近年の発掘調査でその存在がより明確になった「市原郡衙(ぐんが)」。土の中から現れた奈良・平安時代の貴重な遺物が市原歴史博物館に展示されています。

公開 2025/07/10(最終更新 2025/07/07)

ちいき新聞ライター

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発掘で明らかになった市原郡衙の姿

郡衙とは、奈良・平安時代の現代でいう市役所のような存在です。

最近行われた「郡本遺跡群」の発掘調査にて、「市原郡衙」と関わりがあると考えられる数多くの遺物が見つかりました。

中でも注目されたのが、「市原厨(くりや)」と墨書(ぼくしょ)された土器の発見です。

「厨」とは、郡衙に付属する炊事施設を意味し、このように明確な文字で地名と施設名が記された資料は極めて貴重です。

市原歴史博物館企画展「ここまでわかった市原郡衙」
須恵器高盤

この他にも、古代の役所から見つかることが多い須恵器高盤(皿に長い脚が付いた形の儀式用具)、金銅製帯金具(役人の腰帯に付けられた金具)など、儀式の際に用いられたと考えられる遺物が出土しました。

これらの成果により、「郡本遺跡群」が市原郡衙の中心的なエリアであった可能性が一層高まりました。

市原歴史博物館企画展「ここまでわかった市原郡衙」
金銅製帯金具

展示と体験で知る古代いちはら

会場には、「市原厨」銘墨書土器を含む数々の出土品が展示されています。

毎週日曜日に、職員やボランティアによる分かりやすい展示解説が行われ、さらに7月13日(日)には、展示を担当した職員による特別説会も予定されています。

専門的な知見に触れられる貴重な機会です。

市原歴史博物館企画展「ここまでわかった市原郡衙」
観覧者全員に配布される「市原厨」銘墨書土器のミニカード

展示観覧者全員に配布されるオリジナルミニカードや、アンケートに答えた方へのポストカードプレゼントなど、訪れる楽しみも盛りだくさん。

体験を通して楽しみながら「市原郡衙」について学べる絶好の機会です。

展示と体験を通して「ここまでわかった市原郡衙」の姿に触れてみてはいかが。

(取材・執筆/案山子)

企画展「ここまでわかった市原郡衙」
会期/~7月21日(月・祝)
休館日/月曜(祝日の場合、翌平日)
会館時間/午前9時~午後午後5時(最終入場午後4時30分)
入館料/大人300円
その他の入館料はHPで確認してください
住所/市原市能満1489

問い合わせ
電話番号/0436-41-9344 市原歴史博物館
ホームページ/https://www.imuseum.jp/