船橋市を中心に活動しているバイエルンストゥーベ室内管弦楽団は、指揮者のいない室内オーケストラ。

4月21日(日)に第7回演奏会を開催します。

公開 2024/03/29(最終更新 2024/03/28)

トムケ

トムケ

市川市在住。音楽学修士号と学芸員資格保有。学生時代からちいきライターとしてお世話になっています。2008年からピアノ教室を主宰、オンラインレッスンにも対応中。入試時期はたまに小論文添削も引き受けています。note/https://note.com/u_tmk エムジック音楽教室/https://msikmusicclass.lsv.jp/

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対話して練り上げる、指揮者不在の音作り

バイエルンストゥーベ室内管弦楽団の練習では、たくさんの対話が重ねられます。

ほんの数分音を合わせただけで、活発な意見交換が始まります。

「拍感がそろっていない感じだね」

「弦がリードするから動きを見ながら合わせてみよう」

「この小節の音符は長すぎないかな?」

「むしろ速いんじゃないかな」

「ソロの所はもっと遅くしたいけど合わせられる?」

練習中は、演奏しながらこうした会話が絶えず交わされています。

バイエルンストゥーベ管弦楽団
インスペクター(現場のリーダー)がチェックしながらの練習
バイエルンストゥーベ室内管弦楽団
楽譜と音で確認

オーケストラはそのほとんどが、指揮者の構想を基にして練習を行います。

言わば、指揮者は音楽が進む方向を指示するリーダー役。

しかし、バイエルンストゥーベにはリーダーである指揮者がいません。

リスペクトを大切に。音の構築という魅力

バイエルンストゥーベ室内管弦楽団
緊迫感のあるリハーサル(2022年)

楽曲は本来、盛り上がって速くなったり、静かに遅くなったり、絶えず変化し続けていくもの。

オーケストラの場合、その変化をコントロールするのは指揮者の役目ですが、ここでは団員が一つ一つ構築していきます。

「議論は大切ですが、強い言い方をすると場の空気が悪くなって、良い演奏なんてできません。リスペクトの気持ちを持って柔らかい言い方をするなど、対話のやり方も工夫を重ねてここまできました。音を構築していくという体験は、本番直前までずっとドラマチックな瞬間の連続です」とのこと。

自立と協力の音色を 室内楽の理念を胸に

バイエルンストゥーベ室内管弦楽団
2022年の演奏会

指揮者不在で音楽を作るバイエルンストゥーべには「室内楽を真剣にやる」という理念があります。

オーケストラは同じパートを演奏する奏者が2人以上いますが、小規模編成の室内楽は1パート1人で音楽を作るのが原則。

つまり、オーケストラであってもしっかりと自分のパートの音を鳴らす、ということを大切にするのがこの理念の意味です。

今年の春は、自立と協力によって音楽を紡ぎ出すオケに触れてみてはいかがでしょうか。

バイエルンストゥーベ室内管弦楽団
バイエルンストゥーベ室内管弦楽団

日時/4月21日(日)
午後2時開演(午後1時30分開場)
場所/船橋市民文化ホール(船橋市本町2-2-5)
料金/前売り1,000円・当日1,500円
問い合わせ/080(3359)5902 浜田
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