「家の顔」とも言える玄関アプローチを、より魅力的に演出したい方も多いのではないでしょうか。玄関アプローチをおしゃれにしたい時におすすめの素材はいくつもあるため、家の外観やフェンス・門柱・カーポートなどといった外構の要素などを考慮しつつ、最適なものを選ぶことが大切です。
この記事では、玄関アプローチをおしゃれにするためのデザインのアイデアや、さまざまな玄関アプローチの素材の特徴と選び方についてご紹介します。ご自身の家に最適な玄関アプローチのアイデアを見つけるための参考にしてください。
公開 2024/02/02(最終更新 2024/03/25)

玄関アプローチとは
玄関アプローチは、文字通り家の玄関へと導く道のことを指します。単に通路として機能するだけではなく、家全体のデザインや雰囲気を左右する重要な要素だと言えるでしょう。おしゃれで心地よい玄関アプローチは、家全体の印象を高め、訪れる人にも良い印象を与えてくれます。デザインのポイントて挙げられるのは、素材選び、幅や形、そして周囲の外構との調和などです。
玄関アプローチをおしゃれにしたい時に選ぶ素材
玄関アプローチは家の顔とも言える部分であり、住んでいる人の快適性はもちろん、お客様にとっての第一印象も大きく左右する要素です。おしゃれな玄関アプローチを目指すためには、素材選びが重要なカギとなります。素材の選び方によっては、家の外観に大きな影響を及ぼし、全体の雰囲気をガラリと変えることもできるでしょう。
ここでは、玄関アプローチにおすすめの素材をいくつかご紹介するとともに、各素材の特徴やどのような家のテイストに合うのかなどについて詳しく解説します。
洗い出し
洗い出しとは、表面を洗い流して石の素材感を前面に出した仕上げ方のことを指します。自然な質感と色合いが大きな魅力となっており、ナチュラルテイストやシンプルモダンな家におすすめの素材だと言えるでしょう。
また、耐久性にも優れており、時間が経つにつれて風合いが増していく点も大きな特徴です。さらに、メンテナンスが比較的容易で、長期間にわたって美観を保つことができます。
天然石
天然石は、その名の通り自然界に存在する石材のことです。天然石には一つひとつ異なる模様や色合いがあり、その独特の風合いによって高級感とともに唯一無二の魅力を演出してくれるでしょう。和風テイスト、洋風テイストを問わず多様なデザインの家にマッチし、耐久性も高いのが特徴です。
ただし、価格が高めになる傾向があるほか、設置する際には専門的な技術が必要になる可能性がある点には注意してください。
コンクリート
コンクリートは、現代的でシンプルな外観を実現してくれる素材のひとつです。モダンテイストやインダストリアルなデザインの家に合う素材だと言えるでしょう。耐久性が高く、コストパフォーマンスにも優れている点も特徴的です。
また、色や形状のバリエーションが豊富であり、オリジナリティの高い玄関アプローチをデザインすることができます。
コンクリート平板
コンクリート平板とは、通常のコンクリートよりも薄く平らな板状に仕上げられている素材のことです。なめらかで均一な表面が特徴であり、通常のコンクリートより洗練された印象を与えるため、シンプルなデザイン、スタイリッシュなデザインの家に適しています。
また、設置が容易であり、様々な色やパターンの中から選ぶことができる素材なので好みのものが見つかりやすいでしょう。
レンガ敷き
レンガは、温かみのある質感とクラシックな印象が特徴的な素材です。クラシックテイストやレトロテイスト、カントリーテイストの家におすすめの素材だと言えるでしょう。
また、耐久性が高く、経年変化を楽しむことができるのも大きな特徴であり、時間が経つほどに味わいが増す素材でもあります。配置の仕方によっては個性的なデザインを作り出すことも可能なので、好みのテイストに合わせて玄関アプローチの印象を変えることも可能です。
タイル
タイルは色彩やパターンのバリエーションが非常に豊かで、デザインの自由度が高い素材です。そのため、一味違った個性的な玄関アプローチのデザインを作り出すことができるでしょう。光沢感や独特の質感によって、エレガントな雰囲気も演出することができます。
また、耐水性や耐久性にも優れており、メンテナンスも容易です。モダンからトラディショナルまで幅広いスタイルの家に対応することができ、例えば地中海テイストの家などにマッチします。美しい仕上がりを実現してくれる素材として、ぜひ検討してみてください。
枕木(木材)
