市原湖畔美術館では海外から4人のアーティストを招いて「私たち」と「世界」をつなぐ企画展を開催しています。
公開 2024/05/30(最終更新 2024/05/28)

市原で集めた古着やペットボトルで制作
今回の企画展に招かれたのは、フィリピン、ベトナム、中国、韓国の4人のアーティストです。
それぞれの国の歴史・文化・風土と、市原市で暮らす私たちの人生や思いに光を当てた、世界へとつなぐ作品が展示されています。
ベトナムのディン・Q・レさんは、古着を使用した作品を展示しています。

ベトナムで集めた古着と市原市で集めた古着約2500着を使って作品を制作しました。
クラフト作家の古関由美子さん、彫刻家の大川友希さんのアドバイスによりラグを制作し、パッチワーク作家の糸長ハルミさんのアドバイスで巨大なキルトを制作しました。
ディン・Q・レさんは、市原市から帰国後ご逝去されました。
作品の完成を「私はアイデアを出したけれど、一切、手を動かすことはなかった。これはベトナムと市原のコミュニティーによってつくりあげられた共同作品だ。私のまったく新しいチャレンジだった」と心から喜んでいたそうです。
フィリピンのリーロイ・ニューさんは、市原市で集めたペットボトル約4000本を使い作品を制作しました。
作品の一部には子どもたちと作った花が使われています。

カラフルな作品、かぶって遊べる作品も
展覧会入り口にあるマスキングテープで飾られたようなタイトルロゴデザインの先はまさにキルトの世界が広がっています。

床には寝転びたくなるフワフワモコモコのカラフルなラグ、天井からは大きなキルトがつり下げられています。
地下から吹き抜けている大きな空間では、巨樹バレテを軸にフィリピンの民話・神話を、SFの世界のように展開しています。
その足元には中に入る(かぶる)ことができる作品もあります。
中国のリュウ・イさんは、日本に住む中国人にインタビューをし、居場所を求める中国人の魂の旅を、水墨画の技法を用いて作られたアニメーションにしました。

韓国のチョ・ウンピルさんは、韓国で特別な色として扱われている青をテーマに作品を制作しています。

スクリーンに映る海は、朝鮮半島と日本をつなぐ青い海を表しているようです。(取材・執筆/案山子)
会期/~6月23日(日)
開館時間/(平日)午前10時~午後5時(土・祝前日)午前9時半~午後7時(日・祝日)午前9時半~午後6時
住所/千葉県市原市不入75-1
料金/一般:1,000円、大高生・65歳以上:800円、中学生以下・障害者手帳をお持ちの人と介添者1人:無料
休館日/火曜日
電話番号/0436-98-1525 市原湖畔美術館
ホームページ/https://lsm-ichihara.jp/