手軽にコミュニケーションを取ることができるSNS。そんな便利なSNSを利用した投資詐欺が急増しているとのこと。専門家に詳しく聞きました。

教えてくれたのは…

新川てるえさん
新川(しんかわ)てるえさん
茨城県つくば市在住。作家・家庭問題カウンセラー。国際ロマンス詐欺の注意喚起を行うNPO法人CHARMS代表。新刊『SNS型詐欺 国際ロマンス詐欺・SNS型投資詐欺被害者サポートマニュアル』(太郎次郎社エディタス)発売中

公開 2025/06/19(最終更新 2025/06/17)

ちいき新聞ライター

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SNS型投資詐欺の増加

NPO法人CHARMS(チャームス)が2018年〜22年にフェイスブック上で実施した国際ロマンス詐欺に関する被害相談において、新型コロナウイルス感染症流行前と後で比べてみると、コロナ禍後は暗号資産を使った送金、投資詐欺が増加しています。

これらの詐欺は非常に巧妙で、1件当たりの被害額が1千万円を超えるなど、被害が高額になるのが特徴です。

SNSで見知らぬ人からの友達申請。

仲良くなったある日、投資に誘われます。

試しにやってみたら少額の利益が出て、お金を引き出すことができます。

信頼して次に投資した金額が、投資アプリ上ではどんどん増えていきます。

そして利益を引き出そうとするとアプリが凍結され引き出せない状態に!

凍結解除のために手数料や税金がかかると言われて、借金までする羽目に。

そんな恐ろしい詐欺です。

「自信過剰バイアス」が危険

私は2016年から1000人以上の詐欺被害者のカウンセリングを行っていますが、被害に遭われた方の約9割が「自分はだまされないと思っていた」と言います。

これは「自信過剰バイアス」といわれるもので、自身の能力や知識を過大に評価し、自信を持ち過ぎる傾向を示します。

このバイアス(先入観・思いこみ)は、自分が実際よりも優れているという誤った認識から生じるものです。

誰もがこのバイアスを持っていて、リスクを過小評価したり、誤った判断を下したりする可能性があります。

どうか人ごとと思わずに情報に耳を傾け、注意してください。
(取材・執筆/新川)