「がま口」ときくと、なんだか懐かしく感じませんか? 職人としてがま口と向き合う中川守和さんにお話を伺いました。

公開 2025/04/15(最終更新 2025/04/11)

ちいき新聞ライター

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職人の先輩である妻との出会いから

稲毛海浜公園そばの稲浜ショップの一角に、希少な技術の持ち主、がま口職人・中川守和さんの店はあります。

中川守和さん 稲毛海浜公園そば、稲浜ショップ内の中川さんのお店
稲毛海浜公園そば、稲浜ショップ内の中川さんのお店

中川さんは22歳の時にがま口製作の業界に入り、後の妻となる幸子さんと出会います。

独立後も、器用に仕事をこなす幸子さんを手伝いながら、職人としての腕を磨きました。

中川さんが持っている口金は200種類にも上ります。

口金の形状に合わせてがま口を作れるのは、長年培われた技術があるからこそ。

いざ作ってみると金具の部分が難しく納得がいかないことも。

中川守和さん 一つ一つに心を込め、丁寧に作業を行っていきます
一つ一つに心を込め、丁寧に作業を行っていきます

がま口と向き合う真剣な横顔からは、普段の穏やかな中川さんとは少し異なる、職人としての厳しさが伝わってきます。

作る技術を伝承するために

年々、高齢を理由に、抱えているがま口職人が減り、現在は2人になってしまったそう。

地元の小学生の職場体験では、開け方が分からない、がま口そのものを知らない子に出会い驚くことも。

「がま口は長く使うほど革が手になじみ使いやすくなる。また閉めた時のパチンとなる気持ちの良い音など、今後は教室などを開催して、がま口の良さを多くの人に伝えていきたい」と中川さん。

「時代に合わせたデザインを考えて財布を作るのが面白い。お客さまに直接販売し、お客さまの喜ぶ顔を見たい」…中川さんがここまでものづくりを続けてきた一番の理由は、人が好きだから。

中川守和さん がま口教室の様子
がま口教室の様子
中川守和さん 笑顔の中川さん
笑顔の中川さん

手作業の芸術は丁寧に受け継がれていきます。(取材・執筆/ぶんぽん)

中川守和匠店
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