中学生の時期は、進路や将来のやりたいことなどが固まりつつある時期です。小学校で塾や習い事に通っていた児童にとっては、進学を機に習い事の見直しや新しい分野を考える機会となるでしょう。今回は、中学生から習い事を始めるメリットや選び方について解説します。
公開 2023/11/09(最終更新 2024/06/17)

中学生で習い事を始めるメリット
中学校に進学すると習い事を始める子供は多く、部活以外にも学習塾やスポーツクラブに通う割合が増えています。中学生で習い事を始めるメリットを具体的に見ていきましょう。
1.学校や家庭以外で人間関係の輪が広がる
習い事は授業や部活とは異なり、学校外のコミュニティに加わることを意味します。普段の日常生活とは異なる集団の輪に参加することで、学校や家庭とは違う人間関係を構築することが可能です。中学生の多感な時期にさまざまな人と触れ合うことで、ものの考え方や見方など新たな発見や人格形成にもつながります。
また、週に数回程度に顔を合わせる相手とは、適度な距離感での付き合いが保てる場ともなるでしょう。
2.ストレス発散できる
習い事は、自分がやりたいことを学び身に着けることができるのでストレス発散にもなります。自分が未経験な分野や目的のために新しいことへの挑戦は、子供の情操教育や精神的成長に大きく働く要素です。
中学生は他人を強く意識する年頃でもあり、習い事での目標を達成した際の充実感や満足感はストレス発散とともに大きな経験となるでしょう。
3.目標達成による自己肯定感アップ
学力アップや技術の向上など、習い事を始めるきっかけや目的はさまざまです。物事に取り組んで目標を達成した際、自分自身への自信や期待感を持てるようになります。自信が身に付くことで自己肯定感が生まれ、新しい取り組みへの積極的な行動につながるでしょう。
成長が早い中学生の時期に自己肯定感をアップすることで、勉強や運動、人間関係の形成にも役立ちます。
4.受験の役に立つ
学習塾など学校の勉強を習う場所は、学力向上やテスト勉強の対策のために通うケースがほとんどです。塾以外の習い事にも、高校受験に役立てることができます。習い事は受験の際の面接時に、自分の特技や技能として面接官へのアピールが可能です。自信を持っている人は表情も明るく堂々としているので、他人に好印象を与える要素にもなるでしょう。
また、習い事によって身に着いた自信や自己肯定感は、受験合格へのモチベーション維持にもつながります。
中学生の習い事の選び方
子供が中学生から習い事をする場合、しっかりと学べる環境があること、そして持続できることが重要です。中学生の習い事の選び方について解説します。
1.費用で選ぶ
習い事を始めて続けるには、毎月の月謝を支払う必要があります。特に小学生から習い事に通っている場合、中学生になってから月謝が値上がりするケースが少なくありません。習い事に支払う費用が負担になれば、子供が通いたくても続けさせることが困難になってしまいます。
費用は習い事のジャンルや指導方法によって異なるので、家庭の経済状況に見合った範囲で選びましょう。
2.通いやすい場所・送迎しやすい場所にあるかどうかで選ぶ
習い事に通う場合、子供が通いやすく保護者の方が送り迎えできる場所であることも重要な要素です。
子供の通いやすさは、習い事を継続するモチベーションにもつながります。自宅から遠く離れていたり通うのが困難な場所だったりすると、子供が習い事に通うのを嫌がってしまうかもしれません。子供の学びやすさを考慮して、通いやすい範囲内で選ぶのがおすすめです。
3.本人のやる気があるかどうかで選ぶ
習い事では、子供のやる気と学ぼうとする気持ちが大切です。
親のすすめで始めた習い事の場合、本人に興味や続ける気がなければ意味がありません。なぜその習い事を選んだのか、本人の意思で決めたことなのか家族でしっかりと相談しておく必要があります。いやいや続けたり惰性で何となく通ったりするようでは、時間と費用が無駄になって本人のためにもなりません。
4.勉強や部活と両立できるかで選ぶ
習い事はあくまで学校外での活動になります。本業である学校や部活の活動を優先し、習い事が負担となるようでは本末転倒です。中学生は勉強や部活、習い事で時間がない・忙しいと言われていますが、学業と両立できなければ非効率と言わざるを得ません。子供の疲労やストレスの原因となり、学校と習い事、どちらも中途半端になるおそれがあります。
