「自宅の外壁を塗りなおして綺麗にしたい」とお考えの方も多いかもしれませんが、塗装工事にかかる期間は以外に長いことをご存じでしょうか。
外壁塗装は工事全体で7~14日ほどかかるため、計画的にスケジュールを立てなければなりません。また、外壁の塗装作業は少なからず日常生活にも影響を及ぼすため、あらかじめどのような注意点があるのか把握しておくことで、工事期間中も不自由なく過ごせるでしょう。
ただし、外壁塗装の工事期間は季節や天候によって異なり、場合によっては14日以上かかることもあるため、どのような条件だと期間が延びやすいのかも把握しておくのが賢明です。
ここでは、外壁塗装の工事にかかる期間や、生活に及ぼす影響について解説します。外壁工事の工程や、工事期間中の過ごし方を具体的にご紹介しますので、スムーズに外壁塗装工事を進める際の参考にしてください。
公開 2022/11/29(最終更新 2025/09/11)
目次
外壁塗装にかかる期間
外壁塗装にかかる期間は一般的に7~14日程度の作業日が必要。この期間に発生する休日を加味すると、工事全体にかかる日数は2~3週間程度と考えておけば安心です。
外壁に塗料を塗るだけであればすぐに終わりそうなイメージがあるかもしれませんが、実際には複数の工程があり、塗料や洗浄水の乾燥に時間を要するため、短期間で完了する作業ではありません。
また、外壁だけでなく屋根の塗装も行う場合には、さらに3日程度プラスされます。これは、外壁と屋根の塗装にそれぞれ3日間かかるためです。
外壁と一緒に屋根の塗装も行えば足場の設置と解体が1回で済むため、その分料金がお得になるメリットもあります。工事の日程が多少長くても問題なければ、屋根まで含めて一度に塗装工事を行っても良いでしょう。
いざ工事開始!外壁塗装工事で知っておきたいポイントは?

外壁工事には想像以上に多くの工程があり、さらに天候によって工事が遅れる可能性も否定できません。あらかじめ工数の増加や期間の延長が発生するケースを知っておくと、工事を行う時期の検討に役立ちます。
外壁塗装の工事は思った以上に工数が多い!
外壁塗装の工事は以下の7つの工程で作業が行われます。
1.近隣住民への挨拶
外壁塗装工事は塗料による臭いが周囲に蔓延したり、足場設置・解体の際に騒音が発生したりするため、近隣住民への配慮が必要です。
場合によってはクレームやトラブルに発展するため、事前に外壁塗装を行う旨と想定される期間、工事を行う時間帯などを伝えておくと良いでしょう。
周辺への挨拶周りは工事業者が行ってくれる場合もありますが、自分自身で挨拶をした方が誠意が伝わり、トラブルに発展するリスクを減らせるため、可能な限り自ら赴くことをおすすめします。
2.足場設置

外壁塗装を安全かつスムーズに行うために欠かせないのが、自宅の周りの足場設置です。足場を組むとまんべんなく塗装ができるため品質の向上に繋がるほか、足場の外側に飛散防止ネットを被せることで塗料が周りに飛ぶのを防ぎます。
足場の設置は多くの場合1日で終わりますが、専門の業者に依頼する場合は、さらに1~2日程度かかる場合もあります。
3.外壁洗浄
塗装を施す前に、外壁についたほこりやコケ、カビ、古い塗膜といった、塗装の妨げになる汚れを高圧洗浄水で落としていきます。もしも汚れが付いている状態で塗装してしまうと、綺麗に塗れなかったり、汚れとともに塗装が剥がれてしまったりする可能性がありますので注意が必要です。
洗浄作業の前後に飛散防止シートの設営と片付けが必要であるため、半日~1日程度かかります。
4. 下地補修
塗装をする前に、塗装面となる下地を綺麗にする作業を行います。下地にひび割れや凹凸があると、塗装の密着性が悪くなるだけでなく、塗料の持ちも悪くなってしまいかねません。そこで、ひび割れ部分のカットや、コーキング材と呼ばれる液体をひび割れ箇所に注入するなどして補修するのです。
下地補修は短ければ1日で完了しますが、ひび割れの程度や壁材の種類によって、2~3日かかる可能性も考慮してください。
5.養生

