髪に優しい、オーガニックのヘナカラー。一度は名前を目にして、気になっていたという人も多いのではないでしょうか。

特にこれまで普通のヘアカラー剤を使って、アレルギーやヘアダメージに悩まされたことのある人は必見です。ヘナカラーの仕組みや効果、人気の理由、メリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。

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公開 2024/01/30(最終更新 2024/03/25)

編集部

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千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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ヘナカラーとは?

ヘナカラーとは、ミソハギ科の植物ヘナ(HENNA)の葉を染料にして髪の毛を染める手法です。植物を材料にしたオーガニックのヘアカラーとして多くの人に支持されています。ヘナカラーには100%天然ヘナのみのものと、ケミカルヘナと呼ばれる化学染料が含まれるもの、ハーブカラーと呼ばれるインディゴなどが混ざったものなどがあります。

まずは、ヘナで髪の毛が染まる仕組みについて見ていきましょう。

ヘナで髪が染まる仕組み

ヘナカラーに使う染料は、ミソハギ科の植物ヘナ(HENNA)の葉を粉末にしてお湯で溶いたものです。ヘナはインドや中近東で自生している植物で、日本でも沖縄で栽培されています。

ヘナの葉に含まれるローソン(ローソニア)という赤色酵素色素は、タンパク質に絡みついてオレンジに発色します。その性質を利用して、髪の毛を着色するのがヘナカラーです。

一般的なカラー剤と違い植物を使った草木染めの手法のため、髪や頭皮へのダメージがありません。ケミカルな成分を使わないので、普通のカラー剤だとアレルギーが出てしまう人でもカラーリングを楽しめます。

ただし植物由来の自然な染料のため、黒髪の色を明るくする効果はなく、主に白髪染めとして重宝されています。白髪にヘナカラーを入れると、きれいなオレンジ色に染まります。

ヘナカラーのメリット

ヘナカラーのメリット

ヘナを使ったカラーリングには、さまざまなメリットがあります。ヘナカラーが支持されている理由は何なのか、詳しく解説していきます。

ジアミンアレルギーのリスクが低い

ヘナカラーは植物由来のヘアカラーのため、一般的なカラー剤でアレルギーが出てしまう人でも使用できるケースが多いです。ほとんどの一般的なカラー剤には、パラフェニレンジアミンという酸化染料が含まれています。このパラフェニレンジアミンという成分は、アレルギー症状を引き起こす可能性があるのです。

軽い症状だと、施術中にカラー剤が少ししみたり、痒みが出たりする程度ですが、重篤な場合、アナフィラキシーショックを起こし、動悸・呼吸困難・嘔吐といった症状が出ることもあります。

さらに注意が必要なのが、こういった症状が、ある日突然起きる可能性があるということ。特別アレルギー体質という訳でもなく、これまで何度も同じようにヘアカラーをしたことがある人でも、ジアミンアレルギーはある日突然発症します。そして一度発症してしまうと、もう普通のカラー剤を使ったヘアカラーはできなくなってしまうのです。

ヘナカラーは天然素材を使ったヘアカラーで、パラフェニレンジアミンなどの化学物質を含んでいません。そのため、ジアミンアレルギーを発症するリスクが低く、また、発症後でもヘアカラーを楽しむことができるのです。

ただし、前述したようにヘナカラーの中にも一部、ケミカルヘナと呼ばれる少量のパラフェニレンジアミンを含む商品があります。ジアミンアレルギーのリスクを排除したい場合は、100%天然のヘナが使われているかどうかを必ず確認しましょう。

トリートメント効果が高い

ヘナには、髪を染める効果だけでなく、トリートメントや頭皮環境改善の効果もあります。そもそもインドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは、ヘナは薬草としても愛用されている植物なのです。普通はカラーをすれば髪が傷んでしまうので、カラーをしながらトリートメントにもなるとはびっくりですよね。

ヘナのトリートメント効果は、一般的なトリートメントの効果とは効き目が少し異なります。一般的なトリートメントは、髪の表面をコーティングして、ツルツル・サラサラの手触りにするものが多いもの。一方、ヘナのトリートメント効果は、髪にハリやコシ・ツヤが出て、根元からしっかり立ち上がるというものです。

ヘナが髪内部のタンパク質に絡みつき、髪自体を内側から強くしてくれるようなイメージです。しっかりとタンパク質に絡みついたヘナは長く髪の内部に留まっているため、トリートメントの効果が長持ちします。

