毎年激闘を繰り広げる千葉県の高校野球。3年ぶりに声出し応援も解禁し、今まで通りの高校野球が楽しめた人も多いのではないでしょうか。中でも、夏の風物詩といわれる「美爆音」で有名な市立習志野高校は、千葉県内だけでなく県外からも根強い人気を誇ります。
今回は、そんな中で野球を続け、今夏千葉県大会準優勝を遂げた市立習志野高校のキャプテン日下遙琉(くさか はる)選手と、副キャプテンの藤崎凌太郎(ふじさき りょうたろう)選手に改めてこの3年間を振り返っていただきました。
公開 2023/09/07(最終更新 2024/03/16)

習志野高校野球部での3年間を振り返る

まずはお二人が習志野高校へ進学した理由を聞いてもいいでしょうか?
日下選手:自分は甲子園に出た代の竹縄さん(竹縄俊希選手 2019年時キャプテン 現東北福祉大学軟式野球部)に少し縁があり、竹縄さんに憧れもあって習志野高校を選びました。あと、やはりあの応援の中でプレーしたいという思いがありました。
藤崎選手:自分もやはりあの応援です。応援がすごくて、あの中でプレーがしたいというのと、習志野高校の野球に対する取り組みがものすごくよかったので習志野へ進学を決めました。
野球に対する取り組みというのは具体的にはどのようなものですか?
高校野球という高校野球…ものすごく詰めた感じの野球をするのでそこがとてもいいなと思いました。
では、3年間で印象に残っている試合について教えてください
日下選手:春の大会の市立船橋戦です。秋大会では8-9で負けてしまい、再戦という流れになったのですが、秋は小城(3年 小城 知選手)が先発でした。春も小城が先発で、負けた投手で勝ったということに意味があったと思っています。
秋の敗戦から市立船橋を意識されていたのですか?
日下選手:近い学校でもあるのでライバル心もあったし、学校のみんなからも「市船には負けないでね」と応援されていました。
藤崎選手:自分は夏の決勝の専大松戸戦です。あれほど盛り上がった試合は経験したことがなかったので今でもかなり強く印象に残っています。
習志野高校は本当に応援がすごいですよね。習志野高校は選手一人一人に応援曲がありますが、選曲理由を教えていただいても良いですか?
日下選手:「パイレーツ・オブ・カリビアン」はキャプテンの角田さん(角田勇斗選手 2020年時キャプテン 現日本大学野球部)が使っていたからというのが大きいです。練習にも(角田さんが)来てくださっていて、憧れもあります。もう一曲の「Beautiful Smile」は、吹奏楽部の子から「男女の声掛けのところがあってそれをやりたいから選んでくれない?」と言われ、選びました。
逆にお願いされたパターンなんですね!
そうです
藤崎選手:自分の「星空のディスタンス」はみんなが憧れていて、後輩たちもみんなが使いたいという人気の曲だったので選びました。あとかっこよかったからです。
今年は習志野高校の選手の皆さんもベンチで一緒に応援している印象でした
日下選手:声出しとかの制限のない応援が初だったのでテンションが上がってたんだと思います
お互いの印象や負けたくない人・尊敬している人について
お二人はキャプテン・副キャプテン、そして二遊間と近くにいることが多かったかなと思いますが、お互いの最初の印象は?
日下選手:藤崎は素直にイケメンだなと思いました。最初はあまり関わったことがなかったので、イケメンでショートか……と思いました。
藤崎選手:日下は守備がとてもうまくて、(自分が守備で日下に)勝てるのかな…という印象がありました。あとものすごく真面目です。
藤崎くんは日下くんに「イケメン」と思われていますがそのことについては?
藤崎選手:とてもうれしいです
日下くんは藤崎くんに「真面目」と思われていたそうですがいかがですか?
日下選手:最初だったので少し猫をかぶっていたと思います
ではお互いの今の印象は?
日下選手:真面目で頼りがいがある。自分一人ではなく藤崎と一緒にやってきたからここまでこれたかなと思っています。
藤崎選手:日下はすごくよく笑っていて、とてもかわいいなと思っています。
お互いの尊敬しているところを教えてください
日下選手:いつでもしっかりしている。隙がないところがすごいなと思っています。高校生なのに大人びている。いい意味で高校生らしさがないなと思っています。
藤崎選手:日下はしゃべっていて分かるように頭がものすごく良くて会話力があるのでそこがすばらしいなと思っています。
では、この人には負けたくないと思う人はいますか?
日下選手:うーん……。栗山(3年 栗山護一選手)ですかね。1年の頃から3年間ずっと栗山と同じクラスでライバル心は持っていると言えば持ってる…?という感じです。ずっと同じ生活をしているので、そこまで一緒だとちょっとは(ライバル心が)ありますかね。
藤崎選手:自分はサードを守っていた成田(3年 成田悠真)ですね。2年生の時に成田がショートを守っていて、自分がショート二番手で負けてしまっていましたので。今年は自分がショートで成田がサードだったんですけど、一回負けているのでもう負けたくないと思っています。
習志野高校問わず、憧れの人はいますか?
習志野高校の試合を観に行った時(2017年夏準決勝・vs検見川高校)に、池田来翔さん(現千葉ロッテマリーンズ)が先頭打者でホームランを打ってその時にものすごくかっこいいなと思いました。そこから憧れがあります。
日下選手:プロ野球選手の方がいいですか…?あ、じゃあ竹縄さんでいいですか…?
やっぱり竹縄くんなんですね!
日下選手:選抜準優勝しているキャプテンでもありますし、何度かご飯にも連れて行っていただいて、その時に会話していてすごくしっかりしているというか、こういう人だから成功するんだろうなと思うところがあり、憧れています。普段は宮城にいるけど夏休みとかこっちに来てくれて話したりしています。
小林監督の最初の印象と今の印象を教えてください
日下選手:最初は怖そう。あの身長と体の大きさで…怖い印象が入学前はありました。入学してからはとにかく身近な存在で、よく話しかけてくれますし、多分皆さんが思っている以上に近い距離での関係にあると思います。高校野球を知り尽くしている人でもあり、とても尊敬している人です。
藤崎選手:本当にその通りです。一緒です。最初は怖い印象はありました。
これからについて
最後に、お二人の現時点で考えている進路を教えていただいてもいいでしょうか
日下選手:なんらかの形で野球に関わっていこうかな…?とは思っています。ただ、野球を続けるわけではなく教員になりたいと思っているので、勉強に専念して大学に進学を考えています。
藤崎選手:大学でも野球を続けるつもりです。やっぱり続けるからには上を目指していきたいので、強いところに行って野球を続けていく予定です。
編集後記
緊張したと話す日下選手・藤崎選手の二人でしたが、すべての質問に曇りのない眼差しでお話ししていただきました。親しみやすさとかわいらしさのある日下選手、そして寡黙でクールな藤崎選手。正反対のようなタイプの二人だったからこそ、お互いをリスペクトし合い、時には足りない部分を補い合い切磋琢磨しながらチームを引っ張り、準優勝に導けたのだと感じました。
夏の選手権大会も終わり、余韻に浸る間もなく新チームは始動しています。同時に、引退した3年生たちもすでに新しいスタートを踏み出しています。道は違えど、習志野高校で培ったであろう貴重な経験を糧に、更なる成長と活躍をされていくことでしょう。