車好きや運転が好きなドライバーにとって、タイヤは重視すべきパーツのひとつです。タイヤは車と地面の唯一の接点であり、こだわることで車の操作性や走り心地に大きく関わります。しかし、どれも同じような見た目をしているタイヤを、どのように選べばいいかわからない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、タイヤ交換初心者の方も納得できるタイヤの選び方を解説します。タイヤ選びの際に注目したいポイントや、失敗しない車種専用タイヤの選び方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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公開 2023/12/25(最終更新 2024/05/28)

編集部

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千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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タイヤ選びに必要な3つのポイント

タイヤの選び方

車やタイヤに詳しくない方にとって、タイヤ選びは難関のひとつです。しかし、重要なポイントを押さえておけば、タイヤ選びは決して難しくありません。まずは、タイヤ選びの際に確認しておきたい3つのポイントを見ていきましょう。

タイヤサイズを確認する

はじめに確認すべきなのが、愛車に使えるタイヤのサイズです。気になるタイヤがあったとしても、サイズが合わなければ車の走行に悪影響を及ぼしてしまいます。必ず愛車に適したサイズのタイヤを購入し、交換するようにしましょう。

タイヤのサイズは、現在車についているタイヤを見る方法と、車種から調べる方法で確認できます。

タイヤを見てサイズを調べる

タイヤの選び方

タイヤには、必ずサイズが書かれています。タイヤの側面に数字やアルファベットが並んでいるので、現在愛車についているタイヤを確認してください。

タイヤの側面に書かれている数字やアルファベットの見方は、以下の通りです。今回は、「235/55 R 18」と書かれているタイヤを例に確認しておきましょう。

 最初の3桁(235)  タイヤの断面幅
 続く2桁(55)  扁平率
 アルファベット(R)  タイヤの構造
 数字2桁(18)  タイヤサイズ

最初の3桁は、タイヤの断面幅を表しています。断面幅とは、タイヤの側面にある模様や文字などを除いた幅のことです。今回は235なので、タイヤの断面幅は235mmだとわかります。

続く2桁は、タイヤの扁平率です。扁平率はタイヤの断面幅に対する高さの比率であり、数値が小さいほど地面に接する幅が広く、側面が薄くなります。扁平率が低いと燃費性能が低下したり衝撃吸収性が低下したりしますが、ドレスアップ効果や走行性能の安定性アップが期待できるでしょう。今回は55なので、扁平率は55%です。

アルファベットは、タイヤの構造を表しています。今回のRとはラジアル構造という意味ですが、タイヤサイズを調べるときに気にする必要はありません。その後の数字2桁は、リム径を表しています。リムはタイヤが組み合わされている部分のことで、リム径はタイヤの内径とも言い換えられます。インチで表示されるので、今回であれば18インチということです。

車種からサイズを調べる

タイヤのサイズは、車種から調べることも可能です。愛車の車種と年式、型式がわかればそこから調べられるので、車検証を確認してみましょう。車検証だけでなく、メーカーの公式サイトから調べることもできます。

インチアップするかどうか

インチアップするかどうかも、タイヤ選びにおいて重要なポイントです。インチアップとは、タイヤの外径を変えないままリム径を大きくして、扁平率を下げることを指します。

インチアップをすることで、運動性能がアップします。中高速域でも操縦安定性が高まるので、より運転を楽しめるようになるでしょう。また、インチアップによってグリップ性能が上昇するため、ブレーキの力が路面へスムーズに伝わるようになります。

さらに、インチアップをするとタイヤの変形が少なくなることから、コーナリングの性能が上がるというメリットもあります。扁平率が下がることによりシャープな印象を与えることができ、見た目の格好良さが高まるのもメリットです。

一方、インチアップをすることで車の乗り心地が悪くなる可能性もあります。扁平率が下がると路面からの衝撃が伝わりやすくなってしまうので、場合によっては運転中の快適性が損なわれてしまうかもしれません。走行音が少し大きくなってしまったり、燃費が悪化したりするのもインチアップのデメリットです。

インチアップをするのであれば、タイヤの外径の変化は最小限に抑えましょう。車体にタイヤが接触せず、車体からはみ出さないサイズを選ぶことも大切です。負荷能力が同等以上あるタイヤを選べば、インチアップをしても走行中にバーストしてしまう心配がありません。

