野田市の市境、利根運河沿いの道端にカエルの石像があります。
元は捨て置かれていたものですが、今では地元の人をはじめ皆から愛着を持って大事にされ、「運河カエル」と呼ばれています。
公開 2023/10/09(最終更新 2023/10/05)

水の恩恵で自然豊かな「運河」地域

利根運河は明治時代に利根川と江戸川をつなぐために作られた人工河川で、かつては水運や商業が栄えていました。
オランダ人技師が計画し、民間会社が建設した日本初の西洋式運河でもあります。
地形に沿った設計による恩恵で、利根運河周辺の自然豊かな景観は今でも美しく保たれています。
そんな「運河」と呼ばれる利根運河沿いの地域は水も生き物も豊富で、特に昔はカエルの大合唱が毎日響き渡っていたそうです。
それだけ地元の人にとってカエルはなじみある生き物であることが「運河カエル」誕生のきっかけにもなったようです。

カエルの石像、住民の手で運河にカエル
「運河カエル」は元々、地元の植木屋さんが作ったものですが、植木屋の転居後、敷地内に放置されていました。
それをふびんに思った近所の人たちが声を掛け合って協力し、現在の利根運河が見える場所まで運び、きれいに掃除してあげました。
精巧な作りと愛嬌(あいきょう)のある表情をたたえるカエルの石像は、地名の「運河」にちなんで「運河カエル」と呼ばれるようになりました。
人と人とをつなぐ架け橋になることを

カエルには子孫繁栄や「幸運がかえる」「人がかえる」などという意味があり、縁起の良い生き物であると昔からいわれていますが、「運河カエル」=「運がかえる」という地名との語呂で一層縁起の良い「運河カエル」は評判になり、その噂を聞いてわざわざ足を運ぶ人もいるのだとか。
地元の人にもかわいがられている「運河カエル」の元には人が集まります。
カエルのお参りで近所の人が顔を合わせて立ち話をしたり、互いの家を行き来するきっかけにもなっているそうです。
「訪れた人に御利益があるといいですね」と地元の人も温かく見守っています。
「運がかえる」場所として、長く愛される名物になりますように。
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