枕木は、木の自然な風合いと温もりが魅力的な素材です。そのため、自然の風合いや落ち着いた雰囲気を大切にしたい場合に向いています。和風、洋風いずれのスタイルにもマッチし、北欧スタイルやナチュラルスタイルの家にもぴったりの素材です。
時間と共に変化する木の表情も楽しめますが、定期的なメンテナンスが必要な点に注意してください。耐久性の高い枕木を選ぶことにより、より長く玄関アプローチの美しさを保つことができるでしょう。
砂利
砂利は、シンプルでナチュラルな外観を実現してくれる素材です。その自然な風合いから、和風の庭に特におすすめの素材であり、低コストで設置できるのも魅力です。
また、砂利は水はけが良いため、植物との組み合わせても美しい玄関アプローチになるでしょう。音や感触も楽しめるうえ、設置も簡単に行えます。ただし、自然の素材であるために凸凹があり、歩行時には安定するよう注意することが必要です。
敷石(石材)
敷石は、自然石(天然石)を整形した素材で、自然石のユニークな質感を活かすことができます。耐久性も高いため、長期間にわたって美しい玄関アプローチを保つことができるでしょう。和風・洋風を問わずさまざまなデザインの家にマッチするのも特徴です。
また、敷き方しだいで個性的なアプローチを作り出すこともできるため、好みに合わせて選ぶことをおすすめします。
人工芝
人工芝は、常緑の美しさが目を引く素材であり、メンテナンスが容易な点も大きな魅力です。自然な芝のような見た目を実現しながらも雑草が生えてくる心配がありません。
年間を通じて、美しい緑の玄関アプローチを保つことができるでしょう。自然な緑は、ナチュラルスタイルの家やファミリー向けの家にもおすすめです。子供やペットにとってうってつけの遊び場にもなるでしょう。
おしゃれな玄関アプローチを作る際のポイント
おしゃれな玄関アプローチは、家の顔とも言える重要な部分ですので、良い印象を与えるためにもデザインの美しさだけでなく、機能性や安全性も重視してください。ここでは、おしゃれで実用的な玄関アプローチを作るための重要なポイントについて詳しくご紹介します。
アプローチの幅を意識!標準は1m~1.5m
玄関アプローチの幅は、使い勝手と見た目の印象を大きく左右する要素です。理想的な幅としては、1~1.5mが標準だと言われています。この幅だと、荷物を持って歩いたり、複数人で並んで歩いたりするのに十分な広さを実現できるため、歩行スペースの確保と見た目のバランスを保つことができるでしょう。
また、狭すぎず広すぎないため無駄なスペースが発生しません。そのため、効率的な空間利用にもつながります。
家を含めた全体の外構アプローチから考える
おしゃれな玄関アプローチを考える際には、家全体のデザインや、フェンス・門柱・カーポートなどの外構要素との調和を重視することが非常に大切です。具体的には、家全体のスタイルや色合い、素材感との一体性を持たせましょう。
例えば、モダンな家にはシンプルで洗練された玄関アプローチが、伝統的な家には自然石を用いた温かみのある玄関アプローチが適しています。組み合わせをしっかり検討し、統一感のあるデザインを目指してみてください。
玄関までの動線をイメージする
玄関アプローチを設計する際には、実際に歩く動線をしっかりとイメージしておくことが重要です。玄関アプローチは、ただ直線的に玄関へと続く道ではありません。歩く人の動きや視線を考慮して、自然で快適な歩行ルートを確保する必要があります。
例えば、直線的な動線ならシンプルで分かりやすいでしょう。一方、カーブ(曲線)を取り入れることにより、柔らかく親しみやすい印象を与えることができます。
開放的な外構の場合、玄関アプローチで防犯&プライバシー対策を徹底
開放的な外構の場合には、玄関アプローチの設計に防犯やプライバシーの観点を加えることも重要です。
例えば、低めのフェンスや生け垣などを設置することで、外からの視線を遮りながらも圧迫感を与えずにプライバシーを守ることができるでしょう。また、センサーライトの設置、視線が届きにくい場所には防犯カメラを設置するなどすれば、より安全性を高めることができます。
機能性&安全性を意識する
玄関アプローチの設計においては、機能性と安全性にも配慮が必要です。例えば、雨天時でも滑りにくい素材を選定すること、段差の少ない設計、夜間でも見やすい照明の配置などが挙げられます。これらは、美しいデザインを維持しつつ、全ての人が安全に利用できる環境を作るために欠かせない要素と言えるでしょう。
曲線に仕上げればよりおしゃれな玄関アプローチに!