学校と習い事の両方が子供の負担にならず、集中できるゆとりが持てるように選びましょう。
5.高校受験など自分の為になるかどうかで選ぶ
子供のうちから習い事に通わせる親御さんは多いですが、必ずしもそれらが子供のためになるとは言い切れません。習い事がどのように子供の役に立つか、通わせる目的は何かを考えて選ぶ必要があります。
たとえば、高校受験のために学習塾へ通わせたり、自分の特技を伸ばすためにスポーツクラブや教室に通わせたりするなど、目的を持たせるほうが効率的です。習い事の数が多くても子供のストレスになりやすいので、目的と目標を明確にして集中できる習い事を選びましょう。
中学生におすすめの習い事ランキング
ここでは、中学生におすすめの習い事をランキングでご紹介します。小学6年生から中学生への進学で習い事を始める家庭も多いので、子供に通わせたい習い事をお探しの親御さんはぜひ参考にしてください。
1位 学習塾
おそらく通っている子供が一番多く、多くの方がイメージする代表的な習い事です。
主に学校の授業の教科範囲の予習・復習と試験対策や進学準備など、学校外における学習を目的としています。高校受験はもちろん、中学受験のために小学校では6年生を迎える前から通っている児童も少なくありません。学習方法は集団授業形式で行う場合や個別指導などがあり、近年ではリモートによる自宅学習を行っている学習塾が増えてきました。
費用相場は一部を除き比較的安価ですが、受験の時期や合宿などで出費が増える場合があります。
2位 プログラミング教室
プログラミングは文部省の学習指導要領の改訂により、小中高でプログラミング教育が必修化されるようになりました。
これまでの国語や数学などの必修教科と異なり、パソコンやタブレットを使ったプログラミングを覚える必要があります。そのため、2020年に小学校での必修化を皮切りに、現在ではプログラミング教室は中学生の習い事ランキングで人気上位に並ぶようになりました。
プログラミング教室のカリキュラムは、タイピングやプログラミングの基礎、アプリやツールなどの開発や制作を学べるなど幅広いです。プログラミングの入門から中級・上級まで、子供の知識に応じたカリキュラムが選べます。費用相場は学習塾に比べて安い場合が多いですが、学ぶプログラミング知識や言語によって異なるので注意してください。
3位 英会話教室
英語は中学以上からの必修科目であり、小学校でも教科範囲となっている学校があります。習い事において学習塾と並んで人気が高く、英語を学ぶ場所としておすすめです。
英会話教室は文字通り「英会話」を学ぶ教室なので、英文を中心とする学校の英語の授業とは異なります。実際に現地の言葉を話す英語講師によるネイティブな英会話を学べるので、正しい発音とスムーズな英会話を学ぶことが可能です。費用相場は学習塾と同じかそれより安い場合があり、授業内容によって異なります。
ただし、英会話教室のほかに「英語教室」があることに注意しましょう。英会話教室は英語での会話を学ぶ場所であり、英語教室は授業で習う英語の学習塾です。英語教室でも英会話を行うケースもありますが、基本的には学校の授業で学ぶ英語を掘り下げるための場所と考えてください。
4位 スイミング・水泳
スポーツ系では、スイミングスクールや水泳教室も人気の高い習い事です。野球やサッカーのように必要な道具が少なく、子供の運動神経の向上や健康維持に役立ちます。スイミングは全身を使う有酸素運動のため、身体能力や免疫機能の向上に効果的です。
水中で体を動かすことによって、普段は使わない筋肉や神経を鍛えることにもつながります。成長中の子供の場合、過度な運動をすると骨や筋肉に負荷をかけ、身体に負担がかかりかねません。スイミングは重力による負荷がかかりにくく、全身をまんべんなく鍛えることが可能です。全身の筋肉とともに、肺活量や心肺能力を高めるなど多くのメリットがあります。
費用相場もスポーツ系なかでも安価で、中学生からの習い事にもおすすめです。
5位 ダンススクール
ダンスは中学校の体育で必修科目となるため、ダンススクールの習い事は学校の授業にも役立ちます。ダンススクールでは、さまざまなダンスバリエーションでバランス感覚やリズム感を鍛えることが可能です。
