毎日の生活に必須の給湯器ですが、お湯が必要なときにお水しか出ないというトラブルが起きたとき、修理すべきか交換すべきかと慌ててしまうことも少なくありません。
ここでは、給湯器を修理して使い続けるか、買い替えて交換するべきか、正しい対処法を詳しく解説します。今は調子が悪いわけではないというご家庭でも、知識としてぜひ押さえておいてください。
公開 2022/11/29(最終更新 2025/09/11)

給湯器が故障した!まず確認すべきこと
給湯器の調子が少しおかしいかもしれない、と感じたとき、確認すべきポイントはどこなのでしょうか。
給湯器の状態を確認する
まずは、給湯器の状態を確認してください。よくある症状と対処法をご紹介します。
お湯が出ない
「お湯が出ない」「温度が一定ではない」というのは、代表的なトラブルです。 ただし、お湯が出ないからといって、給湯器の故障が原因というわけではありません。水道管の凍結やガスの元栓が閉まっている場合もあります。
水漏れ
給湯器からの水漏れもよくあるトラブルです。ある程度月日が経っている給湯器の場合、凍結でなければ部品の経年劣化の可能性があります。 取り付けたばかりの給湯器から水漏れしている場合、機器本体の不良か施工不良が原因かもしれませんので、施工業者に確認してください。
異臭がする
焦げ臭い・異臭がする・ガス臭いといった場合、不完全燃焼の可能性があります。給湯器本体の給気口や排気口に、ゴミやほこりがつまっていないか確認してください。 また、給湯器本体の劣化や破損の可能性も考えられますので、業者に点検・修理を依頼しましょう。 ガス臭い場合は、ガス漏れを起こしている場合もあります。自分で対処するのは危険です。必ずガス事業者に連絡してください。
エラーコードを確認する
給湯器の多くはエラーの内容が表示されます。メーカーによよってエラーコードは変わるので、取扱説明書などで確認しましょう。
給湯器から異音がする
「ポンポン」と音がしたときは、ガス漏れなどによって不完全燃焼している可能性があります。 給湯器から異音がした場合には、業者に見てもらうと確実です。大きな音が起きたときはすぐに使用を中止して業者に点検してもらうことをおすすめします。
動かない
動かないと思ったら、まずはリモコンを確認してください。リモコンの電源はOFFになっていないか、コンセントにしっかり刺さっているか同時に確かめるのがポイントです。 ブレーカーが落ちていないか確認することも必要です。漏電などが原因でブレーカーが落ちることがあります。自然現象で落ちた場合、ブレーカーを上げることで再稼働させることが可能です。
賃貸にお住まいの場合
賃貸物件にお住まいの方の中には、「給湯器の修理代は誰が払うのか」と不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。費用は基本的に貸主負担です。ただし、場合によっては入居者の負担になることもありますので注意しなければなりません。
給湯器が故障したら管理会社に連絡
管理会社に給湯器の修理や交換の連絡をしましょう。 入居者本人が給湯器の修理・交換などの手配をした場合、自己負担になる可能性があります。依頼された業者は、依頼人に代金を請求します。自己負担にならないように、必ず管理会社に連絡してください。
リース給湯器の場合
リース期間中の修理費は基本的にリース会社の負担になります。
契約内容・補償内容によっては有償になる場合もある
基本的に給湯器をリースした場合、修理費用はリース会社負担ですが、契約内容によっては使用者負担という場合があります。使用者の落ち度がある故障の場合は、契約解約や機器買取などが義務になっていることもあるので、契約前に契約内容をしっかりと確認してください。
どこに頼む?業者別メリットデメリットを解説
ここでは、給湯器の交換や修理の依頼先についてご紹介します。メリット・デメリットなども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
1.ガス会社
ガス会社はガスを提供している会社ですが、機器の取り扱いも行っています。そのため、給湯器の修理や交換にも対応可能です。
ガス会社ならではの安心感がある
ガス会社に依頼をするメリットは、いつも利用をしていることから、他の業者よりも安心感があることです。大手ガス会社であれば、信用性も高く安心して依頼できるでしょう。毎月の支払明細書から確認できるため、急なトラブルでもすぐに連絡ができることもメリットのひとつです。
選択肢が少なく費用が割高
取り扱っているメーカーが限られていることから、希望の機器を選べないという可能性があります。また、本体価格が高額で、割引などのサービスもあまり充実していません。他の業者に依頼した方がコスト面で負担があまりかからないという点が、ガス会社にする依頼するデメリットです。
2.メーカー
交換や修理は、製造・販売を行なうメーカーでも対応しています。そのため、トラブルが起きた場合、、直接メーカーに連絡を検討する方も多いのではないでしょうか。
おもな給湯器メーカー
◇ノーリツ(NORITSU)
◇リンナイ(Rinnai)
◇ユメックス(YUMEX)
◇東京ガス(YOKYO GAS)
◇パーパス(PURPOSE)
有名メーカーなら安心して依頼できるのがメリットです。
修理・交換は業者に委託している
各メーカーでは商品の製造は行なっていても、設置や修理などは委託業者に依頼しています。そのため、割引などのサービスがなく価格に変動があまりありません。交換や修理にかかる費用は割高になるでしょう。
