近年、葬儀のありかたのひとつとして注目されるようになってきたのが「家族葬」です。しかし、家族葬の内容が一般の葬儀とどう異なるのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、家族葬の意味や参列者の範囲、葬儀の流れ、費用相場について詳しく解説します。また、家族葬のメリット・デメリットやマナー、適切な式場の選び方についてもご紹介しますので、家族葬を検討されている方はぜひ参考にしてください。

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公開 2024/01/31(最終更新 2024/03/25)

編集部

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家族葬とは

家族葬とは?参列者はどこまでの範囲?葬儀の流れ・費用相場など解説

家族葬とは、親しい方を中心に、故人をお見送りする葬儀の形です。家族葬の中には、家族のみではなく親しい友人なども含めて少人数で行う葬儀も含まれます。ここでは、家族層とは具体的にどのような葬儀なのか、一般的な葬儀との違いも合わせて詳しく見ていきましょう。

家族葬とは

家族葬とは、一般的な葬儀よりも規模を小さくし、故人の最も親しい家族や友人のみで行う葬儀のスタイルです。この葬儀形式は、故人との深い絆を大切にし、心温まるお別れの時間にすることに重点を置いています。

家族葬の「家族」とは、血縁関係に限定されません。血縁者以外にも親しい友人をはじめ生前の故人と交流の合った方々が含まれることが多いのが特徴です。家族葬は故人と密接な関係があった方々を中心に執り行われるため、故人への想いを共有しつつ静かに見送ることができるます。このような理由から、近年では家族葬が選ばれるケースが増えてきました。

家族葬と普通の葬儀との違い

家族葬と普通の葬儀との最大の違いは、規模と参列者の範囲です。通常の葬儀の場合、多くの人が参列し、故人の社会的なつながりを反映した葬儀となりますが、家族葬はあくまで身近な人々の参列に限定されます。このことから、家族葬ではより個人的で深い感情を共有することが可能であり、故人との特別な時間を過ごすことができるでしょう。

また、家族葬は一般的に規模が小さいため、費用面についても普通の葬儀に比べて低く抑えることができることが少なくありません。ただし、家族葬には故人の広い交友関係を考慮した形での開催が難しいという側面もあります。そのため、家族葬を選択する際には、故人との関係性や遺族の意向を十分に考慮し、故人にふさわしい葬儀の形かどうか慎重に検討することが重要です。

家族葬の参列者はどこまで呼ぶ?

家族葬とは?参列者はどこまでの範囲?葬儀の流れ・費用相場など解説

家族葬を執り行う際に最も重要な決定事項のひとつが、どの範囲まで参列者として招待するかという点です。家族葬はその名の通り家族が中心となって執り行う葬儀ですが、どこまで参列者に含めるかは、故人の人間関係や家族の意向によります。

一般的に、家族葬の参列者は、故人の配偶者、子ども、孫、兄弟姉妹などの直系親族が中心です。ただし、故人にとって特別な存在であった親しい友人や同僚、さらには趣味や活動を共にした仲間などを含めることもあります。重要なのは、故人との関係が深く、故人の生涯や人柄を深く理解している人々を招くことです

家族葬の人数に明確な制限はありませんが、一般的には10~30名程度が目安とされています。この規模にすることで、参列者一人ひとりが故人との関係や思い出を大切にできる場にできるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、故人や遺族の意向によってはもっと少数で行う、あるいは少し多くの方を招待することもあります。

会社関係者や遠い親戚については、家族葬の趣旨を考慮して慎重に選びましょう。親密ではないもののビジネス上の付き合いなどがある場合は、個別に故人を偲ぶ会を後日に設けるなどの方法もあります。

家族葬に招待する場合は葬儀の趣旨を伝え、落ち着いた雰囲気の中で故人を偲ぶことを理解していただくことが大切です。故人との深い絆を共有する方々と共に故人の人生を振り返り、心からのお別れを行うことが家族葬の本質であることを忘れないでください。

家族葬のおもな流れ

家族葬とは?参列者はどこまでの範囲?葬儀の流れ・費用相場など解説

家族葬は、故人の家族や親しい人々だけで行われるため、一般的な葬儀に比べて親密かつ落ち着いた雰囲気が特徴です。そうはいっても、葬儀の流れや手続きは通常の葬儀と大きく異なるわけではありません。ここでは、家族葬における主要な流れと、家族が知っておくべき内容や行動について詳しく解説します。

ご危篤・ご臨終

家族がご危篤になった際にまず大切なのは、落ち着いて行動することです。医師からの診断と指示にしたがってください。可能であれば、家族や故人の親しい人々に連絡し、危篤の状況を伝えます。この時、家族葬を考えている場合は、その旨を伝えておくと良いでしょう。

臨終が近づいたら、故人がどのような状況で最期を迎えたいかを尊重することが重要です。家族だけの時間を過ごす、故人の好きな音楽を流すなど、故人の意向を汲む形でご臨終の準備を行いましょう。

