9月第1日曜日に勝田地区の円福寺と駒形神社を行き来して行われる勝田の獅子舞。
絶えず腰の鞨鼓(かっこ)(小型の太鼓)を打ち鳴らし、足拍子を踏みながら勇壮に舞う獅子舞は見る者の心を躍らせます。

公開 2023/10/08(最終更新 2023/10/05)

激しい動きの勝田の獅子舞
今年は4年振りに9月3日に勝田地区の円福寺と駒形神社で行われた勝田の獅子舞。
獅子舞の舞い手は3人で、手のひらに収まるサイズのバチで両手で殴りつけるように腰の鞨鼓を打ち鳴らし、足拍子を踏みながら速度のあるスピンと首振りを繰り返します。
3つの鞨鼓は躍動し、それに合わせてリズムを奏でる笛の吹き手。
ところどころ人ののどかな念仏も入りますが、全体としてはリズミカルな調べです。

「獅子の面は縄であごに縛り付けるのですが、重いからグッと縛る。顔を隠すための布が前にあって息もできない。視界も狭い。大変だけど伝統を守っていってほしい」と長老の松戸徳衛(のりえ)さん(84才)は言います。
勝田大同団がつなぐ地域の絆
笛は誰でも音が出せる楽器ではないため吹き手は専門で続けていきますが、それ以外は皆舞手(まいて)を経て、獅子舞保存会「勝田大同団(かつただいどうだん)」の中で役員など上の役に繰り上がっていきます。

勝田大同団に入団するのは、家を継ぐ長男や婿。
入団すると最初は舞手から始め、次の人が入ってくるまで毎年舞い続けます。
勝田大同団で獅子舞を舞ったという共通の体験があるからこそ、同年代だけでなく世代を超えた地域のつながりもできるそう。

「腰が高いぞ〜」「ほら、がんばれ!」などとOBたちからヤジが飛んだり、舞いの最中に先輩が指導を始めるのも村祭りならでは。
「父親が舞うのを子どもの時に見て、いずれ自分も舞いたい、格好いい!と思っていた」と今年の舞手の宮崎長紀(ながのり)さんは教えてくれました。
勝田の獅子舞は毎年9月第1日曜日に開催。
八千代市の無形民俗文化財にも指定されています。
(取材・執筆/福)