外来水生植物が世界的に繁殖し、「最悪の侵略的植物」とも呼ばれています。千葉県が続ける駆除活動を取材しました。

公開 2024/08/04(最終更新 2024/08/01)

ソバ

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大手新聞社の記者を続け、定年延長も終わったので、地域の話題を取材したいと、地域新聞様にお世話になっています。明るく、楽しく、為になる話題を少しでも分りやすく紹介したいとネタ探しの日々です。子どもの頃から麺類が好きなのでペンネームにしました。

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水面が覆われ、船の運航に支障が…

手賀沼や印旛沼で南アメリカ原産の外来水生植物が繁殖し、水面が覆われることで船の運航に支障が生じています。

世界的に繁殖し、「最悪の侵略的植物」とも呼ばれ、千葉県が駆除活動を続けています。

この水生植物の名前は、ナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイです。

外来水生植物 ナガエツルノゲイトウ
外来水生植物 ナガエツルノゲイトウ

ナガエツルノゲイトウは印旛沼では1990年に初確認された後、94年に全流域に繁茂拡大しました。

手賀沼では98年に流域の水田水路で初確認された後、2014年には全流域に繁茂拡大。

外来水生植物 オオバナミズキンバイ
外来水生植物 オオバナミズキンバイ

オオバナミズキンバイは手賀沼では2017年に初確認後、同年内で手賀沼の西部全域に繁茂域が広がり、19年までに東部域や下手賀沼へと拡散しました。

強い繁殖力でマット状に浮島を形成

いずれも高さ1メートル前後、茎の太さは5ミリメートル前後で、繁殖力が非常に強く、水中から陸上まで幅広く生息でき、除去しても根や茎の一部でも残れば再生します。

繁茂する外来水生植物
繁茂する外来水生植物

密集して水面にマット状に広がり、浮島のような群落を形成。

河川の流れを妨げるので水害の恐れもあります。

外来水生植物 根を切り離すハイドロモグ(刈取船)
根を切り離すハイドロモグ(刈取船)

県では、水草刈取船による刈り取りと人力による回収を組み合わせ、船で完全に取り切れない部分を作業員が手作業で除去しています。

しかし、完全に駆除するのは難しく、県水質保全課の職員は「刈り取った後も監視して、再繁茂が確認されたら速やかに駆除します」と話します。

これまでの取り組みで手賀沼では約6万平方メートル、印旛沼では約4万平方メートルが駆除されました。

※問い合わせ
電話番号/043-223-3821
千葉県水質保全課湖沼浄化対策班