「嫌な事があると物を投げたりたたいたり…。それを叱ると泣いて、さらに物を投げてきます。どう注意すればばいいのでしょうか?」という2歳男児のママからの子育てのお悩みに専門家がお答えします

聖徳大学 教育学部 児童学科 専任講師 深津さよこ

深津さよこさん
聖徳大学 教育学部 児童学科 専任講師。
保育学・幼児教育学を担当。公立保育園で保育士の経験を持ち、千葉県松戸市の子育て支援事業にも広く携わっています。

 

公開 2023/09/08(最終更新 2024/02/29)

雪道

雪道

高知県出身、船橋市在住。元英語講師。ロック好き。読書好き。月村了衛、笹沢左保、有栖川有栖が好きです。残りの人生の目標は、ピアノとドイツ語をならうこと。好きな言葉は「ご縁」。

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なぜ投げる?なぜ叩く?まずは子どもの癇癪の原因を考えましょう

子どもの癇癪の原因と対応法【専門家監修】子育ての悩み

自分の感情をうまくコントロールできない状態は、この時期にはよくあることなので、「どの子も一度は通る道」くらいに考えて大丈夫ですよ。ただ、「物を投げる」「たたく」という行動には原因があるので、その原因から考えていきましょう。

まずは、保護者や保育士などの姿をまねているケース。身近な大人がイライラしたときに無意識に物に当たるなど、攻撃的な行動を子どもが見て、それを自分の行動に取り入れている。これはさまざまな研究結果が示しているので、自身の姿を時々振り返ってみるといいですね。

もう一つは、もともと攻撃的になりやすい要素がお子さんにあるケース。この場合は、お子さんが嫌だと感じた気持ちを受け入れていくという対応になりますが、保護者だけではあまりにも対応が難しい場合は、専門家に相談してみるのがいいかもしれません。

子どもの癇癪の対応法!問題行動の直後に毅然と「ダメ」を伝えましょう

子どもの癇癪の原因と対応法【専門家監修】子育ての悩み

自分の怒りを表に出すという行動は子どもにとってとても重要であり必要なことです。ただ、攻撃的な行動は相手にけがを負わせてしまう可能性があるため、きちんと伝えて止めさせましょう。

注意の仕方や声掛けは年齢によって異なりますが、子どもにとって一番分かりやすいのは、行動の直後に「たたいたら痛いからダメよ」と伝えること。逆にたたかなかったときは、「えらかったね」とプラスの評価をするのも効果的です。3歳ごろまでは大人が善悪の判断を教える時期ですが、4〜6歳には「今あなたがしたことをどう思う?」など、自分で考えられるように働き掛けましょう。また、自宅と外出先で異なる対応をしがちですが「ダメなことはダメ」と一貫して伝えることも大切です。

この時期は言葉やおむつのことなど悩みは多いと思いますが、基本的には子育てにおける通過点なので、気持ちを楽にして向き合っていってください。