現役で難関大学に合格するためには、高校生の早いタイミングから塾に通う必要があると言われています。遅くても高校2年生の夏期講習あたりから受験対策のために通塾を始める方が多いようです。

ここでは、高校生の塾の相場について詳しくご紹介します。塾の種類別の特徴をはじめ、塾代を抑えるポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。

公開 2024/02/01(最終更新 2024/03/25)

編集部

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高校生活ではどれくらいお金がかかるの?

高校生活ではどれくらいお金がかかるの?

塾の相場を知る前に、高校生活でかかる学習費の総額について見ていきましょう。文部科学省が発表した令和3年度子供の学習費調査の結果についてを参考に、授業料や補助学習費、学習塾などの費用を合計した金額をご紹介します。

公立高校の場合

公立高校の学習費調査の結果は次の通りです。

項目 費用
入学金等 16,143円
授業料 52,120円
修学旅行・遠足・見学費 19,556円
学校納付金等 32,805円
図書・学用品・実習材料費等 53,103円
教育外活動費 39,395円
通学関係費 91,169円
その他 4,970円
総額 309,261円

出典元:文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果について

教育外活動費がいわゆる習い事やお稽古事を指しており、学習塾も含まれています。公立高校の場合は電車やバス通学にかかる「通学関係費」が全体3割弱を占めていることがわかるでしょう。

私立高校の場合

私立高校の学習費調査の結果は次の通りです。

項目 費用
入学金等 71,844円
授業料 288,443円
修学旅行・遠足・見学費 26,549円
学校納付金等 115,808円
図書・学用品・実習材料費等 64,259円
教育外活動費 47,013円
通学関係費 129,155円
その他 7,291円
総額 750,362円

出典元:文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果について

公立高校に比べて、1年間にかかる総額の約2.5倍であることがわかります。

最も多い支出が授業料で1ヶ月あたり2万5千円近くの支出です。学校納付金とは、教育活動を行う上で必要な経費を生徒の保護者が負担する各種経費を指し、「保健衛生費」や「施設管理費」などが該当します。

高校生が塾にかける金額は?

ここからは、文部科学省が発表した調査結果を参考にしながら、高校生が塾にかける費用について見ていきましょう。

▽高校生の学習塾費の金額分布
公立 私立
0円 66.8% 61.7%
1万円未満 1.6% 1.5%
5万円未満 3.3% 3.4%
10万円未満 2.8% 3.7%
20万円未満 4.7% 5.0%
30万円未満 4.9% 4.6%
40万円未満 4.4% 3.5%
40万円以上 11.6% 16.7%

出典元:文部科学省 令和3年度子供の学習費調査 2.調査結果の概要

公立・私立ともに、塾に通っている割合は全体の40%程を占めており、そのうち、年間40万円以上支出している家庭の割合が最も多いことがわかります。そして、学習塾にかける一年の支出の平均額は、公立学校で「36万3,000円」、私立学校で「44万7,000円」でした。

このように、塾に通う場合はひと月あたり大体3万円前後の費用を捻出する必要があると考えておきましょう。

塾の種類と費用の目安

塾の種類と費用の目安

学習塾と一口に言っても、塾のタイプ、あるいは家庭教師によって必要な費用は大きく変わってくるので注意が必要です。ここでは、集団塾と個別指導塾、そして家庭教師など、塾のタイプ別にかかる費用についてご紹介します。大学受験対策として通うケースを見ていきましょう。

集団塾

まずは、集団指導塾にかかる費用の内訳やメリットデメリットについて解説します。

■ 集団塾にかかる費用の内訳

塾によってかかる費用は大きく異なりますが、大まかにかかる費用の内訳は以下の通りです。

高校1年生 高校2年生 高校3年生
入学金 1~3万円
授業料 10~20万円 20~50万
夏期講習などの
季節講習代
数万円〜50万円(受けるコマ数による)
教材費 塾による
模試やテスト費用 1回あたり5,000〜8,000円(諸経費に含まれる場合あり)
その他諸経費 数千円〜数万円

集団塾の場合は、毎月の授業料に加えて夏期講習など講習代や教材費、さらには模試やテストの費用などがかかります。受験を控えた高校3年生は、費用が大幅に跳ね上がるのが特徴です。

高校1年生・2年生は年間で40〜50万円、高校3年生は50〜70万円程度の費用がかかると考えておきましょう。

■ 集団塾に通うメリット

集団指導塾に通う最大のメリットは仲間やライバルと切磋琢磨しながら意欲的に学習に取り組めることです。さらに、個別指導や家庭教師に比べて費用が割安なところも大きなメリット。指導力の高い人気講師の授業を受けられることも集団指導塾ならではの特典です。

■ 集団塾に通うデメリット

集団指導塾は大まかな学習理解度でレベル分けをしますが、苦手な教科の場合は授業内容についていけない可能性があります。さらに、人見知りの方や集団の中で学習をすることに対して不安な気持ちがある方には向いていないことも考えられるでしょう。

さらに、カリキュラムの進度によっては、年度途中からの入会ができないケースもありますので注意してください。

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個別指導塾

ここでは、個別指導塾にかかる費用の内訳とメリットやデメリットについて見ていきましょう。

高校1年生 高校2年生 高校3年生
入学金 数万円(塾による)
授業料 1コマ数千円〜数万円
※集団塾と同じ日数・コマ数で受講した場合、年間60〜100万円
夏期講習などの
季節講習代
数万円〜数十万円(受けるコマ数による)
教材費 塾による
模試やテスト費用 1回あたり5,000〜8,000円(諸経費に含まれる場合あり)
その他諸経費 数千円〜数万円

