凶弾に倒れるまでの35年をアフガニスタンでの医療や用水路建設に捧げた中村哲さん。

その偉業を写真や動画で伝えるパネル展が、船橋市で開催されます。

写真提供:ペシャワール会

仲村哲さん
故・中村哲医師

公開 2023/11/23(最終更新 2023/11/23)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。

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砂漠化した農地をよみがえらせた中村さん

中学時代に感銘を受けた内村鑑三の「他の人の行くことを嫌う所へ行け、他の人の嫌がることをなせ」の言葉のままに、パキスタンのペシャワール市の病院でハンセン病治療に活躍した中村さん。

隣国アフガニスタンの無医村地区の窮状を知るや、山を越え同国に診療所を開きました。

2000年の年の大干ばつで農地が砂漠化し、100万人に餓死の危機が迫ると、「治療より命の確保が先」と井戸を次々に掘削。

干ばつの悪化で井戸の水位も低下すると、無謀と言われながら用水路建設に着手しました。

ペシャワール会(※)の寄付金で日当を払い工事が始まると、数百人が集まります。

生活のために元タリバン、北部同盟と敵の傭兵だった人たちも加わり働きました。

望みは同じ「家族と3度のご飯が食べられる生活」。

中村さんを先頭に皆で力を合わせ、65万人の命を支える農地を用水路の水でよみがえらせました。

用水路は今ではガンベリ砂漠まで延び、緑化中です。

※ペシャワール会…※中村さんのパキスタンでの医療活動支援のために結成された国際NGO団体

ガンベリ沙漠
ガンベリ沙漠横断水路掘削前(2008年)
ガンベリ砂漠
通水から3年後の様子(2012年)
ガンベリ砂漠
砂漠が用水路で緑の大地に(2015年)

地元民に引き継がれた医療、用水路建設

医療の現場で現地の人材育成に心を砕いた中村さん。

用水路建設でも、日本の優れた治水技術を取り入れながらも、地元民だけで修復できる工法や資材を選んでいました。

パネル展では、現地の人たちがペシャワール会の支援で今も変わらず、医療活動や用水路の仕事を続けている様子も見られます。

ガンベリ砂漠開拓地
ガンベリ砂漠の試験農場での田植え風景

仲村哲医師

日時/11月27日(月)~12月3日
午前9時半~午後7時
※11月27日は午後1時開始、12月3日は午後3時終了
場所/船橋市民ギャラリー第2ホール
住所/千葉県船橋市本町2‐1‐1船橋スクエア21ビル3階
参加費無料

問い合わせ/haru-aikawa@circus.ocn.ne.jp(相川)