突然発生するぎっくり腰。何が起きたのか理解が追い付かないまま強烈な痛みで動くことができなくなる厄介な症状です。「どこで治療できるの?何科?」と調べようと思っても、スマホやパソコンまでの数歩も歩くことができず困り果ててしまうなんてことも。

そこで今回は、ぎっくり腰になってしまった際に焦らないよう、ぎっくり腰の特徴や応急処置、整形外科や整骨院、整体のどこで診てもらえばよいかなどを紹介します。「最近腰痛がひどくて困っている…」という人は、ぜひ参考にしてみてください。

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公開 2023/12/24(最終更新 2024/03/19)

編集部

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ぎっくり腰とは?

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ぎっくり腰とは「急性腰痛症」の通称で、腰に負担がかかる動きをした時に突然起こる症状を指します。何の前ぶれもなく起こる場合が多く、人によっては軽い腰痛や違和感が初期症状として感じられた後に発症することもあります。どちらにせよ急に激痛が走るため、海外では「魔女の一撃」などと呼ばれています。

原因不明なケースも多いものの、一般的には重いものを持ち上げたりスポーツによる腰への過度な負担や、骨の歪み、筋肉の衰えなどが要因であることがほとんどです。普段運動をしない人が腰に大きく負担をかけることも発症の要因になるなど、生活習慣も大きく関与しているといわれています。生活習慣を見直さないと、再発や慢性化を招くリスクが高まるといわれているため注意が必要です。

万が一ぎっくり腰になったらどれくらいで完治するのか、また、特に発症直後は痛みが強いため「このままずっと痛みが続いたらどうしよう…」と不安になる人も少なくないはずです。個人差はありますが、ぎっくり腰は発症から1か月程度で自然と症状が治まります。ただし、中には治るまでにかなりの期間を要する人や、症状が治りにくいケースもあります。

症状の経過としては、発症当日から数日間は患部に激痛が走ります。それから約1週間後には痛みが治まっていき、1か月も経てばほとんど痛みはなくなるのが一般的です。完治までに腰に負荷をかけるような行動をとると慢性化につながる恐れがあるため、安静に過ごすことを念頭に置いておいてください。

ぎっくり腰の応急処置

突発的に発生するぎっくり腰ですが、正しい応急処置方法を知っていればいざという時に役立ちます。また、ぎっくり腰にならない・再発させないためにも、まずはぎっくり腰になりやすい状態とはどんなものなのか、そこから知っておくことが重要です。

ぎっくり腰は急に腰をひねったり前かがみになった時に発生するため、重量物を持つ時や洗顔時などに発生するケースが高くなります。その根本原因を究明するのは難しく、レントゲンやMRI検査を実施しても原因不明と診断されることもあります。そのため、日ごろからぎっくり腰にならないよう意識的に行動することが大切です。

日常生活で特に注意したいのがくしゃみです。くしゃみは体に大きな負担がかかることで有名で、連続でくしゃみをすると腰にもかなりのダメージが加わります。くしゃみをしないようにするのも難しいものですから、次のような腰に負担のかかりにくいくしゃみの仕方を心掛けるとよいでしょう。

・立っているときは膝を曲げて衝撃を吸収する
・壁や机に手をつく
・自分の膝に手をつく

次にぎっくり腰になってしまった際の対処法です。まずは楽な姿勢で安静にしましょう。ぎっくり腰が発生した時期を「急性期」と呼びますが、この時期は患部が炎症を起こしています。炎症と痛みを抑えるためにも、湿布や保冷剤などを使用して患部を冷やすことが効果的です。

発症から数日経って痛みが引いてきたら、少しずつ体を動かすよう意識してください。ぎっくり腰は長期間安静に過ごすよりも、体を動かした方が早く治るといわれています。ゆっくりと散歩をしたりお風呂に入ったりなど、できることから始めてみましょう。

なお、腰の痛みとともに大量の冷や汗や発熱などの症状が発生している際は、すい炎や腎結石などの疾患が潜んでいる可能性もあります。速やかに医療機関で受診しましょう。

ぎっくり腰になったら整骨院?それとも整形外科?

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ぎっくり腰になった場合、整骨院と整形外科のどちらへ行くのがよいのでしょうか?