玄関アプローチのデザインに曲線を取り入れることにより、おしゃれで柔らかい印象を与えることができます。曲線は自然界にも多く見られる形状なので、直線的なデザインに比べて親しみやすい印象を与えてくれるでしょう。
また、直線的なデザインと上手く組み合わせることにより、より洗練されたおしゃれな玄関アプローチを作り出すこともできます。
奥行き感を演出して立体的に考える
奥行き感を出すことができると、玄関アプローチに立体感と深みを与えることが可能です。例えば、立体的なデザインは空間に動きをもたらすため、単に平坦なアプローチよりも豊かで深みのある表情を作り出してくれるでしょう。
また、アプローチに高低差を付けたり、植栽や小物を配置したりすることで、立体的なデザインを実現できます。さらに、異なる素材の組み合わせによっても、奥行き感を演出することが可能です。
お手入れのしやすさを考える
玄関アプローチを検討する際にはどうしてもデザインに目が生きがちですが、お手入れのしやすさも非常に重要な要素です。例えば、耐久性が高く、汚れが付きにくい素材を選ぶことで、長期にわたり美しい状態を保つことができるでしょう。
また、玄関アプローチは定期的な清掃が必要なので、掃除しやすい設計にすることも大切です。日々のメンテナンスのしやすさを十分考慮し、手入れが簡単な素材やデザインを選ぶことで、長期間にわたって玄関アプローチの美しさを保つことができます。
玄関アプローチの費用相場
玄関アプローチを作る際の費用は、一般的に10~30万円程度が相場だと言われています。既存の素材を交換する場合は撤去費も必要になるなどケースバイケースですので、この費用相場はあくまで参考程度にとどめてください。
なお、玄関アプローチを作る際にかかる費用は、主に以下の点によって大きく変わってきます。
• 素材の種類・品質
• 玄関アプローチの形状・大きさ
まず、玄関アプローチにどのような素材を使うかによって費用は大きく変わってきます。例えば、天然石、タイル、敷石(石材)、枕木(木材)などの場合、高価なものも珍しくありません。
次に、玄関アプローチの形状や大きさが変われば、必要な素材の量も変わるため、費用が変わってきます。例えば、階段がある場合、カーブを付ける場合は施工に時間や手間がかかるため、人件費などの費用もかさんでくるでしょう。それにより、総額が大きく変わってくることもあるため注意してください。
玄関アプローチを作るメリット
玄関アプローチを作ることによって、さまざまなメリットが得られます。例えば、家全体の外観を引き立てるとともに、訪れる人に対して良い印象を与えることができるでしょう。機能面については、防犯対策やバリアフリー性を高めることが可能です。ここでは、玄関アプローチを作ることで得られるメリットについて、具体的な役割や例を交えながら解説します。
外から家の中が見られにくくなり防犯対策に
玄関アプローチの設計によって、住宅のプライバシー保護と防犯対策を強化することが可能です。例えば、アプローチのルートや植栽を工夫することによって、外から直接家の中が見えにくくなる設計が可能です。重要なのは死角を作らないこと。完全に視界を遮ってしまうと、逆に不審者が隠れやすい場所を作ってしまう可能性があるからです。
そこで、角度を付けて設計することで、外からの視線を遮りつつ、家の中からは外の様子が確認できるようにすることが重要です。例えば、外壁やフェンスに適度な隙間を設ける、低めの植栽を配置するなどの工夫が挙げられます。これらの工夫により、家の中からは外の様子を把握しやすくなり、外からは家の内部が見えにくくなるでしょう。また、照明の配置にも工夫を凝らし、夜間でも不審者が隠れにくい環境を作ることが大切です。
バリアフリー性
玄関アプローチをバリアフリー化することによって、高齢者や障がいのある方にとっても安全で快適な生活環境を実現することが可能です。例えば、段差をなくす、滑りにくい素材を選ぶ、手すりを設置するなど、安全性に配慮した設計が挙げられます。
スロープを設ければ、車いすの利用者や歩行が不自由な方でも安全に出入りができます。また、表面に凹凸のある素材を使用することで、雨の日でも滑りにくくなるでしょう。手すりは、特に高齢者の方にとって大きな支えになるため、手すりを設置する際には握りやすい太さや高さにすることが大切なポイントです。
玄関アプローチを作るデメリット
玄関アプローチの設計は、家の外観や機能性に大きな影響を与えます。美しく機能的な玄関アプローチを作ることにはメリットが多い反面、デメリットや注意点もあるので注意が必要です。ここでは、玄関アプローチを作るデメリットと注意点について、詳しく見ていきましょう。
雨天時に滑りやすくなる素材がある
玄関アプローチの素材選びは非常に重要です。特に、雨天時に滑りやすくなる素材を使用することは避けなければなりません。例えば、敷石や砂利、タイルなどはたしかに見た目が美しい素材ですが、雨が降ると非常に滑りやすくなるケースがあるため、注意が必要です。
滑りやすい素材を選んでしまうと、家族やお客様が転倒するリスクが高まります。特に、高齢者や小さな子どもがいるご家庭の場合、事故など大きな問題に発展しかねません。そのため、玄関アプローチの素材を選ぶ際には、雨天時の安全性についても十分に考慮し、できるだけ滑りにくい素材を選ぶことをおすすめします。
スロープなしの場合老後や子育て時に不便に感じる場合がある
スロープの有無についても、玄関アプローチの設計における重要なポイントだと言えるでしょう。例えば、高低差やステップがある玄関アプローチは見た目にはたしかに美しいですが、老後や子育て中の場合には特に生活上支障を与えかねません。
例えば、車椅子やベビーカーを利用する場合、ステップがあると持ち上げる必要が出てくるため、非常に不便です。また、足腰が弱った高齢者にとっては、少しの段差でも大きな負担となり得るでしょう。現状だけでなく将来的なことも考えて、あらかじめスロープを設置しておく、あるいはあとからスロープを設置しやすくなるような設計を検討して、玄関アプローチを作る必要があります。