毎年4月になると開花が話題となる絶滅危惧種のクマガイソウ。

誰かが守らなければ失われてしまうこの宝物の存在を市民に知ってもらいたい――

公開 2025/01/26(最終更新 2025/01/27)

ちいき新聞ライター

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乱獲と山の荒廃が激減の要因に

クマガイソウ

四街道や佐倉で保護活動をしている市民グループと研究者が、講演会を開きます。

主催するNPO法人四街道メダカの会理事長の任海正衛(とうみしょうえ)さんは、クマガイソウがなぜ貴重かについて「乱獲されて激減した。発芽が困難で人工的な種子からの生育例がない。農業形態が変化し、山が荒れて生育適正地が激減したなど」を挙げています。

千葉の特徴は日本一の遺伝子多様性

クマガイソウの種は栄養分を持たず、自力で発芽できません。

数万のちりのような種が風に飛ばされ運良く相性の良いラン菌のある土壌に着地し、菌から栄養をもらって発芽します。

この発芽の困難さゆえにか、花言葉の一つは「気まぐれな美人」とされています。

四街道と佐倉のクマガイソウの特徴は小群落の全てが別々の種から発芽していること。

この遺伝子多様性は日本一です。

成東の群落が1952(昭和27)年に県指定天然記念物になるまでは、気まぐれなクマガイソウでも育つ半日陰の竹林などが千葉にもたくさんありました。

土地開発や私たちの生活の変化によって失われてきた生育環境の中で、千葉のクマガイソウを守るために、日々研究と実践が行われています。

講演会でクマガイソウの今を聞いてみては。(取材・執筆/夕凪)

(写真提供/任海正衛さん)

講演会●クマガイソウの不思議
~わかっていること・わからないこと~

日時/2月2日(日)
   午後1時30~午後4時30(午後1時開場)
場所/四街道市文化センター301・302号室
住所/千葉県四街道市大日396
定員/100人(当日先着順)
参加費/200円
主催/NPO法人四街道メダカの会

問い合わせ
電話番号/090-4204-3741 同会
メール/yotsumedaka@gmail.com