具体的な判断方法として、「激しい痛みがあるなら整形外科、その後に整骨院」と覚えておくのがベストです。ぎっくり腰は基本的に激しい痛みをともなうため、まずは整形外科を受診するのが一般的です。

ここからは、整骨院と整形外科の特徴などをそれぞれ紹介していきます。

整形外科

整形外科では患部の状態を詳細に確認するために、MRIやレントゲンによる検査を実施します。その後医師が診断を行い、我慢できない痛みに対しては神経ブロック注射や、湿布・痛み止めが処方されます。非ステロイド性抗炎症薬は痛みと同時に患部の炎症を抑える効果があるため、なるべく早くぎっくり腰を治したいという人に適しています。

一時的な疾患であるぎっくり腰は、適切な治療を行えばこれで自然に改善することがほとんどです。ただしこれはあくまでも一時的な治療であり、根本治療とはいえません。短期間で症状が再発した場合などは、痛みの原因にアプローチできる治療を考えるのもよいでしょう。

整骨院

整骨院では、痛みの緩和と再発を防止する施術が行われます。国家資格である柔道整復師が、症状の度合いと体の状態に合わせて適切な施術メニューを作成し実施します。慢性的な腰痛に悩んでいる人に対しては、筋肉をほぐしたり骨格矯正を施したりします。日常生活が楽になるだけでなく、ぎっくり腰再発のリスク低減も期待できます。

整骨院に所属する施術者は医師ではないため、レントゲン検査や痛み止めの処方などはできません。あくまでも患部周辺へのアプローチで症状緩和を図るため、痛み止めで苦痛を和らげたい場合には整形外科の受診がおすすめです。

落ち着いたら整体での施術もあり?

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整骨院と同じように、筋肉や骨にアプローチするメニューをそろえている整体院。ぎっくり腰の治療は最初に整形外科を受診するのが一般的ですが、ある程度回復した後は整骨院ではなく整体院で施術を受けても問題ありません。

整体院は痛みの緩和だけでなく、体質や習慣を変える施術や指導を実施していることも多く、自分では気づかない「体の使い方のクセ」や「日常生活で気を付けるポイント」などを教えてもらえることも。ただし、次にあげる注意点もある知っておくとよいでしょう。

ぎっくり腰直後や痛みが強いときは控える

ぎっくり腰直後は患部が炎症を起こしている状態のため、アイシングや湿布などで患部を冷やさなければなりません。整体院での施術は患部周辺の血行を促進する効果があるため、かえって炎症が強くなってしまいます。

筋肉と関節をメインに施術する整体では、痛みの強い部分を押される可能性もあるため、そもそもこの時期に施術を受けること自体難しいかもしれません。症状の悪化を回避するためにも、整体院で施術を受けるのはある程度回復してからが望ましいでしょう。

ぎっくり腰再発の予防に

ぎっくり腰になる原因は人によってさまざまですが、日常生活における体の使い方を改善するだけで再発率を下げられることが分かっています。そこで有効なのが整体院での施術です。整体院で全身の歪みを整えれば、腰への余計な負荷がかかりにくくなります。

そもそも整体では、関節と筋肉へアプローチするのが一般的です。骨盤の施術では、仙腸関節と腰骨の動きをスムーズにします。筋肉の施術では、ぎっくり腰を引き起こす筋肉の緊張をほぐし、慢性的な痛みを取り除きます。どちらも腰痛の軽減とぎっくり腰の再発防止に効果的なため、定期的に整体院へ通うのもおすすめです。

まとめ

整骨院 整形外科 整体 ぎっくり腰の対処まとめ

ぎっくり腰になると、数日から長くて数か月間も痛みに苦しむことがあります。1度でも発症したことがある人は、「あの痛みはもう二度と味わいたくない…」と思うでしょう。まだぎっくり腰になったことがない人も、経験したことがある人も、腰に負荷をかけないよう意識して日常生活を過ごしてください。

もしもぎっくり腰になってしまった際には、整形外科で検査と薬物療法を受けた後に整骨院や整体院へ行き再発予防に努めましょう。また、定期的に通う可能性もある場合には、近所の頼れる専門家を探しておくのもおすすめです。

 

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