健康で長生きしてほしいからこそ慢性腎臓病に要注意。

専門医に話をききました。

話を聞いたのは…

ゆりのき動物病院院長 本間活人さん
本間活人さん
ゆりのき動物病院院長

公開 2024/08/12(最終更新 2024/08/07)

ちいき新聞ライター

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15才以上の猫の80%が慢性腎臓病

猫の15歳は人間に換算すると約76〜80歳に相当し、その80%が慢性腎臓病(そのうちの90%以上は初期段階)というデータがあり、進行すると腎不全になり、死に至るそうです。

腎臓は血液をつくる司令塔であり、血圧やミネラルの調整、尿の濃縮や必要な成分の再吸収、不要なものの排せつなどを行っている臓器です。

慢性腎臓病になった場合、獣医師は腎臓の状態と猫の体の状態を総合的に判断して、食事療法や薬物療法などで治療します。

傷んだ腎臓自体を治すことはできませんが、残った腎機能の悪化をできるだけ遅らせるような治療を行います。

予防法は?水飲みに工夫を

猫の腎臓が一日でも長く元気でいるには、脱水させないように若いうちから水を飲ませること。

猫に水を飲ませるコツとして、本間院長は「猫は基本的にひげが水面に当たるとテンションが落ちて水を飲まないので、大きめのボウルを用意してほしい」と言います。

また「蛇口から直接飲みたいコや、ぬるま湯が好きなコなどもいるので、猫の飲みたいスタイルやシチュエーションを観察し、用意してあげてほしい」とも。

そして以前よりよく水を飲むようになった、排尿の回数が増えた、食欲不振、嘔吐、下痢、体重減少などの症状が見られたら、受診したほうがいいそう。

これらは、慢性腎臓病でよくある症状です。

また定期的な健康診断も重要で、回数の目安としては1歳を過ぎたら年1回、7歳を過ぎたら年2回。

人間も猫も、健康で長生きが一番ですね。(取材・執筆/福)