子どもの頃、動物や恐竜の図鑑を手にワクワクした経験がある人も多いはず。

「リスの本棚」は大人も子どもも新たな発見に出合える場所です。

公開 2024/01/16(最終更新 2024/03/25)

ちいき新聞ライター

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図書室のテーマは「自然を知る」

千葉市 私設自然史図書室 「リスの本棚」入り口
「リスの本棚」入り口

動物など自然に関する本や雑誌がぎっしりと並ぶ書架、所狭しと展示される恐竜の模型や動物の標本…。

ここは、私設自然史図書室「リスの本棚」です。

この図書室の室長を務める宝川範久さんは、元動物園の飼育員。

「自然を知る」をテーマに、2022年5月に開設しました。

千葉市 私設自然史図書室 室長の宝川範久さん
室長の宝川範久さん

宝川さんは、京都と奈良でニホンザルや鹿の行動を研究、その後北海道でエゾリスの生態を研究し、さらに千葉市動物公園で30年以上飼育員を務めました。

動物関係に特化している私設図書室は全国でも珍しく、収められている約4000冊の書籍は、宝川さんが半生をかけて集めたものです。

蔵書は、ほ乳類や鳥類など動物の書籍や図鑑が中心。

中には古来の人類と動物の関わりに着目し、家畜として飼い私たちが食している動物についての書籍などもあり、改めて自然と人間について考えさせてくれます。

加えて恐竜に関する書籍や模型、鹿の剥製や角、イノシシやツキノワグマの頭骨の標本まで、私たちの興味をくすぐる展示物がいくつも並び、時間を忘れて見入ってしまいます。

千葉市 私設自然史図書室

室長とのトークでより理解が深まる

ここ数年、科学を通して解明されてきたことがたくさんあります。

例えば「クジラ偶蹄目」という新たなグループが遺伝子解析によって生まれたことで、「クジラと牛は仲間」ということが定説に。

そんな知識豊富な宝川さんの解説も「リスの本棚」の楽しみの一つです。

千葉市 私設自然史図書室
室内の様子

「子どもはもちろんですが、大人も気楽に来てほしい。動物に興味を持つ大人は少ないかもしれませんが、そういう人のためにもこの図書室を開いています」と語る宝川さん。

実際に、通勤途中に立ち寄る社会人から、塾帰りに何げなく見ていく子どもまでさまざまな人の利用があり、「興味の入り口」としての役割を果たしているようです。

現代はインターネットで何でも検索できますが意外に見えている範囲は狭いもの。

気の向くままに手にした一冊から新たな興味が生まれてくるかもしれません。(取材・執筆/Jack)

住所/千葉県千葉市中央区新千葉1-4-2
場所/JR千葉駅西口ウェストリオ2 2階
開催日時/火曜・木曜・土曜 午後1時~午後6時
料金/無料 ※閲覧のみで貸し出しはなし

問い合わせ
メール/dyla.nri125@gmail.com