2023年8月に行われたフリースタイルスケートボードのヨーロッパ大会プロクラスで優勝した長尾一慧(いっけい)選手(日本フラットランドスケートボード協会所属)。

その素顔に迫ります。

長尾一慧選手
10月24日、市川市長を表敬訪問

公開 2023/12/01(最終更新 2023/11/21)

ちいき新聞ライター

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世界初、900°(2回転半)成功!

フリースタイルスケートボードとは、平地でボードを回転させたり、縦や横に立てたり、ボードの上で逆立ちしたりといった技を制限時間内で競う競技です。

技の難易度だけではなく、構成や美しさ、音楽との調和なども採点基準になります。

長尾選手は、スピードに乗った勢いのあるダイナミックな演技が持ち味。

6月に浜松市で行われたJFSAフリースタイルスケートボードコンテストでは900°(2回転半)を決めました。

ジャンプ台などのない平地で900°を決めたのは長尾選手が世界で初めてとのこと!

残念ながらこの大会では、他のミスが響き、結果は4位に終わりましたが「失敗もあるし、危ない技だけど、決まった時の歓声がでかい!勝つことより、魅せるスケートがしたい。見ている人に盛り上がってもらいたい」と長尾選手。

長尾一慧選手
フリースタイルスケートボードヨーロッパ大会。中央で盾を手にする長尾選手。同時開催のベストトリックコンテストでも優勝、ベストハンドスタンドコンテストでは準優勝している
長尾一慧選手
ベストハンドスタンドコンテストで準優勝した逆立ち技

スケートボードとの出合い、運命の10分

長尾選手がスケートボードに出会ったのは市川市立柏井小学校に入学してすぐ、1年生の5月のこと。

3月まで通っていた同市内のときわ保育園の同窓Y君家族とレジャーに出かけ、Y君が持ってきていたボードで遊ばせてもらったのが始まりとのこと。

ほんの10分ほどでしたが「楽しい!」と感じ、その日のうちにボードを買って帰ったそう。

それから毎日のように練習し、国内の大会に出るようになり、小学6年生で初めてカナダの世界大会に出場。

けがは数えきれないほどしたそうですが「恐怖心はもちろんある。同じ失敗をするかもしれない。でもその技をやりたいという気持ちの方が強い」と言います。

長尾一慧選手
より高く! 何もない所から大きく見せられるのがフリースタイルの魅力、という
長尾一慧選手
外国人選手ともコミュニケーションはバッチリ! 幼稚園から始めた英会話は今もオンラインで毎日続けている

現在は、県立松戸南高校午前部(3年)に通いながら、学業と競技生活を両立させています。

今後について「一つ一つの技に磨きをかけながら、新しい技にも挑戦したい。3回転もイケるイメージはある」。

長尾一慧選手
田中甲市長と歓談する長尾選手親子。市のイベントなどでパフォーマンスができたらと話す

「後輩の育成にも取り組みたい。もっとフリースタイルを広めたい」とも話してくれました。(取材・執筆/松)