今年4月に本会期がスタートした「千葉国際芸術祭」。トリエンナーレ(3年に1度開催される芸術祭)の開催は千葉市では初。

公開 2025/07/11(最終更新 2025/07/08)

編集部 モティ

編集部 モティ

編集/ライター。千葉市生まれ、千葉市在住。甘い物とパンと漫画が大好き。土偶を愛でてます。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB

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市民による市民のための芸術祭

地方で開催される芸術祭の多くが、観光誘致の側面があるのに対し、都市型の「千葉国際芸術祭」は、「市民参加」を大きなテーマに掲げているのが特徴の一つ。

「芸術祭というと、作品鑑賞を想像される方も多いと思いますが、今回僕たちが目指すのは、市民同士のつながりという『社会関係資本』を築くこと。その『のりしろ』になるプロジェクトをたくさんご用意しています」と話すのは、総合ディレクターを務める東京藝術大学美術学部教授の中村政人さん。

「千葉国際芸術祭2025」9月19日から開催!市民参加型のトリエンナーレ【千葉市】
総合ディレクターの中村政人さん

例えば、造形アーティストの加藤翼さんによる「引き倒し/興し」は、巨大な造形物を制作し、ロープで引っ張って「興す」というもの。

舞台となるのは、高齢者と海外からの移住者が多く住む千葉幸町団地。

立場や文化の異なる住民が力を合わせることで、相互理解を深める意図があります。

「物事の見方が変わり視野が広がると、社会や地域の課題に気付く。課題解決や地域活性化に関心を持ち、行動を起こす市民が増えれば、社会全体に変化が起こる。アートにはその力があります」と中村さん。

「千葉国際芸術祭2025」9月19日から開催!市民参加型のトリエンナーレ【千葉市】
写真は昨年実施した参加者の手でひもを編み制作していく「スロー・アート・コレクティブ」の作品

千葉市に新たな芸術文化を創造

32組の国内外アーティストによる個性豊かなプロジェクトは、場所も内容も参加方法もさまざま。

ワークショップの他、作品の材料提供やまち歩き…。

関わる時間や深さはそれぞれでも、「体験した」という実感が芽生えることは共通しています。

本芸術祭のコンセプトは「ちから、ひらく。」「プロジェクトが媒介になって出会いを生み、市民の力が開花すれば、さらなる可能性がこの地から開く。その連鎖が、新たな文化を創造するはず」と中村さんは期待を込めます。

「千葉国際芸術祭2025」9月19日から開催!市民参加型のトリエンナーレ【千葉市】

千葉国際芸術祭2025
集中展示発表期間/9月19日(金)~11月24日(月・祝)
コアタイム午前10時~午後6時、水曜休
会場/市内各所
※詳細、スケジュールはHPから
ホームページ/https://artstriennale.city.chiba.jp/