タイヤにどんな性能を求めるか

どのような性能を求めるかによって、選ぶべきタイヤが変わります。もともとタイヤは、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤのようにシーズン別に種類が分かれていました。しかし、近年はタイヤの種類も多様化し、さまざまな性能を備えたタイヤが登場し、求める性能を持ったタイヤを選びやすくなっています。主なタイヤの種類と特徴を確認しておきましょう。

ノーマルタイヤ

ノーマルタイヤは、その名のとおり一般的なタイヤです。乾燥している路面だけでなく、濡れた路面や熱くなった路面でも高いグリップ力を発揮し、快適に走行できます。

ノーマルタイヤは新車に標準装備されているタイヤであり、商品数も非常に豊富です。スタッドレスタイヤと区別するためにサマータイヤと呼ばれることもありますが、夏に限らず春も秋も使えます。

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤは、冬用のタイヤです。積雪や凍結で走りにくくなっている路面でも安全に走行できるよう、通常のタイヤよりも柔らかいゴムが使われているのが特徴。路面の状態が悪くても、快適に運転ができます。

一昔前は、タイヤに鋲がついているスパイクタイヤが冬に使われていました。しかし、道路に悪影響を及ぼしたり、道路を削ることで粉塵が発生したりするリスクがあり、日本では使われなくなったのです。そこで現在の日本ではスタッドレスタイヤが主流となり、安全かつ快適に冬道の走行ができるようになりました。

オールシーズンタイヤ

オールシーズンタイヤは、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの中間にあるタイヤです。使われているゴムはノーマルタイヤよりも柔らかく、排水性も高いため雪道での走行が可能。季節の変わり目で突然雪が降っても、慌てることなく運転ができます。

エコタイヤ

エコタイヤとは、一般的なタイヤよりも燃費性能に優れているタイヤです。タイヤの転がり抵抗を抑え、回転しやすいように設計されているので、燃費性能が向上しています。燃費性能をアップさせるために、一般的なタイヤよりも軽く作られているのもポイント。転がり抵抗を抑えているからこそ、グリップ力が落ちる傾向がある点には注意しなければなりません。

スポーツタイヤ

スポーツタイヤとは、スポーツドライビングに特化しているタイヤです。走行性能やグリップ力が高いので、加速やコーナリングの際にもしっかりとした運転が可能。スポーツ的な走りを楽しみたい方には、理想的なタイヤといえるでしょう。ただし、燃費性能や静粛性などの性能が一般的なタイヤより劣る点は覚えておいてください。

コンフォートタイヤ

コンフォートタイヤは、乗り心地の良さを追求したタイヤです。プレミアムタイヤと呼ばれることもあり、高い操縦性や静粛性を誇ります。車の乗り心地は、シートだけでなくタイヤの性能も大きく関わるポイントです。コンフォートタイヤは凹凸による振動を吸収したり、騒音を軽減したりしてくれることから、車の乗り心地を高めてくれるのが特徴。コンフォートタイヤは一般的なタイヤよりも高価な商品が多いですが、安定した乗り心地を重視する高級車などに多く活用されています。

車種に特化した専用タイヤもおすすめ

タイヤの選び方

タイヤのなかには、特定の車種に合わせた専用タイヤがあります。専用タイヤは一般的なタイヤとは異なる性能を持ち、車種の良さを高めてくれるので、特徴を確認したうえで選ぶのも良いでしょう。ここでは、それぞれの車種に特化した専用タイヤの特徴を解説します。

軽自動車専用タイヤ

他の車よりも車体が小さな軽自動車は、タイヤサイズも小さい傾向があります。気になるタイヤを見つけた場合でも、軽自動車に装着できるか慎重に確認することが大切です。

軽自動車専用タイヤは、摩耗に強いという特徴があります。軽自動車は車体に比例してタイヤもコンパクトであるがゆえに、どうしても回転数が多くなりがちです。回転数が多ければ、その分摩耗が早くなるもの。そこで、軽自動車専用タイヤは耐摩耗性を強化し、長持ちするよう工夫されています。軽自動車は小回りが効くからこそ偏摩耗が生じる可能性も高いので、摩耗しにくいタイヤを選びましょう。

また、近年人気を集めているスーパーハイトワゴンは、車体のコンパクトさと比較して全高が高いので、高速走行時にふらつく傾向が見られます。その場合は、サイドウォールが強化された専用タイヤを使うのがおすすめです。