葬儀・告別式

故人が亡くなったら、葬儀・告別式の準備を行います。まずは葬儀社に連絡し、故人を葬儀場へ運搬し安置する手配を行いましょう。家族葬は規模が小さいため、葬儀社と密に連携し、細かい部分までこだわることが可能です。

葬儀の日程が決定したら、親族や故人の親しい友人に通知します。家族葬は親しい人だけが集まるため、大規模な招待状の発送などは必要ありません。直接連絡、もしくは簡単な通知で十分です。

葬儀当日は、故人との思い出を共有し、故人の生涯を振り返る時間を大切にしましょう。家族葬では、一般的な葬儀の進行に比べ、故人との個人的な関係を重視する傾向があります。例えば、参列者が故人へのメッセージを読み上げる、故人の好きだった音楽を流すなどすると良いでしょう。

告別式では、故人との最後のお別れを行います。ここでも、故人の意向を尊重し、家族の感情に配慮することが重要です。故人の遺影や思い出の品を飾ることで故人を偲ぶ時間を作り、参列者と共有してください。

家族葬の流れは一般的な葬儀に比べて柔軟であり、家族の希望や故人の人生を色濃く反映した形で行うことができます。事前に家族間でしっかりと話し合い、故人への敬意を表す家族葬にしましょう。また、葬儀社との連携によって、スムーズな準備と進行が可能です。

家族葬の費用相場

家族葬を選ぶ際に重要な要素のひとつが、費用面です。家族葬は一般的な葬儀に比べて規模が小さいため、経済的な負担が少なくて済むとされていますが、実際のところ費用相場はどの程度なのでしょうか。家族葬の費用が一般的な葬儀よりも安価である理由についても解説します。

家族葬の費用相場

家族葬の費用相場は、通常の葬儀と比べると低めに設定されているのが一般的です。日本における家族葬の平均的な費用相場は約50~150万円程度と言われています。この金額に含まれるのは、葬儀の基本的な手配費用、遺体の安置、火葬料、霊柩車の使用料、僧侶へのお布施、飲食の提供などです。ただし、選ぶ葬儀社やプラン、供花や供物、追加のサービスなどによって費用は大きく異なります。

家族葬の場合、葬儀社との相談を通じて、必要なサービスと不要なサービスを選別することで、費用を抑えることが可能です。また、故人や遺族の希望によっては、より個性的でオーダーメイドな葬儀を計画することもできますが、その場合費用は高くなる傾向があります。重要なのは、故人との関係を大切にしながら、予算に合わせた適切な葬儀を計画することです。

家族葬は安いのか?

一般的に、家族葬は通常の葬儀と比較して安価だと考えられています。主な理由は、参列者の数が少ないために必要な施設や飲食、備品の規模が小さくて済むからです。例えば、大規模な葬儀場や多数の参列者向けの食事の提供は必要なく、よりコンパクトな会場や簡単な食事で済ますことができます。また、家族葬は参列者が限られるため、香典返しなど返礼品にかかる費用も抑えることが可能です。

しかし、家族葬であっても、故人への敬意を表すために高品質の花や棺を選んだり、特別な儀式を取り入れたりすれば費用は高くなります。また、葬儀社によっては、小規模な葬儀でも高品質なサービスを提供するために、高額な費用が必要になるかもしれません。

家族葬は一般的な葬儀に比べて費用を抑えることが可能ですが、最終的な費用は遺族の選択や故人への思いによって左右されます。家族葬を選択する際には、葬儀社からより詳しい見積もりを取ることが非常に重要です。見積もりを取ることで、予算に合ったプランを選び、故人にふさわしい葬儀を行うことができるでしょう。

家族葬のメリット・デメリット

家族葬とは?参列者はどこまでの範囲?葬儀の流れ・費用相場など解説

家族葬は、故人と密接な関係を持つ家族や友人だけで行う葬儀のスタイルです。通常の葬儀と比べて、家族葬のメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、家族葬のメリットと限界について解説します。

家族葬のメリット

家族葬を選択する最大のメリットは、親密な雰囲気の中で葬儀を執り行えることです。故人と深い絆のある少数の参列者だけが集まるため、個人的な思い出や感情を共有しやすく、故人への思いをより深く表現できるでしょう。

また、参列者が限られるために葬儀の規模が小さくなり、経済的な負担が軽減されるのも大きなメリットです。さらに、小規模であるため葬儀の準備や手配が比較的容易であり、遺族の精神的な負担も軽減できます。

家族葬は、故人の意向を反映しやすい点もメリットのひとつです。故人が生前に望んでいた形式や内容を実現し、特別な時間を共有できるでしょう。また、親しい方々だけの集まりなので、柔軟な演出や装飾が可能です。故人の生き様を表現することができるので、参列者にとっても忘れがたい思い出となります。

家族葬のデメリット

家族葬にはデメリットもあります。最も大きなデメリットは、故人の知人や遠い親戚など広範囲の関係者が参列できないことです。故人と親しかった人々の中には、お別れの機会を逃すことになる方もいるかもしれません。また、故人の社会的なつながりや仕事関係者との関係を考慮できない可能性もあります。

