「YouTubeに依存していて見せないと泣きます。そのせいで生活リズムが乱れ、保育園も遅刻しがちに。どうすればいいですか?」という2歳女児のママからのお悩みです。
保育学・幼児教育学を担当。公立保育園で保育士の経験を持ち、千葉県松戸市の子育て支援事業にも広く携わっています。
公開 2023/09/19(最終更新 2024/02/29)

2歳児のYoutube依存の解決には「興味の対象を他に移す、スマホなどを使えない状態にする」
自分の欲求をコントロールできるようになるのが4歳くらいなので、2歳の子どもが「もっと見たい」とぐずるのは当たり前の姿です。さらに、イヤイヤ期も重なるので制止するのは難しいところではありますが、逆にこの時期は気をそらしやすい特徴もあるので、公園に行く、粘土やスライムで感覚遊びをするなど、興味の対象を他に移して、気分を変えてあげるといいでしょう。
あとは、スマホやタブレットを「使えない状態にする」のも有効です。例えば、電池残量を5%程度にしておいて自然に電源が切れる状態にしたり、ネット接続を切ってつながらない状態にしたり。そうすることで、子どもは諦めて他の遊びを探します。こういった方法を試してもまったく改善しない場合は、小児科医や保育士に相談してみるのもいいでしょう。
Youtubeなどの動画コンテンツは育児支援ツールでもあるため、ルールを決めて上手な付き合いを
デジタル化による子どもへの身体の影響は歴史がまだ浅いため未知数ですが、分かっているのは、視力が落ちるということ。集中するとまばたきの回数が減り眼球が乾燥し、強い光の刺激によって視力低下を招きます。
その一方で、モバイル端末は育児支援ツールの面もあるので、むやみに排除しようとせず家事をする間や病院の待ち時間などにうまく活用し、保護者のストレス軽減につなげられるといいと思います。そのためには上手に付き合うためのルールは不可欠です。保護者がいない所では見ない、視聴時間を決めるなど、ルールを決めましょう。
また、子どもにとって親は憧れであり、まねしたい存在なので、子どもの前でスマホに触れる時間が長すぎていないか、自身の姿を振り返ってみることも大切です。乳幼児期は、他者との直接的なやり取りが重要な時期でもあるので、受動的な動画視聴はほどほどに、一緒に何かを経験する楽しさを伝えてあげましょう。