「子どもの偏食が激しく、さらにはごはんをあまり食べません。保育園では多少食べているようなのですが…どうしたらいいでしょうか?」という4歳男児のママからのお悩みです。
管理栄養士。子どもの食育・食生活を専門に研究。また「松戸市食育かるた」の作成・普及活動にも従事。
公開 2023/09/22(最終更新 2024/02/29)

幼児期に多く見られる偏食は食材などで工夫をしながら温かく見守っていきましょう
自我が芽生える1歳半ごろから、食べムラや偏食が見られるようになります。個人差はありますが、成長とともに多くの物は食べられるようになるので、工夫しながら温かく見守ることが大切です。ただ、身長や体重が増えない、ほとんど食べない、体調・発達などで気になることがあれば、病院や保健センターなどに相談しましょう。
苦手な食材がある場合は、その原因を考え、取り除くような調理法、例えば、薄く切る、軟らかくゆでる、揚げるなどの他、彩りよく盛り付けてみましょう。子どもは、酸味や苦味、見慣れない食べ物を本能的に嫌がります。ですが、大人がおいしそうに食べている姿や、一口でも味に慣れることで徐々に受け入れられるようになっていきます。
無理強いや食事時間が長いと、食事がつらい時間になり、余計に食べなくなってしまうことも。ご飯を食べない場合は、パンや麺類など、他の主食が食べられれば栄養的に問題はありませんが、おかずと混ぜる、米粉のパンや麺などの活用も良いと思います。また、少なめに盛り付けて完食できたという達成感を味わわせることも大切です。
保育園で食べているようであれば、「食べる力」があるということなので、集団生活の中で頑張っているお子さんを認めて、褒めてあげましょう。また、苦手な食べ物を一口でも食べ、大人から褒められた経験は、将来さまざまなことに挑戦する力にもつながります。
子どもの偏食・小食には生活リズムを整えて楽しくおいしく食事する経験も重要
幼児期は家族と楽しく食べることが重要です。まずは、早寝早起きをし、日中はたくさん体を動かし、食事の時間におなかがすくように、生活リズムを整えましょう。
また、食べ物の絵本を読んだり、料理や栽培など、食に関わる体験を増やし、食べ物に興味を持たせることも大切です。そして、パパママが楽しくおいしく食べていたり、楽しい会話があると、子どもも自然と食を楽しむようになっていきます。