船橋市出身・在住の森沢明夫さんは小説、エッセー、絵本など幅広く執筆。そんな森沢さんの文章教室が市内の公民館で開催されました。

公開 2025/07/01(最終更新 2025/06/27)

ちいき新聞ライター

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森沢理論にかなった良い文章とは?

船橋市在住の作家・森沢明夫さん(55)が5月中旬、市内の葛飾公民館で「楽しく文章センスを磨くヒント」と題して講演会を行いました。

当日は風雨にもかかわらず集まった約120人の熱心な参加者を前に、文章作りと生きるヒントを教えてくれました。

トレードマークのキャスケット帽をかぶり文章教室を開講した森沢明夫さん
トレードマークのキャスケット帽をかぶり文章教室を開講した森沢明夫さん

森沢さんは仲良しの作家ひすいこたろうさんのエッセー『モテる息子』を題材に、独自の理論「で?・は?・うんうんの法則」について解説。

「読む側の人が文一つ一つの最後に、『(それ)で?』と先の展開を促したくなり、続いて『は?』と頭の中に疑問が浮かび、その先を知りたくなるような書き方がされています。

その後、説明が入り、最後に『うんうん』と納得できるような言葉を当てはめるのが文章作成のこつ。

『うんうん』まで達すると、読む側の心に納得感が満ちてきて、良い文章だなと感じさせることができるのです。この法則はSNSの文章でも応用できますよ」と持論を展開しました。

主人公は自分、小説を書きましょう

自作エッセー「おばあちゃんとハル」(エッセー『森沢カフェ』より)では、おばあちゃんの長所と短所を織り交ぜて書いたとのこと。

そうすることで読む側に親近感が生まれ、亡くなった後にその人の人生の余韻を残すような読後感を与えることができる、と明かしました。

森沢明夫さん 大勢の受講生を前に語る森沢さん
森沢明夫さん 大勢の受講生を前に語る森沢さん
大勢の受講生を前に語る森沢さん

最後に、講演会に参加できなかった船橋市民に贈る言葉を伺うと、「一人一人が1冊の小説(本)の主人公です。自分は今日どのように生きて、どのような言葉を紡ごうか、考えてみてください。きっとすてきな本になりますよ」と話し、眼鏡の奥の目を優しそうに細めていました。

質問に答える森沢さん
質問に答える森沢さん

(取材・執筆/マット)