「寝違えはそのままにしておけば自然と治る!」と思っていませんか? たしかに寝違えの多くは自然治癒しますが、中には病院にかかる方が良いケースも存在します。しかし、「一体どこに行ったら良いの?」と悩む人も多いでしょう。
そこで今回は、首を寝違えた時に整体、整骨院、整形外科のどこへ行くべきかなどをまとめました。いざという時に迷わないよう、ポイントを押さえておきましょう。
公開 2024/02/18(最終更新 2024/07/17)

寝違えとはどんな状態?
寝違えとは、起床時に首から肩の筋肉に炎症が発現している状態を指します。前日に激しい運動などをしていないのにもかかわらず、首を動かした時に痛みがあったり痛みで首を動かせなかったりする場合は寝違えの症状でほぼ間違いありません。
痛めやすい部位は、首から背中まで走行する「僧帽筋」、首から肩甲骨へかけて走行する「肩甲挙筋」、首の骨をつなぐ「椎間関節」などです。
痛みの程度としては捻挫や筋肉痛に類似していますが、軽い痛みで済む場合もあれば首や肩が全く動かせないほど重度な場合もあります。
基本的にはそのままにしていても2~3日程度で自然に痛みが引きますが、3日以上経っても痛みが治まらない場合は、筋肉やじん帯に異常が発生している可能性があるでしょう。
寝違えが起こる原因
寝違えが発生するのにはいくつか原因がありますが、どれも血液の循環と関係しています。
頻繁に寝違えが起きるという人は複数の原因が考えられるので、何がトリガーとなっているのかを確認しておきましょう。
ここからは、寝違えが起こる原因を3つ紹介していきます。
姿勢
姿勢が悪い人は正しい姿勢で生活している人よりも、筋肉にかかる負担が大きいことが分かっています。
その負荷は非常に大きく、時には血管や神経が圧迫されたり、筋肉が捻じれたりといったトラブルを起こすほど。悪い姿勢が長時間続くと、筋肉が凝り固まって簡単にはほぐせなくなってしまいます。
同様に、寝相が悪い場合も無理な姿勢が長い時間続くため、筋肉に負担がかかって寝違えを起こしやすいです。特にお酒を飲んでいたり疲れていたりして熟睡すると、寝違えを起こすリスクが高まります。
寝具が原因で寝相が悪くなっている場合は、相性の良い寝具を揃えるだけで寝違えを予防出来るでしょう。逆に相性の良くない寝具を使用し続けると不自然な姿勢が慢性化し、重度の寝違えを引き起こす可能性があります。
スポーツ
日ごろ運動をしない人がいきなり激しいスポーツをした場合や、慣れない仕事をして筋肉を酷使した場合にも寝違えが起きやすいです。また、寝違えの悩みを抱える人の中には、一般人だけでなくプロのスポーツ選手やスポーツトレーナーなど、日常的に運動をしている人も含まれます。
なぜなら、スポーツを原因とした寝違えは、筋肉疲労がたまることで発現するからです。外でのアクティブスポーツはもちろんですが、室内での長時間の作業も要注意。長い時間パソコンと向き合っていると首や肩の筋肉に負担がかかり、寝違えを起こしてしまいます。
日々の身体的負担が積み重なったことで、ある日突然寝違えが起きるケースも珍しくないので、疲れを溜めこまないように気を付けましょう。
ストレス・血流
「ストレスは万病のもと」というように、適度に解消しないとさまざま不調を起こしてしまいます。
寝違えに関しては、ストレスがかかることで自律神経の一種である交感神経が優位となり、常に筋肉が緊張状態になることも原因の一つと言われています。筋肉の緊張が血流を滞らせ、寝違えを引き起こすというメカニズムが生じます。
ストレスを原因とした寝違えは、ストレスを引き起こしている原因の根本的解消が必要です。しかし、それが難しい場合は、対症療法として軽い運動や就寝前の瞑想などを行いましょう。
これらによって副交感神経が優位になり、ストレスと筋肉の緩和が期待出来ます。
自分で出来る寝違え対処法
いくら軽症であっても寝違えが発生した際は日常生活に支障をきたすため、「早く痛みから解放されたい!」と感じることでしょう。そんな時に、すぐにでも実践出来る対処方法として、安静にすることとアイシングが挙げられます。
特に寝違えが起きて2日までは、重労働や激しい運動などは控えて安静にしているのが最も効果的です。痛みを感じる箇所は極力動かさず、触れるのもやめてください。無理に動かしてしまうと筋肉の炎症が悪化し、痛みが強くなってしまう可能性が高いです。
一時的な対処法ではあるものの、痛みを抑えるためにアイシングをするのも良いでしょう。痛みが生じている部位は冷やすことで鎮静化出来ます。ただし、痛みが落ち着いた後も患部を冷やし続けると、血行が悪くなって回復が遅くなってしまうので注意が必要です。
また、自己流のマッサージは無理に患部を動かしてしまい、かえって症状が悪くなる可能性があるのでやめた方が良いでしょう。同じように、ストレッチも負荷がかかるうえ血行が促進されて痛みが強くなるため、寝違えを起こしている間は控えてください。
寝違えた時は整体院?整骨院?それとも整形外科?