塗装を施さない部分を保護するために、玄関やサッシ、花壇や植物などをビニールシートで巻きます。養生の期間は自宅や敷地の大きさ、エクステリアの種類などによって異なりますが、半日程度が目安です。
6.下塗り・中塗り・上塗り
いよいよ外壁塗装の作業に入ります。塗装作業は下塗り・中塗り・上塗りの3回の工程に分けて行われます。
最終的な塗装が綺麗になるよう、初めに上塗り塗料の密着力を高めるシーラーや、下地を平滑にする役割を持つフィラーといった下塗り材を外壁に塗るのが下塗りです。下塗り材は細かいひび割れを修復したり、上塗り材の吸い込みを抑制したりする効果があるため、出来栄えを左右する重要な工程だと言えるでしょう。
次に、塗料をムラなく均一に塗るために中塗りを行います。中塗りに使う塗料は基本的に上塗りと一緒です。ただし、1回で塗装をしようとするとムラが出てしまうため、2回に分けて塗装する必要があります。
最後にもう一度中塗りと同じ塗料で上塗りを行い、塗装作業は完了です。
それぞれの塗装は1日で終了しますが、塗料を乾燥させる時間を設ける必要があるため、塗装の工程は3~5日程度を見込んでおきましょう。
天気や外壁の状態により工期が長引くことも
外壁塗装はスムーズに作業が進行すれば7日で終了しますが、天気や外壁の状態に左右されるため、必ずしも予定通りに終わるとは限りません。以下のような場合は、予定よりも工期が長引いてしまいます。
天気が悪く作業ができない

雨や雪の場合、塗装ができないため、天気が悪ければ作業できません。また、強風の場合も危険を伴うことから、作業は中止となります。
雨が少ない春や秋に工事をすることでスムーズに完了する可能性を高められますが、これらの季節は梅雨や冬の時期と比べて料金が高くなる傾向にあるため、期間の短さを取るか、金額の安さを取るか、事前に検討しておくことが大切です。
また、塗装後はメーカーの定める乾燥時間を守って乾かす必要がありますが、各メーカーが定めている時間は気温23℃を基準としています。気温が低くなると乾燥にかかる時間も長くなるため、温暖な時期の方が作業がスムーズに進みやすいことも知っておくと良いでしょう。
外壁の劣化が激しい
外壁の凹凸やひび割れが多数ある場合やサビが発生している場合は、下地補修と下塗りに割く時間が多くなるため、予定通りに工事が進みません。 通常、下塗りは1度で完了しますが、外壁が劣化していると下塗りの吸い込みが激しいため、下塗りが2回必要となるケースもあります。
これにより、塗装の回数が合計4回になるため、工期が1日~2日程度延びてしまいます。
塗料の用意に時間がかかる
事前に打ち合わせをした塗料を使うのであれば工期の延長はありませんが、工事中や工事直前に色の変更を依頼した場合は、期間が長引くリスクがあります。
塗料はメーカーに発注して取り寄せる必要があるため、場合によってはすぐには届かない場合もあるので注意してください。
予定通りに工事を進めるためには、事前にしっかりとイメージを固めて、打ち合わせの内容から変更しないことが大切です。
外壁塗装工事中の過ごし方

