「つい感情的に叱ってしまいます…。ダメなこと、やめてほしい時の上手な伝え方・叱り方が知りたい!」という3歳と5歳の姉妹のママからのお悩みです。
幼稚園教諭・園長として現場で培った実践経験と理論をもとに、幼児理解・保育相談など幼児教育全般を担当。
公開 2024/01/13(最終更新 2024/03/25)

「叱る」と「怒る」は違う、子どもに届く伝え方のコツ
「叱る」とは、相手の行動を良い方向に修正するために注意や助言をすることで、「怒る」はイライラなど負の感情をぶつけること。「ダメ」「やめて」と伝えたい時、ご自身の行動が「叱っている」のか「怒っている」のかをまずは意識しましょう。
「怒る」は、声のトーンや表情から「なんだか怒られている」ということだけが伝わり、その場で行動は直るかもしれませんが、本当に伝えたい内容は子どもの心には届いていません。「叱る」際に大切なのは、短く分かりやすい言葉で伝えること。以前のことは蒸し返さず、今の行動にのみ触れることも重要です。また、「〇〇ちゃんは〜」など他者を引き合いに出すと比較されたという嫌な思いだけが残ってしまうので使わないようにしましょう。
「分かってくれた」と感じたら、なぜその行動に至ったのか、その背景にある子どもの気持ちを理解して受け止めてあげる、そしてその後、良い変化があれば褒めて「ちゃんと見ているよ、頑張っているね」とフォローしていくと、大人の言葉を受け入れる心が育まれていきます。
3歳からは自ら考えイメージできるよう働きかける
「怒る」前に深呼吸をしたり、趣味の時間を持つ、信頼できる人と話すなど、普段からストレスをためないよう意識することが感情のコントロールにつながります。子どもが生まれた時のことを思い起こすのもいいですね。あとは育児日記をつけている方は、時々読み返して客観的に自分と向き合うのも一つです。また、子育てで大事にしたいことを家族と共有し、叱る時には誰かが助け舟を出すなど話し合っておくのも大切です。
3歳ごろからは相手の気持ちやなぜその行動がいけないのかなどを理解できるようになってくるので、大人が答えを教えるのではなく、子ども自身が考えイメージできるよう働きかけることも重要です。そして、お風呂の時間や就寝前など、落ち着いた環境で話すことで「伝わる」実感を持てるでしょう。