ヘナのトリートメント効果の性質は、加齢によって髪が細くなったり、ボリュームダウンしてしまった人に最適です。加齢による髪のうねりや広がりも、髪の内部をしっかり補修することで抑えられる効果があります。白髪染めとの相性がよいこともあり、特に加齢による悩みの解決にぴったりのカラーリングとも言えるでしょう。髪がしっかりとしてボリュームアップすることで、若々しい印象になります。

ヘアカラーのように傷まない

一般的なヘアカラーでは、アルカリ性の薬剤を使って髪のキューティクルを開き、内部に染料を浸透させます。健やかな髪は弱酸性の状態。薬剤によってアルカリ性に傾いた髪は、どうしてもダメージを受けてしまいます。傷んだ髪は、パサパサになって枝毛や切れ毛が発生しやすく、せっかく入れたカラーもすぐに褪色してしまうのです。

一方で、ヘナカラーでは髪にダメージを与える工程がありません。しかもトリートメント効果・頭皮環境の改善効果もあるため、カラーをしながらヘアケアもできるということ。カラーを楽しみたいけれど、できるだけ髪のダメージは避けたいという人に適しています。

ヘナカラーのデメリット

ヘナカラーのデメリット

ヘナカラーには大きなメリットもありますが、やはりデメリットもあります。一般的なヘアカラーと比較しながら、ヘナカラーのデメリットもみていきましょう。

染めるのに時間がかかる

ヘナカラーは、一般的なヘアカラーよりも施術に時間がかかります。一度の施術に長い時間をかけるのが難しい方には、あまり向いていないといえるかもしれません。

天然のヘナは、塗布してから2時間以上、できれば4時間程度放置することが望ましいとされています。サロンでの施術では、加温して染色を促進できることもあり、30分〜2時間程度の放置時間が多いです。とはいえ、決して短い時間ではありませんね。忙しくて時間をとりにくい方には、マイナスな要素になってしまうと思います。

好きな髪色にできない

ヘナカラーのデメリットとしては、カラーバリエーションが少ないことも挙げられます。ヘナに含まれるローソン(ローソニア)という赤色酵素色素は、白髪をオレンジ色に染色できるだけです。黒髪部分の色を、明るく変えることもできません。

そこで、同じく植物由来のインディゴ(藍色の色素)を混ぜて、カラーの幅を広げています。オレンジ色と藍色を混ぜることで、ナチュラルブラウン・ダークブラウンといった自然な色味を表現できるのです。

それでも、ヘナカラーで表現できるカラーはオレンジ系とブラウン系に限られます。カラーバリエーションに関していえば、さまざまなニュアンスの豊富なカラーが表現できる、一般的なカラー剤には圧倒的に劣ります。

さらに一度ヘナカラーで染めてしまった髪は、後から一般的なカラー剤で染め直すことが難しくなります。ヘナのカラーはもちがいい反面、除去することも難しいため、ヘナカラーで継続していくつもりがないのであればあまりおすすめできません。

ヘナカラーの注意点

ヘナカラーの注意点

最後に、ヘナカラーを試したいときに注意してほしい点を改めて付け加えておきます。

すべてが化学アレルギーフリーという訳ではない

ヘナカラーは、ジアミンアレルギーのある人でも楽しめるカラーとしてとても有効な手法です。しかし、すべてのヘナカラーが、完全に化学アレルギーフリーという訳ではありません。100%天然のヘナのみのものもあれば、インディゴなど別の植物由来の染料が含まれるもの、化学染料も使用されているものもあります。

美容室によって扱うヘナカラーの品質や成分にはさまざまな違いがあり、その名称も「ハーブカラー」「オーガニックカラー」「香草カラー」など色々。事前に美容室で確認しておくとよいでしょう。

また、ヘナカラーは植物由来であるがゆえに、人によっては植物アレルギーを発症する可能性があります。初めてヘナカラーを試すときには、しっかりカウンセリングを受けて、パッチテストをしてみてください。人によって合う・合わないがありますので、きちんと見極めることが大切です。

まとめ

髪に優しい植物由来のヘナカラーには、一般的なヘアカラーにはないさまざまなメリットがあります。しかし一方で、ヘナカラーにはできないことやデメリットも当然あります。髪質や体質・目的用途によって、より自分に合っている方を選ぶとよいでしょう。

ヘナカラーのメリットを読んだ上で気になる方は、ヘナカラーを取り扱っているサロンを探して体験してみてはいかがでしょうか。