東京芸術大学取手キャンパス(茨城県取手市小文間5000)に完成した「取手収蔵棟」。その中に設置された「魅せる収蔵庫」の一般公開が始まりました。芸大美術館教員とスタッフによるガイドツアーが盛況です。

公開 2025/05/24(最終更新 2025/05/23)

ちいき新聞ライター

ちいき新聞ライター

地域に密着してフリーペーパー「ちいき新聞」紙面の記事を取材・執筆しています。

記事一覧へ

作品1万3000件を保管

東京芸術大学は、1887年の創立期から卒業生・修了生の作品を買い上げています。

30年前からは、取手キャンパス内の同大学美術館取手館に保管。

近年では毎年100点以上の学生制作品が新しく収蔵されており、保管スペースが手狭になっていました。

そこで昨春、作品の保存・収集を継続するため、同取手館に隣接して鉄筋コンクリート3階建ての「取手収蔵棟」を新設。

両施設を渡り廊下で結びました。

「魅せる収蔵庫」が入る取手収蔵棟
「魅せる収蔵庫」が入る取手収蔵棟

同取手館と取手収蔵棟には約1万3000件を保管、このうち約8000件が卒業時・修了時の学生制作品とのことです。

「見せる視点」を取り入れた収蔵庫

収蔵している学生の作品は優秀な力作ばかりですが、公開の機会が限られていたことが課題の一つでした。

そこで、取手収蔵棟の2階に「見せる視点」を取り入れた「魅せる収蔵庫」を設けました。

この収蔵庫には、同大美術学部の各学科や専攻から選んだ日本画、油絵、彫刻、工芸、デザイン、建築などの他に、明治期に学生が描いた自画像も配架。

両壁面に小窓を作り、通常の展示室とは異なる形で作品を保管している「収蔵庫内」を見ることができます。

「魅せる収蔵庫」芸大コレクションの魅力を解説する大内伸輔さん
芸大コレクションの魅力を解説する大内伸輔さん
「魅せる収蔵庫」収蔵作品を鑑賞するガイドツアーの参加者
収蔵作品を鑑賞するガイドツアーの参加者

同大美術館特任准教授の大内伸輔さんは「魅せる収蔵庫の中で身近に芸術を感じ取ってもらいながら、収蔵庫ならではの鑑賞を体験してほしい」と話しています。
(取材・執筆/寅)

取手収蔵棟「魅せる収蔵庫」ガイドツアー
実施日/毎週火曜日(祝日除く)午後1時からと午後3時からの2回(所要時間は約45分)
定員/各回15人(下記の申し込みフォームから予約が必要)
料金/無料

問い合わせ
メール/am_toride@ml.geidai.ac.jp 東京芸術大学大学美術館 取手館
ホームページ・予約フォーム/https://museum.geidai.ac.jp/exhibit/2025/04/Toride-Annex-Storage.html