寝違えを治すために病院などへ行こうと考えている人の中には、「整体院、整骨院、整形外科のどこに行けば良いの?」「そもそもこの3つの違いが分からない…」などの不安を抱いている方もいるでしょう。
これらの施設や科目には明確な違いがあるため、万が一の時にきちんと判断出来るよう特徴を押さえておくのがおすすめです。
寝違えは放置してもいい?
軽度の寝違えであれば2~3日で自然に痛みは治まります。一方、痛みで首が動かせなかったり、少し触っただけで痛みが走ったりするなどの中度~重度の症状がみられる場合は、そのままにしておくことで痛みがさらに強くなる可能性があるため危険です。
また、3日以上経過しても痛みが引かない場合、自然回復は期待出来ないと考えていいでしょう。初日の痛みよりも明らかに弱くなっているのであれば、あと数日様子をみてもいいかもしれませんが、痛みが変わっていなかったり悪化していたりする場合は速やかな対処が必要です。
整体院
整体院では、痛みを和らげるための電気やアイシングなどの対処を行います。
また、痛みが出ている部分周辺の筋肉の緊張を和らげたり、再発防止の整体を実施したりもするでしょう。痛みが緩和されるまでにかかる期間は数日から数週間程度で、炎症や筋肉の緊張の程度などで期間は異なります。
症状が重い場合は、筋肉などに異常が発生している可能性がありますので、整形外科の受診がおすすめです。
なお、整体院で行われる施術は全て保険適用外です。
整骨院
整骨院での寝違えの対処も整体院と同様、痛みを緩和させるための電気やアイシングです。
まずは痛みを抑え、その後は状況に沿って、改善へ向けたマッサージなどを行います。整体院と異なるのは、痛みが出ている部分の負担を軽くしたり、再発を抑えたりなど効果が期待出来る整体を行わないという点でしょう。
なお、整骨院での寝違えに対する対応が保険適用になるかは、「その痛みが急性の痛みかどうか」によって異なります。
「昨日までは何ともなかったのに、今朝から急に痛みだした」という場合は保険が適用されますが、慢性的な肩こりなどによる首の痛みの場合は保険適用外なので注意が必要です。
整体院と同様に、症状が重い場合は、整形外科の受診をおすすめします。
整形外科
整形外科では、整体院や接骨院よりも細かく診断を行います。
まず、痛みのある箇所の画像検査によって、炎症の程度や寝違え以外のケガや病気が潜んでいないかなどをチェック。その後、実際に寝違えであった場合は、痛み止めや湿布の処方によって経過観察をします。
整体院や整骨院には医師が在籍していないため、痛み止めの処方が出来ません。そのため、痛み止めが欲しい人は整形外科を受診しましょう。なお、治療期間は数日から数週間で、治療には保険が適用されます。
まとめ
突然発生する寝違えは、正しい対処をしないと症状が悪化する恐れがあります。自分だけでなく家族が寝違えた場合も患部を揉んだりせず、安静にして様子をみるか、痛みが軽いうちは整体院や整骨院、整形外科に。あまりにも痛みが強いなら整形外科で相談しましょう。また、定期的に通う可能性を考えると近所の整体院や整骨院、整形外科をおすすめします。
寝違えは筋肉の緊張を和らげない限りいつでも起こり得るので、急な痛みに苦しまないためにも原因を知ったうえで自分に合った予防をするのが大切です。