外壁塗装工事中は自宅に足場が設置され、日中は常に周りで業者が作業している状況になりますが、それが生活にどの程度の影響を及ぼすのかは事前に知っておきたいところです。
ここでは、外壁塗装工事の立ち合いの必要性と、日常生活で困ることの2点について解説します。
工事には立ち会わないといけない?
工事期間の間、常に工事に立ち会う必要はなく、基本的には自由に外出をして構いません。工事は自宅外で全ての作業が完結し、塗装業者が自宅内に入ることもないため、自宅を空けても防犯上の心配はないでしょう。
ただし、全く立ち合いが必要ないわけではなく、「足場設置前の現場確認」と「完了検査」の工程は立ち合いが必須です。足場設置前の現場確認とは、自宅の周りに足場を設置する際に、置いているものをどこに動かすか、特に注意して動かす物の確認を行う作業。家主の許可を得ずに勝手に物を移動させるわけにはいかず、業者とやり取りをするために立ち合いが必須となります。
完了検査は塗装が終了した際の仕上がりを確認する工程。この工程で家主の確認を取ることで、塗装工事が全て終了となるため、完了検査も立ち合いが必須です。
仕上がりに不満があり、再度塗装を依頼するのであれば、完了検査を再び実施しなければならないため、その場合は立ち合いの回数も増えてしまうでしょう。
また、立ち合いが必須ではない工程であっても、工事の進捗を把握しておきたい方は、業者に対して毎日の進捗報告を依頼したり、営業担当者や現場管理者と常に連絡が取れるようにしたりすると、安心して工事を見守れます。
音や洗濯物など生活で困ることは?
外壁塗装期間中はある程度大きな音が聞こえることは避けられません。足場設置・解体時の金属音や、外壁洗浄時のモーター音、塗料吹付時の機械の駆動音など、工事中はあらゆる大きな音が必ず発生します。
また、外壁の劣化が激しい場合は、ひび割れ箇所をカットする際の音や、サビや古い塗膜を除去する機械の音が発生するため、自宅の状態によっても工事中に音が出るタイミングは異なります。騒音が気になる場合は、大きな音が発生するタイミングを業者に確認し、その時は外出すると良いでしょう。
外壁塗装時に洗濯物が干せないこともよくある悩みの1つ。塗装工事中に洗濯物を干してしまうと、塗料で汚れたり作業の邪魔になったりする可能性があるため、基本的には洗濯物を干すのはNGです。
塗装工事が行われない休日に干すのは可能ですが、足場が設置されているため外からでもベランダに入りやすく、盗難や住居への侵入といったリスクが高くおすすめできません。また、養生シートが設置されているため日当たりが悪くなる点からも、工事期間中は洗濯物を外で干すのは難しいでしょう。
工事期間中は、室内の洗濯物を乾きやすくするためにサーキュレーターを活用したり、コインランドリーを利用したりするなど、外で干す以外の方法を検討してください。
その他、日常生活で気をつけるべきなのは、防犯意識を高めることです。足場が設置されているため、2階から自宅に侵入するのが容易になるうえ、養生シートが設置されていると周囲から自宅の敷地内の様子が見えにくくなり、不法侵入のリスクも上がります。 これらの観点から、外出時の戸締りを徹底し、防犯センサーや防犯ライトといったセキュリティを高めるアイテムを購入することも考えておくと良いでしょう。
まとめ
外壁塗装は、時期や自宅の外壁の状態によって工事期間が変わるため、事前にどのようなことが工事期間に影響するか理解し、計画的にスケジュールを立てることが大切です。外壁塗装の工事期間を短くするためには、以下の2点に注意してください。
・雨や雪など天気が悪くなりやすい時期を避ける
・塗料の取り寄せが発生しないよう、事前に打ち合わせた内容から変更を依頼しない
これらを意識することで、想定外の工事延長の可能性を減らせるでしょう。
また、工事期間中は立ち合いが必要なタイミングがあったり、洗濯物を自由に干せなかったりするなど、日常生活にも影響するため、対応できるタイミングで工事を依頼する必要があります。外壁塗装工事にかかる期間と生活での注意点を把握したうえで、工事を依頼する時期を検討してみてはいかがでしょうか。