ミニバン専用タイヤ

3列シートが装備されており大人数で乗り込めるミニバンにも、専用タイヤがあります。ミニバンは車高も重心も高く設定されているので、左右にふらつきやすいのが特徴。運転時に癖が出やすく、タイヤの外側だけ偏摩耗する傾向もあります。

一般的なタイヤを装着しても問題はありませんが、走行性が安定しないことに不満を感じる方も多かったため、ミニバン専用タイヤが製造されました。ミニバン専用タイヤは、大きな車体をしっかりと支えてくれるのが特徴。走行時にふらつきやすい問題も、ミニバン専用タイヤを装着することで抑えられます。

特にミニバン専用タイヤの恩恵を受けられるのは、長時間ドライブをするシーンです。ミニバン専用タイヤは、路面からの振動を伝わりにくくしたり、カーブ時の車体のブレを抑えたりします。その結果、長時間運転しても疲れにくいでしょう。長時間のドライブを楽しみたい方や、ミニバンを頻繁に利用する方は、ミニバン専用タイヤを選んで装着しておくことをおすすめします。

SUV専用タイヤ

利便性の高さで人気のSUVにも、専用タイヤがあります。SUVは通勤や買い物といった日常使いはもちろん、アウトドアやレジャーなどでも活躍する車。幅広い用途に使えるからこそ、タイヤはこだわって選ぶ必要があります。

アウトドアシーンで大活躍するSUVでは、オフロードを走ることもあるでしょう。路面に凹凸があり走行が難しいオフロードを快適に走るためには、頑丈なタイヤが必要です。SUV専用タイヤは耐久性や堅牢性に優れているため、オフロードも快適に走れます。砂や砂利ばかりの悪路でも、スムーズに運転できるでしょう。

一方、SUVは通勤や子どもの送迎、ちょっとした買い物などにも使われる日常に溶け込む車でもあります。そのため、SUV専用タイヤには静音性や静粛性も考慮されているものが多いのが特徴です。街中でも静かに快適に走れるので、さまざまなシーンで活躍するでしょう。

その他の車種におすすめのタイヤ

専用タイヤがない車種にも、それぞれおすすめのタイヤがあります。車種の優れたポイントを活かすために、適切なタイヤを選んでみてください。

コンパクトカーは小回りが効くため、都市部での通勤や買い物などの日常シーンで大活躍します。だからこそ、燃費性能を重視するのがおすすめです。高い燃費性能を持つタイヤを装着すれば、毎日車を使う場合も安心できるでしょう。また、小回りを活かして狭い通路や曲がり角を走行する機会が多いのであれば、偏摩耗に対応しているタイヤを選んでください。タイヤの片側だけどんどん摩耗していく状態を防ぐことができれば、タイヤを長持ちさせながら快適に運転することが可能です。

街中でコンパクトカーを運転するのであれば、静粛性も重視したいポイントです。音を楽しむスポーツカーなどとは異なり、コンパクトカーで大きな音を楽しむケースは多くはありません。いつでも静かに運転できるよう、タイヤの静粛性にもこだわってみてください。

3ボックス構成で広々とした車内空間と高い走行性能が魅力のセダンも、タイヤにこだわることでより快適に運転できるようになります。セダンは車体が重いことに加えてスピードをしっかりと出せる車なので、グリップ性能にはこだわりたいところ。グリップ性能が高ければ、雨の日でも安全に運転できるでしょう。

また、セダンに装着するタイヤは転がり抵抗性能も重視して選んでみてください。転がり抵抗性能が高ければ燃費が改善され、ガソリン代を安く抑えることが可能です。

まとめ

タイヤは豊富な商品があり、どれを選べばいいかわからなくなりがちです。実際、タイヤ交換に慣れていない方のなかには、選び方がわからず困ってしまう方もいるかもしれません。タイヤのプロであるタイヤ専門店のスタッフに相談するのもおすすめです。タイヤ選にこだわることで、運転がより楽しく快適になるでしょう。

タイヤを選ぶときは、サイズやインチアップの有無、性能などの基本情報を確認してください。その上で、車種専用のタイヤがあればチェックしてみるのがおすすめです。特定の車種専用として販売されているタイヤは、その車種の良いところをより増大させるように作られているため、快適に運転できるようになります。タイヤの選び方を理解して、車を運転する時間をもっと楽しんでみてはいかがでしょうか。

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