わず笑みがこぼれるチーズケーキ。「おかわり!」と言いたくなるおいしさ、ぜひご賞味あれ。
小瓶に入ったかわいいやつ「プレミアムチーズケーキCYOBi」

最近は小瓶に入った上品でかわいい見た目のプレミアムチーズケーキCYOBiも販売しています。
小瓶の中は3層仕立て。一番下はしっとり濃厚なニューヨークチーズケーキ、真ん中は食感がたまらないクッキークラム、その上は高秀牧場(いすみ市)のフロマージュ・ブランを使用したさっぱりチーズクリーム。
上のクリームをそっとすくって食べてみると、フワフワ幸せなやわらかさで思わずにんまり。クッキークラムのアクセントや芳醇(ほうじゅん)なチーズケーキも口の中で合わさり、ぜいたくな気分を味わえます。
切り分ける必要がないため、自分へのご褒美として、お世話になった方へのお礼として、わいわい集まるときの手土産として、重宝する一品です。

「潤いのある楽しい生活を応援する」という経営理念

「ここで長年商売させていただいているので、なるべく地元の素材を使って、地元に貢献していきたい。自分たちの売り上げが上がったら素材を提供してくれる農家や酪農家の方に貢献できるのでうれしいです」と話す克夫さん。
経営理念は「潤いのある楽しい生活を応援する」こと。
心に栄養をもたらしてくれるふんわり優しいスイーツたち。
おいしさに包まれて、ホッと一息つきませんか。

★この記事で紹介した商品は地域新聞社が運営する通販サイト「ちいきの逸品」で購入できます
