祭りのネーミングは日本古来の製鉄法「たたら製鉄」から。
1990(平成2)年、八千代市の村上地区黒沢池付近で発見された古代製鉄遺構をテーマにした祭りは第7回を迎えます。
公開 2023/11/16(最終更新 2023/11/14)

優
「ちいき新聞」で記事を書かせて頂ける幸運にとても感謝しています。取材で訪れた街でのカフェ巡りは私にとって楽しい至福の時間。プロフィールの写真は「南房総に咲く幸せを呼ぶ花」カレンデュラです。取材で一番好きな花に出会えたこと‥うれしいです。すべての記事に「ありがとう」の気持ちを込めて!
記事一覧へ歴史上最先端だった八千代市のもの作り

11月25日(土)に開催される第7回黒沢池のたたら祭。
「八千代が誇れる古代史跡をみんなに知ってもらいたい」との思いで、2017年から始まりました。
八千代市には多くの史跡・文化財がありますが、ゆりのき台では2万8000年前の「局部磨製石器(きょくぶませいせっき)」が発掘、黒沢池付近の沖塚遺跡では3世紀後半(卑弥呼の時代)、国内最古級「製鉄精錬炉跡(せいてつせいれんろせき)」が発見されました。
いずれも当時最先端の技術だったものです。
製鉄炉の存在は、村上地区に鍛冶屋が成り立つほど鉄の道具を必要とする大規模集落があったことを物語り、加えて奈良・平安時代の墨書土器(ぼくしょどき)が多数出土していることからも、八千代は古代の中心であったことが想像されます。
鉄の文化を楽しむイベントが満載

「八千代市の歴史的資源を観光資源に」と開催される今回の祭りでは鉄の文化と物作りを楽しむ内容が盛りだくさん。
英国で修業して市内で鍛冶工房を営む伊藤愛さんは、鉄を火に入れてたたいてキーホルダーなどを作る「鍛造(たんぞう)ワークショップ」を開催。
県内名工による「打刃物展示販売」では包丁研ぎの実演、「鉄粉カイロを作ってみよう」では鉄で物を作る貴重な体験が楽しめます。

また「たたら市場コーナー」では駄菓子屋の出店やくじ引き大会、東高津中学校のブラスバンドの演奏やミニコンサートが祭りを盛り上げます。
せっかくだから遺跡を見たいという人には、製鉄遺構を実際に巡るツアー「沖塚遺跡歴史巡り」や、遺跡のパネル展示もあるので、歴史のロマンに浸れそう。

鉄で小物作り「黒沢池のたたら倶楽部」
そんな鉄に親しむ文化を祭りの日だけでなく「日頃の暮らしの中で楽しむ文化活動に発展させたい」と、来春スタートする「黒沢池のたたら倶楽部」。
砂鉄の採集から自分たちで行い、実験しながら製鉄、道具を作り上げる過程を楽しむ試み。
八千代の物作りの歴史を一つの文化として未来につなげていきたいと、集う仲間を歓迎しています。
村上の地で先人たちの営みに思いをはせてみては。
日時/11月25日(土)午前10時~午後4時 ※雨天中止
場所/フルルガーデン八千代南側通路
住所/千葉県八千代市村上南1-3-1
料金/無料 ※ワークショップなど一部有料
問い合わせ
電話番号/047-485-9280
黒沢池のたたら祭実行委員会事務局
(有限会社V・C・サンセン内)