千葉県といえば「海」と思われがちですが、山もけっこうあるのです!
知られざる千葉の低名山を、初心者ハイカー晴山ノコがイラストでご紹介します。
※登山に出かける前に、山地図を用意して、登山道の最新の情報を自治体のHPなどで確認しましょう。
※所要時間は目安です。体調や天候が悪いときは、無理せず引き返しましょう。
公開 2023/12/15(最終更新 2023/12/14)
目次
【富山】約8.5キロ、3時間半ほどのハイキング!千葉の房総低名山
今回の『房総低名山』は、富山(とみさん)。南房総市にある双耳峰(=山頂が二つある)が美しい山です。
曲亭馬琴の小説『南総里見八犬伝』の舞台となった山で、伏姫と八房が暮らし、物語の最後、隠居した八犬士がこの山で仙人になったとされています。今回は岩井駅から北峰へのピストン(往復)で約8.5キロ、大体3時間半の道のりでした。
低山とはいえ、しっかりしたハイキングの格好で行きましょう!
JR岩井駅から見た富山
遠目にもはっきりとわかる、綺麗な双耳峰です。
南峰も北峰も、山頂が丸いな~~
「伏姫と八房」の像
岩井駅を出ると、近くに「伏姫と八房」の像があります。
心なしか切ない表情の伏姫と八房に見送られながら、まずは「福満寺」を目指して車道を歩きます。
福満寺
仁王門に向かって右手側の、お墓の脇を登っていきます。
ありがたいことに、つえの貸し出しがあります。
使い終わったら、必ず返却しましょう。
登山道
いよいよここから登山道が始まります。
序盤はやや急坂から始まります。
雨上がりや秋冬は落ち葉で滑るので、一歩一歩気を付けて登っていきます。
1合目。
2合目。
3合目の標柱もあるはずですが、見つけられず…
少し登ると少し緩やかな所に出る、の繰り返し。
5合目を過ぎると、なかなかの急登が始まり、南峰まで続きます。
段差が大きい箇所もあるので、焦らずゆっくり、慎重に登って行きます。
水分補給も忘れずに。
7合目。
山頂は、まだ、か、な~~……(息を切らしながら)
ようやく南峰!! …一休みして、北峰を目指します。
ここからは急な登りはありませんが、ベンチで呼吸を整えてから向かいましょう。
休憩舎
緩いアップダウンを経ると、急に開けた場所に出ます。
ここには休憩舎があり、
こんな標柱が立っています。
八犬伝は創作ですが、八犬伝モチーフを探しながら歩くのも楽しいですよ。
休憩舎まで来れば、北峰はすぐそこ。
なだらかで歩きやすい階段を上がっていきます。
北峰(山頂)
階段を上がっていくと、まるで公園のようによく整備された山頂が見えてきます。
記念碑
北峰山頂には、今の天皇・皇后両陛下がまだ皇太子・皇太子妃だった1999年2月に、ご散策に来られた記念碑があります。
登山がお好きとのことですが、房総の、しかも富山に来られていたなんてビックリしました。
展望台
また、こ~んなに立派な展望台も!
…あるのですが、老朽化が進んでおり、注意書きの通りに気を付けて上ります。
登りきると、この通り、岩井の町を一望できます!
天気が良く空気が澄んでいる日は、東京湾の向こうに富士山が見えることもあり、素晴らしい眺望です。
私は雨女ということもあり、なかなかスッキリと晴れた日に巡り合えません…。
富山山頂は広々としており、ベンチもテーブルもあるためお弁当を広げたかったのですが、富山に行った日が2023年8月の真夏のただ中だったため長居出来ず、水分補給をして下山することにしました。
房総の山は低山ということもあり、秋から春にかけての登山をおすすめします。
下山は来た道を戻ります。
以前は休憩舎から「伏姫籠穴」へ下山できたのですが、
2019年の台風により、この記事を書いている2023年11月11日現在、通行止めとなっています。
観光協会の方によると、かなり大規模な崩落が起きてしまい、復旧の見通しは立っていないとのことです。
伏姫籠穴
伏姫と八房が住んでいたといわれる洞窟。
ちなみに、伏姫籠穴へは立派な入り口があります。
写真は、2022年3月に行った時のもの。
ハイウェイオアシス富楽里 道の駅富楽里とみやま
福満寺まで戻り、車道を40分ほど歩くと「ハイウェイオアシス富楽里 道の駅富楽里とみやま」に着きます。2023年7月にリニューアルオープンし、お土産の販売コーナーや、フードコートなどが充実しています。8月は真夏の車道歩きに惨敗し、気候が良くなった11月に改めて伺いました。
私も「伏姫さんが焼き」を買って帰りました。
ハイウェイオアシス富楽里からは千葉や東京方面のバスも出ており、営業時間も土日は8時30分からなので、ここでお弁当を買ってから富山へ向かうのも楽しいと思います。
また、八犬伝のお土産や食べ物もあり、ここでも八犬伝モチーフを探しながら富山登山の思い出に浸るのも、素敵な旅の締めくくりですよね。
ハイウェイオアシス富楽里 道の駅富楽里とみやま
最後に
「山頂に着くまで」でも「下山するまで」でもなく、「家に帰るまで」が登山。
「低山だし…」と思われた方も、アルプスや富士山登山前の足慣らしにどうですか?
きっと、低山ならではの発見がありますよ!