1対1や少人数指導を行う個別指導塾は、手厚く指導してもらえる一方で集団指導塾に比べてコストがかかります。学年問わず年間60〜100万円程度の費用が必要です。

コマ数によって大きく費用が変動しますが、大学受験に必要な科目数を履修することを想定すると100万円以上の費用がかかる場合もあります。苦手な科目や履修したい科目をしっかりと洗い出した上で、予算や目的に合わせた塾選びを行ってください。

■ 個別指導塾に通うメリット

個別指導塾に通うメリットは、お子さんの学習理解度に応じたカリキュラムをもとにオーダーメイド指導を受けられることでしょう。部活動や習い事などが忙しい場合でも、スケジュールの融通が効きやすいのも大きなメリットです。

多くの個別指導塾で担任制を採用しているため、講師との関係性を構築しやすく、安心した環境で学習に励めるのもメリットです。

■ 個別指導塾に通うデメリット

個別指導塾は、集団指導塾のようにライバルや仲間がいないため、学習に対する競争心やモチベーションを維持しにくいというデメリットがあります。また、集団指導に比べて費用が高額になりがちなこと、そして自分のペースでできることに甘えが出てしまい、本来の目的を達成できないケースがあることなどもデメリットです。

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家庭教師

ここでは、家庭教師を付ける費用の内訳やメリットやデメリットについて見ていきましょう。

■ 家庭教師にかかる費用の内訳

家庭教師を付ける費用の内訳は以下の通りです。

高校1年生 高校2年生 高校3年生
入学金 0~3万円
保証金 0~2万円
解約金 0〜2万円
授業料 1コマ3,000円〜1万円
年間30〜100万円
管理費 数万円〜数十万円(受けるコマ数による)
教材費 1コマ3,000円〜1万円
年間30〜100万円
交通費 1回あたり400円〜1,000円(基本的に実費かかる)
模試やテスト費用 1回あたり5,000〜8,000円(諸経費に含まれる場合あり)

家庭教師と一口に言っても、個人契約をするのか、それとも家庭教師センターと契約をするかによって費用が大きく変動します。1コマあたり3,000円から1万円と幅があるのは、所属する団体や教師の質によるものです。

家庭教師を雇う場合は、夏期講習などの特別講習などはなく授業時間数分の費用がかかると考えましょう。しかし、保証金や交通費など、集団指導塾や個別指導塾ではかからない費用を請求されることもあります。

■ 家庭教師を雇うメリット

家庭教師を雇うメリットは、1対1の完全個別指導を受けられることはもちろん、完全オーダーメイドのカリキュラムを組んでもらえることでしょう。さらに、お子さんの特性に合わせて指導方法や宿題なども対応してもらえるため、お子さんのペースに合わせて学習を進められます。

また、集団指導塾と比べて時間の融通が効きやすいことや費用対効果が高いことなども嬉しいポイントです。

■ 家庭教師を雇うデメリット

家庭教師は1対1の完全マンツーマン指導のため、生徒から質問をしないと教師からのフィードバックや説明を受けにくいというデメリットがあります。授業中、ただ黙々と一人で学習してしまうことがないよう、わからないことがあったら積極的に質問することが大切です。

また、集団指導塾と比べた場合、料金が高いのもデメリットの一つです。コストを抑えたい場合は個人契約をするなどして支出を抑える工夫をしてください。

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塾代を抑えるコツ

塾代を抑えるコツ

年間40万円以上の費用を塾にかけるご家庭が多いことからも、塾にかかる費用は高額です。少しでも家計を圧迫しないために塾にかかる費用を抑えるコツを理解しておきましょう。

必要な科目を絞って受講する

ほとんどの塾では受講する科目数や授業数によって費用が大きく変動します。そのため、受講する科目数が多ければ多いほど費用がかさむため、必要な科目を絞ることが大切です。

成績の悪い科目を重点的に受講することで、塾代の節約はもちろんのこと、お子さんの貴重な時間を捻出することにも繋がるでしょう。

特待生制度などを利用する

塾の特待生制度とは、成績が優秀な生徒に対して月々の授業料の一部、もしくは全額免除する制度のことです。すべての塾で採用している訳ではないものの、合格実績を確保するために特待生制度を設けているところも多く存在します。

成績に自信があるお子さんの場合は、特待生制度が適用になる塾を探してみてはいかがでしょうか。

入会キャンペーンなどを利用する

入会キャンペーンを実施している塾に入会することで、紹介割引をはじめ、入会金無料やキャッシュバックなど様々な特典を受けられます。入会する際に何かと初期費用がかかりますので、お得なキャンペーンを実施している塾を見つけてください。

まとめ

高校生が学習塾にかける1年間の支出の平均額は20〜30万円です。多くの家庭が年間40万円以上の費用をかけていることからも、塾に通うためにはある程度まとまった金額が必要になってきます。今回ご紹介した内容を参考にしながら、ご家庭の予算やお子さんの学習レベルに合った塾を選んでみてはいかがでしょうか。

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