踊ることで身体の筋肉に柔軟性が身に着き、体幹を鍛えることで姿勢が良くなるほか、新陳代謝の促進につながります。リズムに合わせて身体を動かし、自分の感情を表現することで表現力を高めたりストレスを発散したりすることも可能です。また、マンツーマンやチームを組むダンスでは、相手や周りと合わせることで協調性を育めるでしょう。
ダンスの種類はさまざまなので、ジャンルによって費用相場が異なります。
6位 ピアノ教室
ピアノ教室は、男女問わず音感とリズム感など感性を鍛える情操教育に最適です。ピアノは両手の指をそれぞれ使用するため、指先の末梢神経が刺激されて脳の活性化につながります。子供のうちから脳を活性化させることで思考能力を向上させ、記憶力や運動能力など身体全体の機能や健康状態を高めることが可能です。
ピアノ教室のレッスンは、個人やグループなどさまざまな方式で行われています。費用はピアノ講師の能力や知名度によって変わることがあるため、レッスン内容や通う教室を比較して決めるのがおすすめです。
7位 ボーカル・声楽教室・ボイストレーニング
ボーカル教室などでボイストレーニングを習うのは、歌唱力を高める目的以外に発声練習や活舌を正すのに効果的です。普段の会話や受け答えを正確に伝えることができ、人前で声を出すことに抵抗感がなくなるでしょう。発声や活舌は社会に出てからも重要な要素なので、中学生のうちから鍛えておけるのは大きなメリットです。
また、歌うことによって表現力を身に着け、感受性を磨くことができます。大きな声を出すことでストレス発散にもなるため、達成感や充実感を得られるでしょう。費用相場は比較的安価で、メリットが多く手軽と人気の習い事です。
8位 サッカー・テニス・バスケなどの球技
球技系は人気が高い習い事と言うより、習いたいと希望する子供が多い傾向です。野球やサッカーなどの人気スポーツは競技人口が多く、同世代の中学生が特に多く見られます。競争心が生まれることで継続のモチベーションが上がり、身体能力や技術の向上が見込めるでしょう。
球技はチームで行うものなので、協調性を養うのに向いています。特に競争を必要とする習い事なので、目標を達成したときの達成感や充実感は非常に大きいです。
ただし、球技系の習い事は競技を始めるための道具やユニフォームが必要ですし、事前費用も高額になりがちなので家族との相談が必要です。また、広いグラウンドや体育館などを確保する必要があるため、通う場所が自宅より遠くなる可能性があります。経済的負担も大きいため、中学生からの人気が高い反面、敷居も高い習い事と言えるでしょう。
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9位 武道(柔道・空手など)
文部科学省は中学校学習指導要領を改定したことにより、武道は必修科目となっています。空手や柔道は自己鍛錬や護身術の観点から、古くから人気の高い習い事です。武道を学ぶことで肉体や精神の鍛錬を行い、身体能力や忍耐力を鍛えることができます。基本的に武道は個人競技であるため、自分自身を高めるのに最適です。
空手や柔道などの武道には礼節を重んじる教えがあり、相手への気遣いや礼儀作法を学べる側面があります。心身を鍛えることで自信を持てるようになり、自己肯定感を身に着けることが可能です。ただし、武道にもさまざまな種類があるので、習う競技によっては怪我をしてしまうリスクがある点に注意してください。
費用相場は競技によって異なり、剣道などの武具が必要な習い事ほど高額になる傾向です。
10位 乗馬
乗馬は、身体能力や年齢・性別の区別なく学ぶことが可能です。バランス良く馬の背中に乗ることで体幹を鍛え、正しい姿勢を保つことができます。
生き物に触れることで感受性や思いやりの心を育むことができ、馬と時間を過ごすことでアニマルセラピーの効果も期待できるでしょう。命に対する責任感や尊さを学び、人と動物のコミュニケーションを学ぶことによって優しく穏やかな気持ちを身に着けることができます。
乗馬は学習塾や競技と比べて、一般的な習い事ではありません。学べる場所が限られているので、自宅より遠い場所に通うことになる可能性が高くなります。また、費用も入会金や月謝、道具などの購入などで高額になりやすい傾向です。しかし、動物と触れ合うことで他では得られない多くのメリットが得られるでしょう。
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