事前に自分が食べる献立を選び、ランチルームで全校一緒に食べるー船橋市の中学校では当たり前の給食風景ですが、実は献立が選べる「選択式」は珍しい取り組みのようです。
公開 2024/03/24(最終更新 2024/03/21)

中学校給食の2つの特徴
1993年に法田・高根・習志野台の3校を皮切りに、船橋市立中学校の給食が開始。
現在では26校全ての中学校で実施されています。
船橋市の中学校給食の大きな特徴は、自分でメニューを選ぶ「AB献立選択制(家庭からの弁当持参も可)」と「ランチルームの利用」。


これらは給食開始時から行われており、当時中学生だった女性は「当時としてはかなり画期的で、ランチルームで食券を使うことがうれしかった」と振り返ります。

自分の食を考える大人への一歩
生徒たちは事前に原則3カ月後(※)の献立を見て、主食が主にごはんの「A献立」、主食が主にパン・麺類の「B献立」、または「弁当持参」を選んでマークシートに記入、食券を申し込みます。
※時期によって変動あり

当日は食券と引き換えに給食を受け取り、ランチルームで全校一斉に食べます。

中学生に話を聞くと、「アレルギーがあるので選択肢があるのはうれしい」「好きな献立を選べるから、残さず食べられる」との声が聞かれる一方、「選ぶのに手間がかかる」という意見も。
高根中学校の栄養教諭、風間由香莉さんは「与えられるだけでなく、食べるものを自分で選ぶことは、子どもから大人への成長過程で大切な体験」と話し、生徒たちが健康的な食習慣を身に付けるきっかけにしてほしいという思いを語りました。

地域の食材を取り入れた献立
給食では「地産地消」を目的に、船橋産の米や農水産物が積極的に利用されています。
ある日の高根中のA献立「船橋産黒鯛めし」では、船橋漁港で水揚げされた未利用魚が使われ、黒鯛にまつわる情報が掲示されていました。

生徒たちは食を通じ、船橋市と地場産業への理解を深めることができます。

給食を担当する市の保健体育課は「給食を取り巻く状況は日々変化しますが、いつの時代も食べる児童・生徒の立場に立ち、愛情を込めた給食づくりに努めます」と話しました。