家族葬は規模が小さいため、葬儀にかかる準備や手配が少なくて済みます。しかし、遺族が少ない場合には全ての準備や手配を担うことになり、精神的、物理的な負担が大きくなるかもしれません。また、葬儀の性質上、故人との関係を深く理解している人たちに限られるため、参列者の範囲をどこまでに限定するかが悩ましい問題となることもあります。

家族葬を執り行う際には、上記のメリットとデメリットを十分に検討し、故人への敬意を尊重しつつ、遺族の精神的、経済的な負担を考慮することが非常に大切です。

家族葬のマナー

家族葬は親密で落ち着いた雰囲気が特徴ですが、遺族と参列者それぞれに求められるマナーがあります。マナーを理解し守ることは、故人への敬意を表し、葬儀を円滑に進めるために非常に重要です。ここでは、家族葬における遺族と参列者のマナーについて解説します。

家族葬での遺族マナー

家族葬において遺族が守るべきマナーは、通常の葬儀のマナーと多くの点で共通します。中でも特に重要なのが、故人との親密な関係を反映させることです。遺族には、故人との関係や思い出を大切にし、故人の意志を尊重することが求められます。例えば、故人が生前に好んだ花や音楽を取り入れるなど、故人への思いを振り返る葬儀にすることが望ましいでしょう。

また、家族葬は親しい方々だけで行うため、参列者一人ひとりに対する心遣いも重要です。遺族としては、参列者への感謝の気持ちを忘れず、温かな言葉で迎える必要があるでしょう。

服装に関しては、一般的な喪服を着用することが多いですが、故人や家族の意向によってはよりカジュアルな装いを選ぶこともあります。

家族葬への参列マナー

家族以外の方が家族葬に参列する際にも、いくつかのマナーがあります。まず、家族葬の親密な雰囲気を尊重し、控えめな態度で臨むことが重要です。香典に関しては、一般的な葬儀と同様に持参するのが一般的ですが、金額は故人との関係の深さに応じて適切に決めることが望ましいでしょう。

服装についても、一般的には喪服を着用しますが、故人や家族の意向によってはよりシンプル、あるいはカジュアルな装いを選ぶこともあります。また、家族葬では故人との個人的な関係が重視されるため、故人との思い出を語る際は関係性を考慮した適切な言葉選びも忘れないでください。

家族葬に参加する際は、故人との関係性や家族の気持ちを尊重し、静かに故人を偲ぶことが大切です。故人との個人的な関係を大切にし、遺族の気持ちを配慮しながら参加することが、家族葬における最も重要なマナーと言えるでしょう。家族葬は故人への最後の敬意を表すとともに、遺族との絆を深める機会です。これらのマナーを心に留めておくことで、心温まるお別れを実現することができるでしょう。

家族葬の式場の選び方

家族葬を行う際に最も重要な要素の一つが式場の選択です。家族葬は規模が小さく、個人的な雰囲気が求められるため、式場選びは慎重に行わなければなりません。ここでは、家族葬の式場を選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。

1. 規模と雰囲気

家族葬の特性上、小規模で落ち着いた雰囲気のある式場が適しています。故人との親しい時間を過ごすためにも、プライベート感を重視した空間が望ましいでしょう。また、親密な集まりにふさわしいインテリアや設備が整っているかどうかも重要なポイントです。

2. アクセスの良さ

参列者の移動の便を考慮して、アクセスが良い場所にある式場を選ぶと良いでしょう。公共交通機関で容易にアクセスできる場所や、駐車場が十分に確保されている式場がより望ましいです。

3. サービス内容

家族葬専門の式場であれば、小規模ながらもきめ細やかなサービスを提供していることが少なくありません。葬儀社が提供するパッケージ内容を確認し、必要なサービスが含まれているかどうかチェックしましょう。

4. 費用

家族葬は一般的な葬儀に比べてコストを抑えることが可能ですが、式場によっては追加費用が発生することもあります。予算を事前に確認し、見積もりを取って総費用を確認することが重要です。

5. 宗教的な要素

故人や家族の宗教的な信念を反映できるかも、式場選びの重要なポイントです。宗教的な儀式に対応した設備が整っているか、またはカスタマイズが可能かどうかも確認しましょう。

6. プライバシーの保護

家族葬は親密な雰囲気の中で執り行われます。そのため、他の葬儀との時間やスペースの重複がないよう、プライバシーが保護される式場を選ぶのが望ましいでしょう。

これらのポイントを参考にしながら、故人と家族の意向に合った式場を選ぶことが、家族葬をより意義深いものにするカギです。家族葬の式場選びは、故人に対して最後にしてあげられることでもあります。家族と故人との大切な時間を共有する場所として、適切な式場を選択することが大切です。

まとめ

この記事では、家族葬の意味、参列者の範囲、葬儀の流れ、費用相場、メリット・デメリット、マナー、式場の選び方について詳しく解説しました。家族葬は、故人と親しい人々との深い絆を感じられる機会であり、個性的で心温まる葬儀を実現できます。ご紹介した情報を参考に、故人への想いを表し、最後のお別れの場として家族葬を検討してみてください。