3.給湯器業者
給湯器業者はさまざまなメーカーを取り扱っており、販売や交換はもちろん、機器の修理にも対応しています。
豊富な種類の中から選べる
給湯器業者はさまざまなメーカーの機器の取り扱いがあります。現在使っているメーカーはもちろん、他のメーカーに変更することも可能です。 また、給湯器業者が多数あることから業者間の競争が激しいこともあり、サービスや保証内容が充実しています。コストを抑えたいのであれば、給湯器業者への依頼がおすすめです。
ガス会社やメーカーに比べると信頼性が低い
信頼性がメーカーなどよりも低いというデメリットがあります。依頼時のスタッフの対応や、ホームページなどの口コミなどで確認するといいでしょう。多数業者があるので、複数社比較することをおすすめします。
修理した方が良い?交換が良い?ポイントを解説
修理に出すか交換するか、どちらが適切なのでしょうか。ここでは、給湯器の修理・交換についての判断材料となるポイントをいくつかご紹介します。
給湯器修理の場合
不具合が発生した部分だけを修理した場合、該当箇所の部品を交換して使用できます。
保証期間内
給湯器の製品保証期間は、基本的に1~2年間です。その間に不備・不良が見られた場合、初期不良としてメーカー側が全面的に修理や部品交換を負担してくれます。不具合が生じた場合はメーカーに修理を依頼しましょう。
配管や周辺部品などの劣化の可能性
機器の不具合ではなく、周辺部品などが劣化している場合があります。本体周りを確認してみるといいでしょう。配管からの水漏れがあれば、配管の交換だけで済む可能性があります。
修理費用の相場
給湯器の修理にかかる費用は、20,000円~50,000円前後が目安です。使用期間や、不具合の種類、依頼する業者によっても異なります。簡易的な部品の取り替えは数千円~30,000円ほどです。
依頼から修理までの期間
業者に依頼して修理までは、最短で即日対応可能な業者もあります。交換する部品の在庫状況にも異なりますが、24時間対応業者もありますので、至急修理が必要な方は問い合わせしてみるといいでしょう。
給湯器交換の場合
給湯器本体の交換を検討した方が良いケースは以下の通りです。
一般的な寿命は8年
メーカーで定められている設計標準使用期間は10年。そのため、部品の製造も10年で終了してしまうことがほとんどです。部品の製造が終了してしまっていては、修理をしたくてもできない可能性があります。また、一般的な寿命は8年ほどといわれていますが、8年以上使用している場合、いつ不具合が生じてもおかしくありません。使用期間が長いのであれば交換を検討してください。
依頼から交換までの期間
給湯器は業者に連絡したら、即日交換してくれるわけではありません。機器本体の在庫状況、工事の日程によって変わります。給湯器の在庫があり、作業時間も確保できるようであれば即日対応が可能な業者もあります。ただし、実際には交換依頼後の給湯器手配になるため、依頼連絡から1週間前後の工事と考えておくといいでしょう。
10月~2月は取り付けの繁忙期です。そのため工事の予約が取りづらい上、製品の品薄が重なり取り寄せにも時間がかかります。数週間交換ができない可能性もあるので注意が必要です。
給湯器交換の費用相場
スタンダードな給湯器から高効率のものまで機器本体によって価格にが違います。 工事費など全て含めた総学区は10万円~40万円くらいです。エコキュートなど省エネ商品は40万円以上かかります。大きさや機器によって幅があるので、専門業者としっかり検討してください。
給湯器修理の際に気を付けるポイント
ここでは、給湯器修理の際のポイントをご紹介します。
業者選び
業者選びは慎重に行わなければなりません。トラブルが起きた際、慌てないためにも、説明をきちんとしてくれる、安心できる誠実な業者を選びましょう。
実績や保有資格に注目
依頼しようとする業者の実績を確認することも大切です。豊富な実績がある場合、高いノウハウを持っています。技術力を判断する基準にもなるので依頼先を決めるポイントになるでしょう。
また、保有資格も確認してください。資格保持者であれば、安心して点検や修理を任せることができます。多くの業者はホームページで確認が可能です。
複数業者に見積り依頼
いくつかの業者に相見積もりを取ることも大切です。数社に連絡をすることで、スタッフの対応なども確認できます。アフターサービスや保証内容も同時に確認するといいでしょう。
自己修理はNG!
応急処置としてある程度は自己処理で対応できる場合もあります。しかし、修理には専門的な知識や技術が必要なので、専門業者に依頼するのがおすすめです。
専門業者にはプロの作業員が在籍
さまざまなメーカーに対応できる専門のスタッフが在籍しています。知識も技術もあるので、安心して修理を依頼できるでしょう。
対応スピードが早い
専門業者は依頼後すぐに対応してくれるのが一番のメリットです。最近では24時間365日依頼の受け付けを行なっている所もあり、気軽に頼めるようになりました。地元密着型の業者が多いのも、安心材料のひとつではないでしょうか。
まとめ
給湯器にトラブルが起きた場合には、自分でできる応急処置をした上で、専門業者に修理・交換の依頼をすることをおすすめします。特に、地元の給湯器業者なら迅速に対応が可能。修理や交換のあとのアフターフォローをしている業者もあるので、安心して依頼するためにもトラブルが起こる前に確認しておくことが大切です。