四季折々の自然が美しい利根運河沿いにある「ハム・ソーセージ職人の店 Umami」は、武藤孝雄さん・清子さんが夫婦で営むハム工房。
丁寧な職人の技が光るこだわりの品々は、一味も二味も違います。
公開 2024/03/14(最終更新 2024/03/15)

心からの「うま!」が聞きたくて

店名の「Umami」は、武藤家の子どもたちが本当においしいものを食べた時の反応から取っています。職人である孝雄さんは常に20種類以上のハムやソーセージを作っており、試作品や新作ができるとまず二人の子どもたちに食べてもらってその反応を見るのだと言います。素直な「うま!」が出れば合格。その時のうれしい笑顔を、お客さまからも引き出せるお店にしたいという思いを込め、「Umami」と名付けました。
成型からカッティングまで、この道一筋30年の孝雄さんが一人で丁寧に行っています。一口食べればそれまで自分の中にあったハムやソーセージの概念が覆るほどに優しく、繊細な味わい。本場ドイツの製法をくみながらも、素材そのものの味を楽しむ日本人の味覚に合うように作られており、塩味は控えめです。燻製(くんせい)に使用するのも、日本人にとってなじみ深く香り高い桜のチップ。じっくり熟成されたまろやかな味が、ご年配の方にも喜ばれています。

「そのまま食べた時が一番おいしい状態になるよう作っています」という孝雄さんの言葉通り、これさえあればアレンジ不要で食卓や晩酌がワンランクアップ。お酒好きなあの人へのギフトにもぴったりです。地産地消に貢献したいと、主に使用しているのは新鮮な千葉県産の豚肉。流山市のシンボルであるオオタカをあしらったパッケージデザインもセンスにあふれ、帰省土産やお中元・お歳暮など、千葉県らしいものを贈りたいシーンにおすすめしたい逸品です。

肉質を見極める確かな目で素材の持ち味を生かす

孝雄さんは、高校を卒業してすぐに老舗ハム屋でホテル向け商材の営業を担当。その後工場で製造の工程を一から学び、工場長も務めました。自ら数多くの商品開発を手掛ける中で、たまたまお客さまの声を直接聞く機会に恵まれた時、大きな喜びを感じたという孝雄さん。
「ちょうど今後の人生をどうしていこうか、自分には何ができるのかと考えていた時に、自分で作ったものを自分で販売してお客さまと触れ合えるのはすごくいいことじゃないかなと思ったんです」
2021年、縁あって流山市の利根運河近くに「ハム・ソーセージ職人の店 Umami」をオープン。店頭に立つ清子さんの明るい人柄も相まって、今ではすっかり地域で愛されるお店になりました。
肉本来の味を大切にするのが孝雄さんのこだわり。「豚にも一頭一頭個性があるんです」と話します。その日仕入れた豚の肉質をよく見極めて丁寧にカットし、それぞれの部位に適したハムやソーセージに仕上げていく技術はまさに職人技です。
人気商品は肉塊の残り具合が絶妙でプリッとジューシーな粗挽きウインナーと、しっとり食感に燻製の風味がたまらないスモークチキン。孝雄さんにしか作れない味に魅了されるファンが多く、どちらも定番商品となっています。

大切な命を無駄なくおいしく Umami的SDGs

孝雄さんは大切な命をできるだけ無駄にしないよう、作る工程で機械に残ってしまう肉も加工品にして活用しています。そんな孝雄さんの元に、とあるお肉屋さんから相談があって生まれたのが「黒毛和牛の燻製コンビーフ」。上質な黒毛和牛でも、どうしても部位によって需要に差があるもの。焼き肉やステーキなどには使いにくく余りがちな部位を生かしてほしいという依頼を受け、孝雄さんが絶品コンビーフに生まれ変わらせたのです。燻製してから仕上げたコンビーフは、かめばかむほど黒毛和牛のうまみが広がるぜいたくな逸品。
素材への愛を持って、本物の味を届ける孝雄さん・清子さんが夫婦二人三脚で目指すのは、Umamiの商品を誰もが定番として思い浮かべるような「千葉県の名産品」にし、全国の人に楽しんでもらうこと。
「千葉の手土産と言ったらUmami」となる日もそう遠くないかもしれません。

おすすめの調理法を伺ったところ、「燻製しているウインナーはボイルするだけでプリッとした食感が楽しめる。燻製していない白いウインナーはボイルしてから少し焦げ目が付くくらいまで焼くと皮がパリッとします」とのこと。ぜひお好みの食べ方を見つけてください。

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