本屋さんの閉店が止まらない今日この頃、松戸市のさくら通り沿いに1軒の本屋がオープンしました。場所は常盤平駅と五香駅の真ん中あたり。買った本を読むことができるカウンターテーブルもあって、落ち着ける雰囲気が素敵です。
「町には本屋が必要」というオーナーの鈴木さんに、開店までのストーリーや想いをお聞きしつつ、オープン日にお邪魔してきました!
公開 2023/10/26(最終更新 2023/11/29)

目次
定年後にやってみたいことを考えたら、町の本屋さんに行きついた
オーナーの鈴木さんは社会人としてのスタートは書店でしたが 、その後労働組合の専従として約30年働いた経歴を持っています。 学生時代から社会問題に関心が高かったともいいます。
社会のいろいろな課題に取り組んできた労働組合時代に続き、定年後もそういった課題を考えられる仕事をしたいと、自分で本屋を開店することを決意しました。
「労働組合時代は地域のことをあまり顧みることができなかったので、今後は地域に貢献できるような仕事ができればという気持ちもありました」
いろいろな物件を見て検討したという鈴木さんが最終的に選んだのは、さくら通り沿いの1階のスペース。
明るい光が差し込む中、約3000冊の本が出迎えてくれます。

取り扱う本の主なカテゴリーはこちら。
くらし・貧困/教育・子育て/労働/人権・ジェンダー/歴史・思想・哲学/政治・経済/戦争・国家/環境/小説/詩・エッセイ/絵本/漫画
新刊が中心ですが中古の本も並んでいます。背表紙の黄色のシールが中古の本の目印です。

内装はほぼDIYで。地域密着型の本棚作りワークショップも実施

約3000冊の本を収める本棚の制作から天井の塗装に至るまで、ほとんどすべての内装をDIYで作り上げたというのも鈴木さんのすごいところです。
全部で28本の本棚の制作の一部と色塗りは、ワークショップという形で地域の皆さんに公開して作業を進めました。

さまざまな工程があって大変だった分、全ての本棚が完成したときは達成感でいっぱいだったそうです。
平積み用の台やカフェ用のテーブルの組み立てや、天井のペンキ塗りなど、他にもさまざまなDIYをこなした鈴木さん。ドアを開けて作業をしていると、通りがかりの地元の方に「どんなお店ができるの?」と声をかけられることも多かったとか。
モスグリーンで塗装された玄関の扉もとっても素敵です。

Bread(パン)は最低限の生活、Roses(バラ)は豊かに生きるための誇りや尊厳
店名の「BREAD&ROSES」には、「人が生きていくうえで必要な本を扱う」という意味がこめられているそうです。
古今東西の知恵やヒントが詰まっている本を、人生に行き詰まったときの支えにしてほしいと鈴木さんはいいます。

2023年10月14日。待ちに待ったオープンの日に、さっそくお邪魔してきました。
たっぷり光が差し込む大きな窓のそばにはテーブルがあり、セルフサービスでコーヒーが飲めるスペースが設けられているのも大きな魅力。

また、同じ建物内に工房を構える「やつやつ」のお菓子も置いてあり、飲み物と一緒に楽しむことができますよ。
この日はピーナッツクッキーやチョコレートクッキーなど、気軽につまめるお菓子が並んでいました。

次女が「これが欲しい!」と選んだ本には、まさに鈴木さんがおっしゃるような人生の支えになるような言葉が並んでいて、子どもに読んであげるとともに自分でも折に触れて読み返したくなりました。

そのあとカフェスペースで飲み物を購入し、買ったばかりの本を読ませていただきました。窓の外の緑に癒されながら読む本は、また格別ですね。

混んでいる店内を見ながら、「町には本屋が必要」という鈴木さんの言葉を改めて思い出し、とてもうれしく感じました。
あなたの人生をそっと照らしてくれるような本との出合いを探しに、ぜひ訪れてみてください。
本屋BREAD&ROSES
住所/千葉県松戸市常盤平4-8-15 ウエキビル1F
アクセス/新京成線「常盤平駅」「五香駅」より徒歩約10分
営業時間/12:00~20:00
定休日/月曜
駐車場/なし
ホームページ/https://breadandroses-books-matsudo.jimdofree.com/
X(旧Twitter)/@breadrosesbooks